夜を徹(てっ)して…風を巻き、
厚い闇を切り裂いて
愛車を疾駆(しっく)する!!
高速道を降り、深い山間(やまあい)の
ワインディング・ロードに入って…
かなりになる。
街から街を最短で結線する山岳道路だ…。
そういえば…
爆走する大型トラックをまとめて追い抜き、
土地土地の走り屋の張り合いを
受けて立ったりしたのは
いつの頃の事だったろうか…!?
歳を重ねた今となっては、
ノスタルジックな紗幕(しゃまく)越しの…
バックミラーに消え映る遠い記憶の断片だ…。
更に深い闇のトンネルを急ぐ。
やがて、夜氣(やき)の撤退(てったい)と共に
夜走族(やそうぞく)の数が減って来る。
羽根を広げた睡魔に襲われる時刻帯の訪れだ。
大きく地鳴(じな)りのように唸(うな)る
エンジン音と、野太(のぶと)く響(ひび)く
エグゾースト・ノートだけをBGMに…
単独走になってきた今を!
ただ、ひた疾(はし)る。
もうじき次の街では、
朝早い出勤の車が増えて来る筈だ…。
その朝の混雑の前に、
目指す高速のインターへと飛び乗りたい!!
その夜と朝の界(さかい)に…
アンニュイな感覚と共に!
明けの金星[ルシフェル]が導く…
一瞬だけ開く異界の扉(とびら)がある!!
トランス(入神)への扉だ!!
外部構造である車に、
自分を操舵(ドライヴ)する
ヒトとしての意思だけを残し…
[私]という想意(おもい)の存在が宙空に浮かび、
今という三次元の先を駈(か)けてゆく!!
一日の産まれを告げると同時に…
多次元宇宙に在る
幾通りもの人生へと繋(つな)がる
ワーム・ホールなる扉の前に立つ…
黎明(れいめい)の、
特別なその刻(とき)が訪れるのだ!!
右を選ぶか、それとも左の道か!?
もっと外の生き方が、
他に出逢う縁(えにし)が、
そして今とは違う人生が…
外の選択肢(せんたくし)が有るやもしれぬ!!
その扉の前に存在出来る瞬間なのだ!!
刹那(せつな)観逃せば閉じていってしまう!!
いつも言うが…先行させる朧のポジションに
意識の焦点を当てることをしなければ、
異界には一指足りとも触れる事は出来ない…。
走行距離は1000キロに近い!
ガソリン補給で休んだきりだ。
体が妙に重く、物憂(ものう)げな
厭世観(えんせいかん)に捕われる…。
頭も心も褪(あ)せて感じられる。
正月の住宅街の朝の様な…
日常から人が消え失せたような、
特別な静やかな朝が…
その薄く白い顔を見せる。
このアンニュイな色褪せ感が好きだ!
この瞬間(せつな)を、
ただ味わう(活きる)為だけに
アクセルを踏み込んだこともあった…。
ジェット気流の中を…
そして夜間飛行の果てに、
ヴィーナス(金星)の導きによりたどり着く…
南洋に煌(きら)めく蒼空(そうくう)と
紺碧(こんぺき)の海!!
人生を漂流する(瞬間を活きる)者達の、
束の間の安息点…
機内アナウンスが現地の情報を告げる。
爽(さわ)やかなスコールで、
その身の内に水氣(すいき)を孕(はら)んだ
大気に迎えられる…
心騒(こころざわ)めく早朝のホノルル空港…。
胸トキメク模様に織り上げられた、
温(あたた)かい羽毛の中で…
気(け)だるさに脱色された
アンニュイな疲労感…。
自分は今日、どの道を選び、
どの扉を開けるのか…と、
閉じていた目を開ける…。
私にとっては、懐(なつ)かしい
馴染(なじ)みの感覚だ。
今となっては…此処(ここ)に居るだけで、
それだけで…感じとれる色褪せた心だるさだ…。
冬の窓ガラス越しに…
病んだように透(す)き通る寒空の腹の中に…
魔女の尖(とが)った指先のような
黒い枝を、突き刺すように伸ばした…
葉の落ち果てた大樹(たいじゅ)を
病床(びょうしょう)から
眺(なが)めているような…。
ウスバカゲロウの翅(はね)の如くに、
儚(はかな)くも幽(かす)かな透ける感覚…。
朝の夢から目を開け、地上(現実)に戻れば…
私は暗い闇が満ちる夜の底に居た…。
ホテルの部屋に寝ていた自分を思い出した…。
急に何もかもが厭(いや)になって、
億劫(おっくう)になって…
なんだか哀しくなってしまった…。
生きて往きたくもない!!…と、
いつもは深くに鎮(しず)めて
気付かない振りをしている感情が
吹き出て来かけた…。
ん!?
…この部屋の隅に、
黒い存在が居る気配を感じた!!
なるほど…それで、
室内の気配圧の変化を感じて、
目が覚めたのか…!?
それともまだ…夢と現(うつつ)の、
アンニュイな倦怠(けんたい)の
幽明(ゆうめい)の界にいるのか…!?
誰だ!?
…「おまえの影だ…」
…「おまえの本質(正体)だ…」
暗黒意圏の使者なのか!?
この心と身を痺(しび)れさすように包む
憔悴(しょうすい)は、
お前とリンクしたせいなのか!?
「おまえは、
やる手順を間違(まちご)おておる…」
どこを改めれば良いんだ!?それが分からない!!
身は留(とど)まったままに、
刻(とき)が私の中を通り過ぎてゆく…。
熱さの有った頃には、
私が時間の中を疾駈(しっく)していた…。
もっともらしい正気(しょうき)の…
好い人の[(堕)天使の輪]が、
私を生きたまま腐(くさ)らせてゆく…。
狂氣の[角(つの)]こそが
ミュート(静寂)な正気を、何等かの経路で
私にもたらしてくれる筈(はず)なのだ…。
獣(ケモノ)の面(つら)をした
物怪(もののけ)なヒトの本質(正体)を探るべく…
それがヒトの顔をしているのなら
幸いなのだが…
朧の海の深部へのダイヴを
繰返す日常に於いて…
気付けば、いつの間にか…
狩る者が狩られる者へと
立場が逆転していた…。
暗黒意圏は物怪の領域でもある。
其処(そこ)にアクセスしたことで…
観る側(がわ)から、観られる側の者ともなり…
背中越しに私の深海を、
物怪の奴らに覗(のぞ)き込まれていたのだ!!
防ぐ為には…強い[角]なる狂氣と、
思考ではない
静寂(せいじゃく)な[目線]なる正気が要る!!
パトスなる狂氣は必要だが、
自己を見失う狂いは駄目だ。
もっともらしい正気(思考)が、
その狂いを生み出して行く。
暗黒意圏にアクセスして往く事は、
私をも赤裸々(せきらら)にして
行く事になるのだから…!!
前回で書いたチカラの暴走の件も…
例えば一気に大容量の朧が…脳内と言わず、
辺り構わずにワープして来た為に…
撮影に立ち会った人達の
因縁ある者の顔や姿がクッキリと幾つも、
写真に映り混んでしまったのだ!!
だとすれば…今のこのアンニュイなミュートは
今後の私にとっての必然なのかもしれない!
…そうじゃないのか!?
…其処にこそ、
狂氣を制御コントロール出来る
正気(静寂)があるのだ!!
狂氣は…「暗黒意圏にアクセスしよう!」と
意志するだけで…もう既に、
そのニルヴァーナ(涅槃)の果実(狂氣)は
充分に収穫(しゅうかく)出来始めている!!
それなら今のこのボケボケも
意味有る事となり、どこか嬉しい…。
ひとつくらいは私にも良い事があっても、
許されて然るべきではないか…!
残されたピースはこの辺りに在りそうだ!!
ところでチープに…久々に写真を
間繋(まつな)ぎに載(の)せる事にしました。
フード・セラピストの
[まるもゆきこ]さんのイベントでの、
彼女とのツゥ・ショットです。
因みに背後の飾りのタピストリィは
私の愚作品です。
ハイアット・リージェンシー東京内の
[おんぼらあと]で…
招福猫(まねきねこ)をテーマにしたため、
かようなポーズを皆で決めました。
「え!一番
その気になってポージングしてるね!!」
と、いつもの如く!このハード・ボイルドを
剃(そ)り跡(あと)も青青しい
小坊主(こぼうず)扱いするスタッフあぁちゃん!
ベートーヴェン偽装(ぎそう)の
彼(か)の人と同じ臭いがするなどとも
…(ん!?)…ゆうておりました!
…ふん!
顔をヒト苦手に赤らめているのが、私。
友樫君の向かって左側には…
来日中のカンボジア娘のセレナちゃん。
日本語べらべら!!なのに、
私の早口が聞き取れないからと…
ハートが傷つき易い私の眼前に於いて、
堂々と
「ん!?速すぎてシンサン、何言ってるの!?
サッパリ、ワケワカリマセン!
誰かタスケテ!!」と…しかも
「ローラ(セレナ)もビックリィ!うふふ…」
モードで…更に傍(かたわ)らの人に、
「シンサンのハヤクチはもうタイヘン!」
みたいな目配せをする事「た(多)!」の
強者(つわもの)!
んなもん、顔を赤らめるしかないやん!!
なんか知らんけど…
あぁちゃんとどこか匂いが似ている!!
ま、自分の録音でも、
自ら理解不能なんだから仕方ないけど…。
その横が…海外等で、過度の偏食の私に
いつも心遣(づか)いしてくれる
ロコちゃんです…
はっきり言って、酒豪(しゅごう)です。
ゆきこさんも毎回…偏食五段の私と
四段の友樫君に気を使って下さって…
わざわざ別メニューにして頂き、
誠に感謝致しております!!
本当に皆さんにご迷惑をお掛けして…
かように生かされております。
この場をお借りして、
我儘(わがまま)な友樫君に成り代わり
お詫(わ)びを申し上げます…ハイ!
それにしても…悩めるきぃちゃんよ!
君って、益々(ますます)
小雪ちゃんに似て来てないかい!?
たまには、小雪ちゃんみたいに…
「ふんぎゃあ!!」って、
爪を研いだ方が良いぜ!!
愚兄(ぐけい)からの助言ね…。
だ、け、ど…
やっぱり写真を載せると、こんなに楽ぅう!!
うぅむ…今後も使わん手はないな…。
って、ボロクソに書いとるやん!
(これ、落ちじゃなくて本心なんだけど)…で、
写真は要らんかったかも…
えぇぇ、そんなぁ!!
早く言ってよぉ!!

