2本目は、作り事とドキュメンタリーが混ざった独特な雰囲気の作品。
フェリーニ本人が登場してインタビューや取材をする場面までも、まるで全部がフィクションのようにも感じました。
しかし、観ていて全く笑えなかった・・・。
決してつまらないからではなく、簡単に笑ってはいけないような気がしたから。
正直それは、道化師たちの姿や、昔の「サーカス」のイメージの影響。
フェリーニの少年期の体験を描いたような場面に、初めて道化師を見て、怖がっていた少年がいました。
確かに目は笑っているように見えないし、顔の白塗りやペイントには、哀愁や不気味さも感じます。
ラスト、なぜか葬送コント(?)から延々と続く、ニーノ・ロータの陽気な音楽にノッて繰り広げられる「道化師たちの宴」。
その後、空っぽのサーカス・テント内に響き渡る、寂しげなトランペットの音。
その間もずっーと、真顔でスクリーンを見つめ続けていたワタシ。
~ いよいよ来週末から始まる「午前十時の映画祭」新シリーズ。
そのラインナップに、見世物の曲芸師と貧しい家の少女を描いた、フェリーニの『道』も。 これこそ泣いてしまうョ・・!