そら様の生きた証であり私の始まりの物語![]()
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そら様が納得できないことなんて、
数えるほどしかなかったけれど、
非常に厄介なことばかりだった![]()
まず、
彼の大大大好きな『靴下ボール』を洗濯されること。
私は高校生、
弟は中学生、
ボロのスクールソックスが山ほどあった。
おもちゃにはさほど拘りがなく、
一緒に遊んでくれることこそが重要だった彼が、
靴下に靴下を入れた『靴下ボール』だけは、
とても気に入っていた。
遊ぶだけではなく、
いつもカミカミしながら寝落ちしていた。
おかげで歯磨きしなくてもピカピカの歯だった。
私や弟が落ち込んでいると、
必ず持ってきて貸してくれた。
彼にとっては癒しグッズだったのだろう。
心優しい奴だった。
そんな彼が、
洗濯されると分かった時だけは、
母が持っていこうとする時だけは、
ぜぇっっっっったいに渡そうとしなかった。
そのしょっぱいのがイイのは分かるんだが、
ばっちいにもほどがあるのよ![]()
何がどうなって気付くんだか知らないが、
「そろそろ洗わなきゃ~」
と思っている時だけは持って逃げるし、
何ならクレートに逃げ込んで唸る。
私が近づくと、
私と洗面所を交互に見ながら唸る。
母が近づくと本気でキレる。
こんな時は冷静に交渉すれば良いのだということも、
犬相手に交渉する方法も、
今なら分かる。
けれど、
当時はまだスマホもなく、
『ググる』なんて言葉もなかった時代。
本屋のしつけ本しか情報源がなく、
こんな時の対処法が書いてあるわけもなく。
彼の顎力と根気に勝てるわけもなく![]()
結局、
彼が散歩に行った隙に、
こっそり洗濯機に突っ込んで、
「次こそはくれてやるものか
」
という彼の鋼の意志を強化し続けてたな……![]()
落ち込んでると貸してくれる靴下ボール
(気持ちは嬉しいけど絶対にカミカミしたくないしょっぱ色)
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