それは規律を守る動物だということでもある。
私たち人間は、
集団生活を営む動物である。
『イヌ』も、
集団生活を営む動物である。
ここで、
人間が思う規律と、
『イヌ』が思う規律が嚙み合っていないことにより、
様々な擦れ違いが起こる。
『イヌ』における群れ社会は、
日本社会における会社に最も近い。
序列があり、
縦社会であり、
素直に言うことを聞きたいと思える尊敬する上司と、
内心渋々言うことを聞いている残念な上司がいる。
私たちは残念な上司の言うことも聞くが、
『イヌ』は尊敬する上司の言うことしか聞かない。
狩りの効率を求めて集団生活を選んだように、
非効率なこと、
無駄なこと、
自分にメリットがないことはやらないのが『イヌ』だ。
素直に言うことを聞きたくない場合、
自分に何かしらのメリットがなければ聞いてもらえない。
愛犬にとってのメリットについては、
以前お伝えした所だ。
今回は、
尊敬できる上司について各々考えてみて欲しい。
自分だったら、
どんな上司の言うことなら素直に聞けるだろうか。
次に、
自分の愛犬に対する態度を思い返してみて欲しい。
尊敬できる上司像に、
どれだけ当てはまっただろうか。
『イヌ』にも心がある。
日頃の努力を評価してもらえなければ、
一方的に押し付けられてばかりでは、
危険から守ってもらえなければ、
尊敬に値する家族とは思えない。
自分の群れの中に尊敬できる家族はいない、
自分より強い者はいないと判断された時、
愛犬が群れの指揮を執り始め、
『イヌ』における群れ社会の規律を知らない人間が、
平社員が横暴に振舞うかの如く秩序を乱し、
愛犬も「飼い主が言うことを聞かない問題」に陥っていくのだ。
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