気管切開 | 夫が借金残して倒れた日から

夫が借金残して倒れた日から

2021年2月、夫は借金を残したまま倒れ、寝たきりとなってしまいました。その後高度障害認定により借金完済。そして2022年6月永眠。いろいろな思いや、生活のこと、お金のこと。忘備録を綴ります



2021年3月31日

主治医に呼ばれる
この日は新しい主治医だった

気管切開の話がでた

夫は痰の量が多く
一度、誤嚥性肺炎になりかけた


夫がやりたくないと言っていた
気管切開

そのことを話してみた
管に繋がれていないと生きられない、というのはイヤだと言っていた


先生はうーんと唸った


気管切開をして人工呼吸器をつければ
話は別だけれど

気管切開をするだけなら
ご主人が嫌がっている延命とは少し違います

そうなのか…


気管切開はまた閉じることもできる

え?そうなの?

そうです
それに、今の状態はご主人もつらい
管が通っている状態ですから

気管切開をしたほうが
夫は楽になる…

それで決心した

夫が苦しくないなら
その方がいい


帰りに病室へ行ってみた

声をかけると薄らと目を開ける

この間より様子がはっきりしている?


「今、つらいの?」

そう聞くと、わずかに首を振った

意思疎通ができている??


「今、つらくないの?」

今度は逆の事を言ってみた
夫はそれでもわずかに首を振る


どっち?

というか、反射的に首を振ったのか…


でも、眠ったままの状態ではなかった


そういう姿を見ると
私の中の悪魔が顔をだす

ほんとうにイヤになる

夫に回復の兆しが見えると
心臓がドキドキして汗が出てくる

悪魔な私の身体はなんと正直なのだろう

一気に不安が押し寄せる


ほんとに…ごめん

わたしは、いつもいつも
夫に謝っている

心から回復することだけを祈る
そんな妻でいたかった

さぞかし、あなたはがっかりしているだろうね…



帰りに、弁護士のところへ寄った


ポロポロと細かく借金をしていた分の
何十万から何万という単位の借金を
かき集めたお金の中から、ひとつずつ支払う

弁護士がひとつずつ交渉してくれているのだ

こういうことを
もっと早くにしていれば

借金はここまで膨らまなかったんだろうなぁ


けれど

理由はなんであれ
自分の考えの甘さからの夫の借金

私が代わりに動いていたら
そのまま私に依存してきただろう

だからあえて
借金については、すべてあなたがやってね

と印籠を渡していた

よく友人にも言われていた

「mokoがやっちゃうのがいけない
だから、旦那さん自分でやらなくなっちゃうんだよ」

ほんとそう

私は悪魔が顔をだしたり
夫が恋しくなったり
かと思えば、こうやって夫を恨んだり

プリズムみたいに色々な面を見せる思いと
闘っていた