№17
日付:2020/10/11
タイトル:浅田家!
監督・共同脚本:中野量太
劇場名:TOHOシネマズ小田原 SCREEN2
パンフレット:あり(\1,100)
評価:6点

 

写真家浅田政志氏の半生と3.11の実体験の映画化を模索していた小川真司プロデューサーが、脚本家菅野友恵さんのシナリオと共に中野量太氏に監督をオファーして実現した本作。
 

琥珀色のキラキラ」以降、家族をモチーフに作品を撮り続けている中野監督。メジャーになった事で作品に携わる関係者の数も増え、脚本含め他者の干渉を抑制できない部分も増えている事でしょうが、観客が期待するこの監督さんらしさは基本的には失われていない。所謂「職業監督」には成り得ないし、今後もずっと自分が撮りたい作品にこだわり続けるであろう、「映画の事は自分に従う」系の監督さんかと。

 

中野作品の特徴は、アットホームな日常の中の、非日常性。そこには大抵“死”という誰もが避けて通れないのに極めて非日常的な出来事が横たわっている。死が訪れる本人よりも、身近な者の施し方に作品の主題が置かれていて、「湯を沸かすほどの熱い愛」のアッと驚くクライマックスなんてまさにその真骨頂だった。実在の写真家と、かの大災害を題材にした本作において、フィクションが事実を上回るのは容易ではなかった筈ですが、被災地で父親が見つからない家族の写真を撮る創作エピソードには、中野監督の“らしさ”が詰まっていた。

 

 

菅田君はどんな役でもこなしちゃうなぁ

 

 

実際のパンフは真四角(入りきれず)。随分値段が高いと思ったら、映画版浅田家の写真集仕立てだった

チラシ