№26
日付:1979/10/4
タイトル:太陽を盗んだ男
監督・共同脚本:長谷川和彦
劇場名:日立ファミリーホール(閉館)
パンフレット:あり(\200)
評価:-

 

試写会にて観賞。前半の緊迫感あふれた展開に対し、後半はグダグタに感じられた記憶あり。あとは沢田研二さんの髪の毛が抜けるシーン、それくらいしか覚えていない。

ラストも思い出した。こりゃダメだって、そう思った。

 

2022年11月17日

WOWOWシネマ放送(2022/7/4)分を鑑賞。

中学で理科を教える教師、城戸(沢田研二)がプロメテウスの火を手に入れるまでのプロセスは今観ても見応えがあった。目的を達した後の無軌道な振る舞いと警察との攻防も悪くない。アウトサイダーな教師役にジュリーが見事にはまってもいる。ロケ地となった住友三角ビルや(後の私の職場)、今はなきコマ劇場をはじめとする歌舞伎町周辺の様子が懐かしさ満点。

 

潮目が変わるのは、警察の手に渡った彼の作品を奪還するくだりから。突然の粗雑で荒唐無稽な展開のオンパレードは、前半と後半とで脚本担当が違っているのではないかと思えるくらい(ちなみに本作の脚本は監督とレナード・シュレイダー(原案も)が担当)。この終盤の展開に呆れガッカリしたのは、当時も今も変わらなかった。

 

また本作を振り返る中で、幾つか驚かされる事実が判明した。

先ずは、長谷川和彦監督作品が本作含め2作しかない事。これと「青春の殺人者」だけだったんだ。

そして彼が広島出身で、被爆2世であった事。本作のラストは、後半の雑な展開と共に個人的にこの作品を絶対に肯定出来ない要因の一つでもあるのだが、これについてはもはや何も言えなくなってしまった。作中にマツダの車やCMが登場したり、広島カープの試合が放映されたりしていたのにも納得。

 

エンドロールを眺めていて出演していたのに気付いたのは風間杜夫さんに戸川京子さんに北村和夫さん。相米慎二さんが助監督を務めていた。

 

ちなみに本作は当時のキネマ旬報ベスト・テン2位、同誌読者投票1位なのだそうです。おまけに2018年に発売された1785号では1970年代日本映画ベスト・テンにおいて1位に選出されたそうで。

個人的には邦画不作の時代だったと認識していますが、それにしたって全く賛同出来ず、です。

 

 

 

監督と主演2人のスリー・ショット

 

パンフレット

チラシ

試写状表裏

会場の正式名称は日立ファミリーホールではなくて、日立ホールだった。

2003年の頃の建物のお写真が載った記事を発見(→こちら)。