№42
日付:2022/12/17
タイトル:アバター:ウェイ・オブ・ウォーター | AVATAR: THE WAY OF WATER
監督・共同脚本:James Cameron
劇場名:109シネマズ湘南 シアター10 ※IMAX
パンフレット:あり(\1,650)
評価:6点

 

監督が「僕はもう3D以外の映画を作ることに興味がない」と言っているのだから3Dで。またハイフレームレート(48FPS)なる撮影方式を採用しているとの事なので、これに対応した上映方式の映画館にて鑑賞。これに該当する劇場は結構吹替え版での上映館が多くて、字幕版はうちの近所では109シネマズさんしか該当していなかった。

 

上映時間はなんと192分。3時間越えの大作ながら、インターミッションも入らない。にもかかわらず、最後までダレる事なく観終える事ができた。常々感じてきた3Dメガネの弊害である画面の暗さも感じない。エンドロールで流れる白文字のクレジットをメガネを外して見てみると、装着時よりもはっきりクッキリ。なのでやっぱり暗いのだ。でも鑑賞時にはほとんど気にならなかった。ほぼほぼ眼前に広がる映像絵巻だけで乗り越えてしまう192分。ただ途中で我慢できずに離席する観客がいるのは少々問題(観賞の邪魔)。

 

舞台は山から海へ。先ずはここが成功要因その1で、青い海を舞台にした事で暗さの弊害が大きく減少している。

前作では先住民族ナヴィと地球人との争いを軸に、アバターという“あいのこ”が星を守るというお話でしたが、今回はそこにナヴィ同士の人種間の軋轢も加えながら、よりマイノリティにスポットを当てていて、今のご時勢にも合致している。自分のアイデンティティに自信を持てず心揺れる者たちに、キャメロン監督は活躍の場を提供する。

 

ただ「タイタニック」もそうですが、この監督の作品は心に残り続ける大切な作品になる気がしない。日本のアニメや漫画に触れてきた日本人にとって、ハリウッドのSF物で描かれる人間ドラマはどこか深みと複雑さに欠ける。今回描かれる親子の葛藤も家族構成もその役回りも、どこかで目にしたようなエピソードばかりだし、個人的な復讐劇に置き換わった地球人側の侵略手法も使い古された手口に終始する。

前作とは異なり、もはや地球人ジェイクはどこにも登場しないので、本体はどこかにあるの?と思っていたら、どうやら前作の終わりで彼のアバターへの魂の移植が完了していたらしい。敵のラスボスの復活と共に、何でもありな未来世界のお話。

 

シガニー・ウィーバーが前作で死んだグレース博士の娘を演じていると言われても、いやいや本人の面影ないし。エンドロールでケイト・ウィンスレットの名前を見つけて一体どれを演じていたのだろうと(海の民のリーダーの妻)。単なる「吹き替え」ではなく「演じている」と言われても、やはりハイそうですかと肯定はし辛い(これで賞レースにノミネートなんてされたらひと騒動起きそう)。

 

映画を楽しんだというよりも、良く出来たアトラクションを堪能した気分でもある。もう1回観ても良いかと自分に尋ねると、それはそれでアリな気がする(ちゃんと3時間超耐えられる気がする)。

観応えはあった、でも心には(多分)残らない、そんな作品です。

 

 

 

この子をシガニー・ウィーバーが演じていると言われても・・・

 

彼女(左)をケイト・ウィンスレットが演じていると言われても・・・

 

監督によると、既に3作目は撮影済み。この10年で4と5を作成予定との事

 

高いけど、設定資料等がタップリと掲載されたパンフレット

チラシ