№8
日付:2023/3/3
タイトル:少女は卒業しない
監督・脚本:中川駿
劇場名:シネプレックス平塚 screen6
パンフレット:あり(\1,000)
評価:7

 

現在TV放映中の「ブラッシュアップライフ」を観ていて感心するのが、安藤サクラ、木南晴夏、夏帆を始めとする同級生役の他愛のない会話劇。これだけで1時間保てそうな気がするくらい。バカリズムさんがスゴイのか、女優さんたちがスゴイのか、観客を飽きさせない“日常”の体現に感心してしまう。

 

卒業を明日に控えた4人の高3女子たちの心の揺らぎを描いた本作も、日常の何気ないやりとりをとても大事に描いた作品。彼氏がいる子も、片思いの子も、友達がいない子も、大事な人を失った子も、等しく迎える卒業という別れの行事。極めて等身大の日常とそうでない日常とを並列に並べて、彼女たちにとって忘れられない1日を切り取ってスクリーンに映し出す。

卒業式直前の学校を舞台にしたグランドホテル形式の青春群像劇のようでもあり、日本版「アメリカン・グラフィティ」のようにしみじみ切なくもあり、日常と非日常の組み合わせを非ドラマチックに描き切った作品に、オジサンは涙が止まらくなった。

 

朝井リョウ原作と言えば「桐島、部活やめるってよ」が有名ですが未見。ただ本作は原作を抜きにして、映画でしか表現できない手法でその魅力を成立させている。逆に原作を読んで監督の映画化プロセスを確認したくなった。

ここ数年、コロナ禍で多くの学生たちが思い出に残せなかったその日の出来事を、映画というフィクションで代弁しているかのようでもあります。当分後を引きそうです。中川駿監督、大注目します。


河合優実ちゃんはY2K生まれながらまだまだJK姿が良く似合う

 

 

 

 

パンフレットは小振りで高いが、内容は悪くない

二つ折りのチラシ