イルカ漁の残虐さを訴える「ザ・コーヴ 」では、太地町に集まる反対派の外人を恫喝する地元民の姿が映し出される。
同じ太地町のクジラ漁(≒イルカ漁)を取り上げたNHKの番組では地元の漁師に罵声を浴びせる外国人たちの姿がカメラに収められていた。
撮る側が、眼前の事実を都合よく取り上げる。
「ガレキとラジオ」の監督が言い訳がましく述べている「ドキュメンタリーとして許される範囲の『演出』」とは本来こういう事を指すのである。
被写体に介入する、何かを強いるという行為は、それ自体を映像の中で説明しない限りは極めて不誠実なだけでなく、タチの悪い情報(この場合は映像)と化す。
ドキュメンタリー映画を作っておきながら、こんな事も判っていない監督と、企画制作した上で自社の社員を監督に任命した博報堂という会社のいずれのコメントにも、呆れるばかりです。