№21
日付:2020/11/24
タイトル:劇場版「鬼滅の刃」無限列車編
監督:外崎春雄
劇場名:シネプレックス平塚 screen7
パンフレット:あり(\1,000)
評価:6点

 

70年代の永井豪(「マジンガーZ」)、80年代の鳥山明(「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」)、90年代の尾田栄一郎(「ONE PIECE」)と、定期的に国民的人気漫画を輩出している少年ジャンプですが、本作がワンピースに続くそれに該当するかというと、何か違うような気がする。

 

最近の少年漫画は女子含めた愛読者の裾野の広がりと人気の細分化が著しい。その結果2.5次元というオジサンにはよく判らない、アニメや実写映画化以外の分野での作品化も進んでいる。先日も「ハイキュー‼」ファンになった娘の友人が、最終話が掲載されたジャンプを探していると聞いて、我が家の読み古したジャンプをバイト先に届けに行っていた。「鬼滅の刃」もそんなコアなファンがいる作品の一つくらいにしか思っていなかったのですが・・・・

映画公開前日に放映していたTVアニメの特番を観て、原作の世界観とその質感を見事に再現したクオリティの高さに驚いた。今のブームがアニメ主導なのに納得すると共に、かつてのスポコンアニメ「巨人の星」や「アタック№1」が人気を博した状況と似通っている気がします。

 

平日の午後、平塚の映画館の観客の入りは4組程度。ガラガラの館内で号泣する父娘。連載開始以来、柱と上弦が初めて激突する本エピソード、炎柱煉獄杏寿郎の壮絶なる闘いぶりとその最期に涙が止まらず。満席だったら其処此処で啜り泣きがこだましていた事でしょう。

 

苦闘の果てにラスボスを倒しても、さらに強大な敵が現れ、再び修行して打ち倒す・・・という展開を延々と繰り返す。この無間地獄を終わらせるには、人気が下がるか作者が再起不能になるかの選択肢しかなかったのがかつての少年ジャンプでしたが、「鬼滅」といい「約束のネバーランド」といい、最近は読者が呆気にとられるくらい潔く終わりを迎える。これも時代の流れ、働き易さ改革の成果だったりするのでしょうか。

とはいえ「無限列車編」はシリーズの序盤、まだお話全体の3分の1を終えたところ。既に大団円を迎えた原作がこの後どういった形でアニメーションとして再び動き始めるのか、続きが楽しみです。


 

パンフレット