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氣風天のブログ

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白い月氣影…夜半に「来よ!!」

喚(よ)ばれた氣がした時には、目が覚めていた。

 

ベッド脇の小窓の、

緑のヴェルベットのカーテンを横に引いた。

まるで、雪が降り積もったような

白い景色が幻想的に広がっていた。

南洋の海の底の白砂のような景色だ。

 

地面といわず樹といわず枝葉といわず、

目にはいる限りの全てが、

十三夜待ちの遅い月氣(つき)の光に

濡(ぬ)れ濡れと曝(さら)されていたのだ。

 

目を凝(こ)らせばそこに、

白いシルエットの男性がモノトーンに立っていた。

ゆらゆらと揺蕩(たゆた)っていた。

何かの舞いでも舞っているのか?

見詰めれば霞(かす)み、

視線を外せば象(かたち)が濃くなるようなのだ。

静謐(せいひつ)狂氣が共存しているようで、

視(み)ているだけで鳥肌がぞわぞわとたってくる。

幽玄の異次元と、

此処だけ座標軸が重なっているようなのだ。

 

 

唐突に脳髄に、直接それが話しかけて来た。

Lunaring(scan)したつもりはなく、

強引にそれが周波数を合わせ発信してきたのだ。

つまりは、主導権の問題だ。

 

「そ(お前)はたれぞ?」

…間を置いて応えた。

用心しないといきなり狂暴な獣に変貌(へんぼう)して、
2階のこの窓まで飛び付いてきそうなのだ。

螺黒(らこく)の法〜螺旋律(らせんりつ)〜に

仕える者だ。」と、

「月氣神(つきがみ)の物(もの)だ。」と応えた。

「…なら、それを示せ!顕(あらわ)せ!」

「成すべき事を成せ!」

「全てがほどけるだろう」

 

…答えの無い問いはある。

大切な存在を亡くし…身を揉(も)むように、

戻って来て欲しい!と涙する。

過去のあの時を、ああすれば良かった!

ああしなければ…と激しく後悔し、

眠れぬ夜を過ごす。

いつか訪れるだろう死の足音に怯える。

どれも今、答えの無い問いなのだ。

俺自身も…。

 

それらの 全てが、ほどけると言うのか!?

ゴルディアスの結び目を

断ち切る剣があると言うのか!?

 

裡なる思考にいつの間にか沈澱(ちんでん)していた。

目では見ていても、刹那!脳は観ていなかった。

白々とした景色はそのままに、

それは姿を消していた。

幻視したそれは、俺の内面を映した鏡像だったのか!?

それとも月氣の光の粒子が依り凝(こご)って

象を成したモノだったのか?

 

この現象をどう解けというのか!?

どこまでも途上に在るとはいえ…。

つまりは、ぼうっとして生きていずに

「備えていろ!」と、

彼(裡なる可能性)に活を入れられたのか!?

 

確かに、このところ…

身も心も萎(な)え果てている感がある。

何をするにも「よっこらしょっ!」の

枕詞(まくらことば)が要るのだ。

小雪を亡くした喪失感故なのか!?

 

 

皮肉なことに、

だけはかつてないほどに強くなっている!!

しかし、心は…本音を言えば

「水底(みなそこ)を蹴った感は、確かにある。」

レヴェルなのだ。

佇(たたず)んでばかりなんて居られない!

なにがなんでも前へ進まなきゃだな。