№2
日付:2007/1/6
タイトル:硫黄島からの手紙 | LETTERS FROM IWO JIMA
監督:Clint Eastwood
劇場名:シネプレックス平塚 シネマ8
パンフレット:あり(\700)
評価:★★★★
この映画が「父親たちの星条旗」の何倍も胸に迫るのは、こちら(日本)側の映画だからなのか、攻める側でなく殲滅される側の映画だからなのか、・・・
おそらくどちらも該当するのだろうけれど、違和感のない時代考証に人物描写。日本人兵士は日本人が描く以上にリアルで、ウエットな感情移入のない距離感が、逆に観る側を惹き付ける。
それにしても改めていろんな事を考えさせられる映画です。
アメリカ人がこんな映画を撮れるのか・・・という驚きの中に共存する情けない偏見を反省し、アメリカ映画人の・・・いや、そういう言い方は正しくない、クリント・イーストウッドという素晴らしい映画監督の、懐の深さに感服すると共に、こういう映画を撮れない日本映画界に寂しさを感じます。
国と国との思惑の中で発生する戦争という愚かな行為の中での、人と人とが織り成す普遍的な思いや感情が、見事な距離感で描けている。
クリント・イーストウッドという監督の、戦争自体に対する考え、戦争という"題材"に対するスタンス、誠実な取組み姿勢、色んな意味で脱帽です。
素晴らしい監督が日本の戦争を舞台にせっかく作ってくれた素晴らしい作品、観に行かない手はありません。