№29
日付:2022/9/10
タイトル:さかなのこ
監督・共同脚本:沖田修一
劇場名:シネプレックス平塚 screen1
パンフレット:あり(\1,000)
評価:5点


さかなクンらしき人物をのんが演じる本作(予告編で「ギョギョ!」と言っていたので)、評判の良さもあり観に行ってみました。
ただただお魚が好きで、魚にしか興味のないミー坊(のん)が、その生き方を肯定してくれる母親や周囲の大人達、友人に支えられて夢を叶えていくお話。最初から最後まで良い意味でユル~く、ミー坊の成長を時にコミカルに、時にハートウォーミングに描いた139分。

全編を通じて、登場人物の8割がミー坊の肯定者であり応援団。たまに現れる常識人からミー坊を守ってくれる。その一方で、魚と音楽と美術以外は落第点のミー坊に対し、両親の教育方針の対立が招いた結果にもさりげなく触れながら、最後の最後で明かされる家族の苦悩が、善人ばかりのこのお伽噺が稀有な成功例である事も知らしめてくれる。私じゃミー坊を育てられない。

 

ミー坊が周りの人から愛されるその魅力を映画として十分表現できているかというと正直疑問。むしろミー坊を取り巻く人達、不良を演じる磯村勇斗や幼馴染の柳楽優弥、母親役の井川遥さんに相当助けられてもいる。「南極料理人」「子供はわかってあげない」を観た時同様、私にとって沖田修一監督作品はどうにも心に刺さらない。そしてこの2作品もまたYAHOO!映画上で4点超えの高評価なのでした。

 

原作者はさかなクンだった。中学生の頃にはカブトガニの人工孵化に成功していたりと、やはり只者でない事を知りました。さかなクンがTVチャンピオンの魚通選手権に出場していた頃の映像をネットで観て、そこに映っている彼が普通のシャイボーイで何故か安心してしまった。
さかなクン本人のキャラに引っ張られてしまう点は仕方ないところか。難しい役どころですが、映画でのんちゃんが頑張っている姿を見られるのは嬉しいです。

毎週土曜日にテレ朝系列で放映している「博士ちゃん」という番組。この日も信号機好きの兄弟が珍品を巡って旅をしていた。ビックリするくらいニッチな趣味に没頭している子供たちを陰で支える大人はきっと大勢いるんだろうなぁ。

 

 

 

磯村君はヤンキー姿が本当に良く似合う(笑)

 

 

 

パンフレットは凝った作りに写真や紙質が上質な分高い・・・

チラシ①

チラシ②