№33
日付:2022/10/2
タイトル:ヘルドッグス
監督・脚本:原田眞人
劇場名:シネプレックス平塚 screen1
パンフレット:あり(\1,200) ←高い!
評価:6.5点

 

原田眞人監督は、映画監督よりも昔から映画関連のライターとしての認知が先で、1980年前後に雑誌「ポパイ」で「原田真人のロサンジェルス超特急」という連載をしていたのだけれど、米国在住ならではのコネクションと情報に支えられた独自の映画評は他の評論家にはないもので、当時の「地獄の黙示録」に関する記事などを興味深く読んだ覚えがある。

映画監督と評論家。造る側と批評する側はある意味相容れない立ち位置であり、この点において優れた批評家だからこそ、原田監督作品を観たいという動機が生じなかった。今回初鑑賞(ではなかった)。

 

韓国や台湾のフィルム・ルノワール作品のようなノリで、全編異国の無法地帯を舞台にしたかのようにドンパチが繰り広げられる。音と映像がワンカット毎に計算づくで、スクリーンに観客の注意を引くテクニックの存在を如実に感じる。導入部からその世界に引き摺り込まれた。

何事も展開がスピーディで、こちらがヤクザ組織内の勢力図を整理する暇もないままにテンポよく畳み掛けてくる。組織の内と外でのしのぎ合い、色と欲(男と女)、ヤクザ社会の契りとけじめ、警察組織との駆け引き、、、信頼と裏切りとが交錯するこれらの要素をオーソドックスにちりばめながら、その全てに緊張感と猜疑心とが同居し続ける。

岡田准一君のアクションは実に日本人好みというか、派手さの欠片もない実践的な動きがちゃんとアクション映画の凄みに結実していて素晴らしい。俳優としての七難を隠して余りある圧倒的な彼の武器が本作において最大限に発揮されている。

 

世にアンダーカバー物の佳作は色々とありますが、本作も相当いい線いってるんじゃないかと思いました。

 

 

 

松岡茉優ちゃんが本領を発揮

 

 

1,200円もするパンレット(お願いだからもっと簡素に!)

チラシ①

チラシ②