先日、親戚の子から『父親の形見のピナレロに乗りたいので、メンテナンスしてほしい。』と頼まれました。
写真を見ると、クオリティは悪くなさそうです。早速、簡単なメンテナンス道具一式を持って、出張メンテナンスに行ってきました。
2000年代前半頃のピナレロ・ヴエルタというモデルです。
シマノのデュラエース9速のコンポを使っており、鮮やかなブルーのフレームにイエローのバーテープとサドルというカラーリングがイタリアンな雰囲気満載のレーサーです。
室内で大切に保管されていたようで、目立ったサビや汚れは見られませんが、長年の間に積もったホコリがすごい。フリーやチェーンなどはクモの巣が張ったようになっています。
まずは柔らかい刷毛を使って、全体のホコリを落とすことから始めます。
ホコリの塊がボロボロと落ちてきます。ある意味、快感ですね。
ホコリが積もっていたフリーやチェンは、歯ブラシを使ってホコリを落とします。
一通りホコリを落としたら、フクピカで全体を拭きます。
このフクピカは優れモノで、1枚で自転車1台をキレイにできて、ワックス効果もあります。これまでも何回かご紹介していますが、私のお気に入りアイテムです。
フレームから始めて、パーツも丁寧に拭いていくと、本来の艶が戻ってきました。
細部までピカピカに磨かれたピナレロは、本来の美しさを取り戻しました。
こうやって見ると、デュラエースの質感はすごいですね。フラッグシップモデルに相応しい芸術品のような美しさが伝わってきます。
磨きが終わったら、ベルハンマーのオイルをチェンやフリー、ディレイラーなどの駆動部分に差していきます。
チェンホイールを回しながらオイルを差していると、チェンの音が変わるのがはっきりとわかりました。
サドルの高さを調整します。
父親より身長が高いので、2センチぐらいサドルを上げました。
本人の希望でバーテープをブルーに換え、ボトルケージやスマホホルダーを装着しました。ブルーのバーテープは落ち着いた雰囲気になって、かっこいいですね。タイヤの色ともコーディネートしています。
また、ビンディングペダルを普通のクイルペダルに換えたいということなので、この日はペダルをはずすところまでにしました。
タイヤに空気を入れ、リムの振れ取りを確認して完了です。
こうして、父親の愛車を親子二代で乗り継ぐというのは、すごく素敵なことですね。
父の想いが込もったヴィンテージ・ピナレロを大切に乗り続けてほしいと思います。