脳内麻薬の続きを書きます。

 

前回の記事はこちらです。

 

 

シャルルは、アンヌの跛行の他に身体に奇形があるかを知りたかったため、姉に身体検査を依頼した。フランスでは結婚の際に身体検査というものが行われるのが習わしだった。1491年11月12日、摂政は、夫ピエールとオルレアン公ルイを連れてきた。ルイを連れてきたのは摂政が精神的に屈辱を与えるためである。

 

「ドレスを脱いで、そこを少し歩きなさい。」

「えっ?全裸になれというのですか?」

「そうよ。フランスの慣習だから、それに従うこと。いいわね?真顔

「…はい…ショボーン

 

そうして、アンヌ・ド・ブルターニュはボージュ―夫妻とオルレアン公の目の前で裸になり、歩かされたのだ。

 

『……アンヌ… (´;ω;`)……』

 

あせる『…屈辱だわ…。私は品評会の馬ではないのよ…この偉そうな姉ホント邪魔。さっさと引退してもらいたい』

 

 

 

少々つま先立ちになり、わずかに足を引きずる程度だった。

 

 

出産には支障はないだろうという判断だった。


『うちのジャンヌの奇形と比べれば…出産は余裕ね。子供が生まれればルイもこの娘を諦めざるを得ないわ。味方はもう誰もいなくなる…それがわかれば彼女もブルターニュ独立のことを諦めるでしょう。』

 

とにかくこの女性は容赦がありません。あらゆるフラグを全てへし折っているのです。何故ここまでするか。アンヌの有能さに警戒しているからこそなのです。

 

そしてまず式の前に婚約。3日後の11月15日に、シャルルは摂政夫妻とオルレアン公ルイに付き添われ、レンヌの城壁の外にある小さな礼拝堂を訪れた。婚約のミサは極秘裏に行われた。

 

オルレアン公ルイにはまだまた過酷な試練が続く…。

 

マクシミリアンの大使だったプールヘムは、この事態に急いでブルターニュを去り、主人に知らせに戻った。

 

「弟よ、マクシミリアンが私たちの計画を知る前にこの計画を成し遂げなければならないわ。ランジェ城で式の準備をしましょう。」

 

摂政は、父ルイ11世が遺贈したその城を指して言った。

ルイ11世がその城に滞在することは滅多になかったが、その立地はこれから起こる重大な出来事にはうってつけだった。アンボワーズ城やプレシ・レ・トゥール城よりもブルターニュとの国境に近くレンヌから一昼夜で行けてしまうからだ。

シャルルは姉に厳しい視線を送った。

 

「姉上、この結婚はアンヌに承諾してもらったので、アンヌの方からブルターニュの臣下を連れて自発的にフランスに来てもらわないといけませんよ。」

「面倒くさいわね…何故?パパッと済ませればいいでしょ

「ローマ教皇庁からも神聖ローマ帝国からも彼女が強要されて私の元に来たとは言わせたくありません。マクシミリアンの怒りが直々に私に降り注ぐことになります奴の帝国はビンボーですが、それでも次期神聖ローマ皇帝ですから侮ってはいけませんよ。」

 

シャルルはアンヌ・ド・ブルターニュと確実に結婚するためならばブルターニュを独立させる以外のことであれば何でもするつもりだった。アンヌがレンヌを発つ前に、結婚パーティー用の上質な布で作られたガウンを手配させ喜ばせることで、彼女が考え直す隙を与えない。シャルルの部下をアンヌ一行から同行させ、安全にランジェに行けるように警備する。それから、豪華な毛皮のマント(毛皮はブルターニュの象徴オコジョの毛で作らせる)を贈り、道中からランジェに着いてからも温かく過ごせるようにととにかく気を配り、特別待遇で丁重にもてなした。

結婚式までの間、彼はとにかく豪華な贈り物を贈り続けて彼女を口説き、結婚初夜に警戒した表情を浮かべないようにすることを願っていた。

 

アンヌ一行がランジェに到着した。

数週間後、アンヌとシャルルは仲良しになった。

 

シャルルは、学がなく家庭教師がつけられ読み書きができるようになったのは12歳からである。そこから一生懸命読み始めたのがアーサー王物語やローランの歌といった騎士道物語であり、それに没頭した。もう一つある。

The Romance of the Rose (Le Roman de la Rose)「薔薇物語」と呼ばれる13世紀に発刊された宮廷愛物語である。今でいう恋愛指南本=悪魔術本である。

シャルル8世は容姿に自信がないことがネックで薔薇物語を愛読しており丸暗記しているくらいだった。

 

「薔薇物語」は現代でいう「ぼくは愛を証明しようと思う」(超クソ本)みたいな物じゃないかなと思います。こうすると女性は喜びますよ的な女性を落とし体の関係にもちこむための本です。

 

容姿で勝負できない分、承認欲求を満たす手段を連発することで好意を持たせることが狙いですね。あと、国王という地位が切り札となり難易度を下げていますね。

王じゃなかったら全く相手にされないし、貢いで借金地獄になって破滅でしょう。

恋愛指南本、現代の世に出回っているものの宣伝文句を簡潔に説明すればこういうものです。

 

男性版「女性に気を配りなさい、そうすれば勝手にパンツを脱いでくれます」

女性版「男性に媚びて追いかけさせなさい、そうすれば勝手にATMになってくれます」

 

買う人はそういう邪な目的があって買いますよね。婚活の目的も本音はこうですよね。建前では「将来を共に支え合えるパートナーを~」とかお決まりのように言って腐臭を隠してますけど…本音はセックスや経済的依存…

この手の本は互いを不幸にするものであり、存在してはいけないものです。恋愛を上手くいかせたい…上手くいくわけがありません。恋愛は二元論であり、男尊女卑でもある。支配か服従でしかないのです。

 

薔薇物語はYoutubeで篠田勝英さんが解説されています。14分ほどの動画です。

 

 

重要な箇所があります。

「バラの茂みを見出してその中の一つのつぼみに心を奪われます。その瞬間は愛の神の生いかけた矢がその主人公の心に目から入って心に命中するという形で表現されます」

 

これ、現代でいうとキューピットが矢を射るにあたるわけなのです。

 

 

キュンキュンする、ビビッとくるといった表現をキューピットが矢を射抜くという比喩になるのです。漫画、アニメではおなじみですよね。

絵文字でもありますよね。これです。

恋の矢

これこそが執着のシグナルです。

 

騎士道精神というのはいろんなジャンルがあり、礼儀とか道徳とかもあるんですけど騎士道精神の宮廷愛というのは元ネタが不倫だったりもするのでヤバいです。

 

アンヌが婚約者の容姿の醜さを完全に忘れ、打ち解けた後のシャルルは自分でも驚くほどの欲望が際限なく湧いてくるのを感じていた。女性の胸を愛撫したいという欲望を感じたのは初めてだった。やがて彼は手の平が疼くのを感じ、心配になって姉に苦悩を打ち明けた。

 

 

そして、姉がその場を立ち去るとシャルル8世は、自分の手についてじっくりと考えた。

 

 

ここでツッコみますけど、シャルル8世が愛だと思ったものは愛ではありません。

性欲です。シャルル8世、性欲が湧くことが愛だと認識してしまったようですね。

結婚する前の日付で見ますが…

 

1491年12月1日

 

シャルル8世

 

性欲  ← 邪気

 

シャルル8世はアンヌ・ド・ブルターニュの胸で欲情もしたってことですね…。

 

『ん?…シャルルの視線がドレスの胸元に集中している気がするのだけど…気のせいかしら

 

『ヤバい…アンヌのおっぱいめっちゃ揉みたいんだけど…』

 

アンヌに対しての執着は一目惚れ+性欲ですね。

 

そして、アンヌがますます彼を喜ばせ続けるにつれて、彼女に対して更に惹かれた理由が明らかになったため、手のひらの疼くような感覚を忘れてしまった。

シャルルは結婚式がとても待ち遠しかった。早く結婚初夜を迎えたくてそれまでの日数をずっと数えていた…。

 

続きます。

 

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