シミズサイクル 最後の日 | CICLI LA BELLEZZAのブログ

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愛するヴィンテージ自転車たちとの生活

東京 芝大門にある老舗サイクルショップ シミズサイクルが、12月26日をもって閉店・廃業となり、72年の歴史に幕を下ろしました。私はその最後の日を見届けるために、休暇を取って、シミズに行って来ました。

 

シミズサイクルは、東京タワーにほど近い街角にある小さな自転車屋さんですが、ここにはかつて、チネリ、レニヤーノ、デローザ、コルナゴといった名車が飾られ、憧れの舶来パーツが所狭しと展示されていました。

自転車競技がまだ日本でほとんど知られていなかった1964年の東京オリンピックの頃から、チネリなどの外国製レーサーを扱っていたことでも知られる店です。

他の店には無いような細かいスペアパーツも取り揃えていて、東京中、いや日本中から自転車マニアが集まる店でした。

 

シミズに行くのもこれが最後です。この日は、20年前にこの店で出会ったラーレーに乗って行きました。

 

憧れのパーツが並んでいたショーウィンドウ。

シミズはウィンドウ内のパーツを自由に手に取って見ることができるので、お茶をいただきながら、パーツを手に取り、他のお客さんと自転車談義したり、ご主人の話を聞いたりするのが好きでした。昔は、そうやって自転車について学んでいったんですよね。

私は中学時代からこの店に通っていたので、母校が廃校になるような一抹の寂しさがあります。

 

最後にご主人と奥様のツーショット写真を撮らせてもらいました。

ご主人は二代目で、私は先代の親父さんとおばさんの時代からお世話になっています。ちなみに、先代の親父さんは数年前に亡くなりましたが、おばさんは100歳で今もご健在です。

 

長年の感謝を込めて、私の描いた絵をプレゼントさせていただきました。

 

この日は、私と同じように、数人の常連さんが来ていました。

 

夕暮れ近い午後4時。シャッターが降ろされ、シミズサイクルは、その最後の日の営業を終えました。

ご主人も奥様も感傷的になるのはお好きではないようで、最後まで、いつものように明るくされていたのが印象的でした。

 

振り返ってみると、私が高校時代に初めてトーエイランドナーをオーダーしたのもシミズでした。

 

大学時代にケルビムのロードをオーダーしたのも....、

 

今乗っている黒いラーレーと出会ったのも、シミズでした。

 

シミズサイクルに通い始めてから今年でちょうど50年。

私の自転車人生は、まさにシミズサイクルと共にありました。

シミズサイクルがなかったら、今の私の自転車ライフはなかったでしょう。

最後にシミズサイクルへの心からの感謝を伝えたいと思います。

長い間、本当にありがとうございました。