自己受容していく中で、私たちがうっかり見落としがちなのは、ポジティブな感情が出た時です。私たちは、今までインチキ自己肯定するのが当たり前だったので、どうしても悪いものだけを排除して良いものだけを取り入れるという、バランスが崩れた思考をしてきました。
ポジティブは良いネガティブは悪いと考えすぎてしまうと二元論の罠にハマります。それを緩めるくらいがちょうどいいのです。悪いものと良いものは結局表裏一体なので、どちらか一方だけをなくすということがそもそもできないのです。一方がある限りもう一方は必ず復活します。
だからどちらも受け入れましょうねと私は言っています。
先日書いた記事の「達成感」なんですけど、これも嬉しい感情なので嬉しい感情ならいいだろうということでそのままほったらかしにしてしまいがちなんですね。
でも、ほったらかしにするとインチキ自己肯定になってしまいます。
ここにも罠があるのです。達成感を感じた。嬉しい!でもこの感情は続きません。しかし、達成感を感じるなと抑えつけることは抑圧になりますし、そんなことをしてしまえば、モチベーションも無くなり、何から何まで無気力になってしまいます。
どのような感情も例外なく感じ受け入れるのです。
一つ動画を紹介しますね。
私のブログでよく登場する漫画、「うらみちお兄さん」。この作品に出てくるキャラクターが基本的に自己受容できていない病んだキャラばかりなのでとても参考になります。
こちらの歌ですが、以前に検証用でどこから邪気に変わるか見ていただきました。
それをより掘り下げて解説します。
答えを言ってしまいますが、この歌の中で、邪気に変わってしまうのは「思わず買った塩パンをふたつ」からです。虚勢を張った=インチキ自己肯定です。その後曲の雰囲気がガラッと変わっていますね。「あの時と違うのはパンじゃなくて自分の心」といけてるお兄さんも歌っていますが、心が変わってしまった原因はあります。
それは、うたのお姉さんが歌っている「この世で一番美味しい食べ物だと思ったんだ ほんとだよ」です。
この時の感情を自己受容せずほったらかしにしてしまったので、インチキ自己肯定になってしまったのです。このタイミングを誤るだけでインチキ自己肯定になってしまいます。
「どこへ行ったの 輝いたはずの世界 あの胸の高鳴り」から塩パンを食べて美味しい、幸せだという感情は長続きせず儚く消えてしまうものだということを語っていますね。インチキ自己肯定ならではの視点です。
この世で一番美味しかったはずのパンが普通になってしまったのは、そのパンの味が当たり前になってしまいありがたいとも思えなくなってしまったのです。
インチキ自己肯定する人の感謝の波動が邪気になってしまうのはここにあります。良い感情が出てきたときも自己受容しないと、再び一喜一憂して苦しむことになります。自己受容できている人は、そもそも感情のアップダウンがほとんどなく穏やかなのです。
自己受容できていれば、塩パンを食べて味が普通とはならず、塩パンが食べられてありがたいな、職人さん美味しいパンを作ってくれてありがとうと感謝の気持ちが自然に湧き起こってくるものなのです。
そもそも感情のアップダウンが激しい時点で気づく必要があります。感情のアップダウンが激しい=インチキ自己肯定なのです。ポジティブな感情が出るのがダメというのではなく、ポジティブになった時も自己受容しましょう。
自己受容が進んでくると、喜怒哀楽が激しくなくなりますので、冷静沈着、温厚、細かいことを気にしない、マイペースな性格になってきます。そうなることに抵抗がある人は、感情そのものや性格に対する固定観念があるのでそこも見直していく必要があると思います。
インチキ自己肯定の罠にハマらないように注意していきましょう。