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「El Tren Fantasma」Chris Watson


よく“無人島に3枚だけCDを持っていけるとしたら、
何を持っていくか"という質問がありますが、
私の場合、結構長いこと
①「銀河鉄道の夜サウンドトラック」細野晴臣
②「コンピューター・ワールド」クラフトワーク
③「Let's Ondo Again」大滝詠一
(オリジナル・アルバムに限る)
の3枚だったのですが、この歳になって
この牙城が崩れる日が来るとは思いませんでした。

それくらいこのアルバムは衝撃的でした。


この作品の内容は
「メキシコのLos MochisからVeracruzに至るまで
一ヶ月以上に渡って鉄道生活を送った中で各地で録音した
音源(鉄道音源ばかりではないです)を収録。
様々な生物の鳴き声や街の喧騒等を捉えた
フィールド・レコーディング作品でありながら、
まるで音響作品のような聴こえ方がするのは
やはり長年の経験によるセンスの成せる業でしょうか。
なんとも不思議なサウンドスケープを楽しませてくれます。」


というもので、
そう、これはメキシコの鉄道とその周辺地域の音を録音したもので、
効果音のCDは大好きなので、買ってみたのですが、
こういう音楽を“フィールド・レコーディング"というらしいのですが、
こういう自然音・騒音を音楽として聴くという行為は
まさに目から鱗でした。これはもう“音楽"です。
すべての音色が素晴らしすぎる。どこをどう聴いても良い。
アンビエント・ミュージックの果てには
フィールド・レコーディングがあったのです。

音楽を聴き始めて30年経って、
こういう“音"を聴くようになったことは
自分が全く予想しなかったし、
たいへん納得のいく結論でした。



まったくもって素晴らしい。2011年にTouchからリリースされたChris Watsonの新作です。
昨年の作品なのですが、最近になってようやく盤(CD)を入手することができたので、良く聴いているのです。
昨年はデータでの入手でしたので、「聴いた」という感じが希薄だった…(というのも時代錯誤なのですが)。

本作は、BBCの録音技師でもあるChris Watsonが仕事で、
メキシコのLos MochisからVeracrまでの一ヶ月以上の鉄道の旅の中で録音された音が

マテリアルとなっているそうです。


ともかく圧倒的な録音=音響=体験。高感度のマイクにより捕獲された列車の音、
列車が発生する音、その周りになる音、つまり<世界>の音。<世界>が奏でる音。
硬質でありながらも、動的で、マニシックであっても柔らかく、時に鋭くはあっても耳に快楽的な音の群れ。


それらの音響は、(列車の音などの)サウンドのコンテクストから切り離され、
というより「拡張」され、圧倒的な音響体験として音を聴く快楽を耳に与えてくれるのです。
時折、電子音がうっすらとアンビンスにレイヤーされる瞬間もあり、
ナマの生け捕りのごときフィールド・レコーディング作品というよりは、
エディットが大胆に、かつ緻密に行われているようにも聴こえます。


さらにある時にダヴィな音響処理がされるのですが
(列車の出す車輪の低音部がまるでキックとスネアのように聴こえる!)、
その瞬間の音響の見事さといったら!
つまり、録られた/獲られた音を大胆にエディットすることにより、
さらに密度と快楽性をあげているように思えるのです。

ここにあるのは、聴くほどに効く音響体験。
つまりは、<聴く/効く>の境界線を超越するようなサウンドです。

それはある種のインダストリーなアンビエント、
ノイズを聴くかのような「音楽」体験でもあります。
ほぼ完全なフィールド・レコーディング作品であるにも関わらず、
それらが/も「音楽」であるという意味において、
本作の音響もまた「音楽的」な質感と感動をもたらしてくれる作品ともいえるでしょう。

そこには音を希求する個人の耳の存在があるからでしょうか。

それは多分、本作が列車で過ごした時間と、
その記憶が最大のマテリアルになっているから、ではないかと思います。
だから記録としてのフィールド・レコーディングでもなく、
単に心地良いだけのアンビエントの添え物としてのフィールド・レコーディングでもなく、
<記憶と物質>の両方から生まれた(昇華された)音響作品になっているのではないかと…。


Chris Watsonは、元キャバレー・ヴォルテール、
元ハフラー・トリオという、BBCの録音技師にして、
英国touchよりフィールド・レコーディングの傑作をリリースしてきたという、
ノイズ/インアストリアル、エクスペリメンタル・ミュージックの、
ある種の歴史を体現してきたような人物ですが、
そのような彼が2011年が、フィールド・レコーディング作品を「拡張」し、
そのままアンビエント・インダストリアル・ミュージックな音響へと
再接続可能性な「音響作品」を生み出したことは、
やはり途轍もなく重要で、感動的なことにすら思えます。


マシンの音がもたらす類稀な音響的快楽。
記憶としての時間によって熟成された音響の拡張。
そこから生まれる音楽的な感動。
そこには、押さえつけられるような重さは微塵もなく、
圧倒的な、天井が抜けたような開放感がある。
これはまさしく傑作です。全音響マニアが聴くべき盤だと思います。


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“Light In The Future”


1.P**K
from “Kasumi Experience" by Lotus (1996)
2.Awakening
from “Future In Light" by ケンイシイ (2002.10.30)
3.Soft Field
from “Round And Round" by Safari (1996)
4.GTR
from “DOVE LOVES DUB" by 石野卓球 (1995.9.1)
5.Coiled
from “Interpieces Organization" by 細野晴臣 & Bill Laswell (1996.2.21)
6.Silence of Time
from “Technodon" by Y.M.O. (1993.5.26)
7.Future
from “Transrapid" by Alva Noto (2005.10.25)
8.Mobile
from “Gravity" by Monolake (2001.1.23)
9.turquois
from “Net17" by 寺田康彦 (1996.11.1)
10.Maiden Voyage
from “Maiden Voyage" by Global Communication (1995)
11.Up The Drain
from “Kitchen" by Sun Electric (1993.11.11)


これは「Iced Music」で破棄されたコンピレーションの前半を使用したもの。
「Iced Music」で付けたブックレットで、曲にイメージ画像を選ぶ作業が、
殊のほか面白かったので、それを前提に画像がイメージできる曲を選んでいった。
「Iced Music」とはうって変わって、明るい展望が開けているイメージ。
画像よりも映像のような動きが感じられるような曲を選んだ。


これにも「Iced Music」のようなブックレットを付けたのだが、
今回は前回よりも、若干わかりやすくなっていると思う。
本当はもうちょっと機械的な感じになるかと思ったが、
意外に自然に近いような質感を持ったものになった。
初めは“近未来的"なものを目指したが、
元々、画像を付ける前提に曲を聴くと、イメージできるのは最新型のものより、
しっくりくるのは白黒でしか遺っていないような昔の画像ばかり・・・。
これは果たしてノスタルジーなのか・・・。
“近未来"が“ノスタルジック"になってしまったのは残念だが、
また別の機会に挑戦しようと思う。
(曲もほとんど10年以上前のものばかりだし当然か・・・)


◎ イメージ雑記
「P**K」 :ヘリによる空撮
「Awakening」:超新星爆発
「Soft Field」:雲海
「GTR」:SLによるグランツーリスモ
「Coiled」:うずの回転
「Silence of Time」:CTスキャンによる人間解体
「Future」:近未来的住居
「Mobile」:携帯端末
「turquois」:トルコ石色の薔薇
「Maiden Voyage」:処女航海
「Up The Drain」:排水溝
・・・そのままですね。




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“Tranquillity" ~ Ambient Collection


1.Derrida / jd018
from “Minha Vida Como Um Filme “my life as a film"" by 坂本龍一 (2002.3.27) 2'58"
2.Mold
from “Selected Ambient Works, Vol. 2" by Aphex Twin (1994.4.12) 4'38"
3.Tranquillity
from “Resonances of GADGET" by 上野耕路 (1995.5.10) 4'15"
4.The Ghost Hunting
from “「Avalon」サウンドトラック" by 川井憲次 (2001.1.19) 3'16"
5.Piercing Music
from “Piercing Music" by Robert Henke (1994) 54'02"
6.Atom Blaster
from “Invisible Connections" by Vangelis (1985.4.1) 7'41"
7.And I Placed My Fingers On Her Eyes As Though I Were Touching The Silent Controls Of A TV Set
from “Reduction" by Art of Noise (2000.4.25) 3'05"