№15

日付:2011/6/26

タイトル:SUPER 8 | SUPER 8

監督・脚本:J.J. Abrams

劇場名:小田原コロナシネマワールド シネマ5

パンフレット:あり(\600)

評価:★★★


J.J.エイブラムスって、「M:I:Ⅲ 」の監督ですか。それに気付いていたら観に行かなかったかも。TVシリーズで随分評価されているようですが、あんな作品を脚本・監督しているようじゃなぁ・・・と思ったに違いない。


観終わって、これは完全にスピルバーグの支配下に置かれた作品だと思ってしまいました。

影のある家族愛、異形の異星人との交流、見えない脅威、国家の一大事を解決に導く子供達の活躍・・・・過去の引き出しを総ざらいしたかのような、どこか懐かしいシーン満載のこの作品。

かつてインタビュー記事 で、プロデューサーの役割について語ってくれていたスピルバーグ氏ですが、これもその公式に当てはまるのだろうと。


ただ作品を作るにあたって、監督が参考にした資料や作品は全てスピルバーグ作品との事。また彼自身映画小僧時代にスピルバーグ作品に多大なる影響を受けていると認めている。


そしてなによりスピルバーグに声を掛けたのがエイブラムスの方であり、脚本も彼の手による物だという事は、これはスピルバーグ・チルドレンによる憧れの巨匠との合作であると考えて良さそうです。



で、この作品。まぁ面白かったね的及第点しか与えたくないのは何故なんだろうと考えました。

映画を撮る子供達の話と、エリア51から運搬中の"物体"が逃げ出す話。エイブラムスが抱いていた二つのプロットを組み合わせた本作品。


子供達がとても魅力的。ちゃんとキャラも立ってるし、淡い恋心も素敵に描けているし、お父さん二人が頼もしくなっていく姿も悪くないし(特にカイル・チャンドラーが素敵)、少年冒険団的活躍も微笑ましい。この演出がエイブラムス監督の手腕だとしたら、彼を見直します。


一方でSF的お話の方は、謎の物体の正体が徐々に明らかになるにつれて、どこかで見た事あるような展開と光景ばかりを目にする事になる。


前者においてはその普遍性を表現する事が成功要因であるのに対し、後者は常に新たなアイディアを導入しないと陳腐化してしまうという事でしょうか。

アリス役のエル・ファニングはダコタ・ファニングの妹ですか。ジョー・ラム役のジョエル・コートニーは映画初出演。二人ともとても魅力的で、作品を盛り上げてくれています。

そんな子供達の頑張りに比べて、大人達の企みやクリーチャーの正体があまりに旧態依然だったのが敗因のような気がします。


映画の記憶・・・と記録-SUPER 8


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