悲しいニュースが入って来ました。
世界最高のフレームビルダーの一人で、半世紀以上に渡って自転車界を牽引してきた伝説の巨匠 ウーゴ・デローザ氏が、現地時間3月26日、ミラノ郊外の自宅で亡くなりました。享年89歳でした。
ウーゴ氏は、1953年、19歳の時に自身の名前をつけた自転車ブランド DE ROSAを立ち上げ、以来、今日まで数々の名選手に自転車を供給し続け、自転車競技の世界に輝かしい足跡を残しました。
中でもDE ROSAの名声を不動のものにしたのは、70年代に活躍した不世出の大レーサー、エディ・メルクスにマシンを供給し、彼を数々の勝利に導いたことでしょう。ウーゴ氏がメルクスの厳しい要求に応えて、彼のために自転車を作り続けたことは、あまりにも有名です。
ウーゴ氏はダニーロ、ドリアーノ、クリスチアーノの三人の息子に恵まれ、時代がスチールからアルミ、そしてカーボンフレームに変わっても、ファミリーで 名車 DE ROSAを作り続けてきました。さらに今後、DE ROSAを支えるのは、ウーゴ氏の孫の代になろうとしています。
ウーゴ氏が一代で築き上げたハートマークの名車DE ROSA。その創業70周年の記念日まで、あと数日というところで、巨匠は旅立ちました。
私もDE ROSAのレーサーを愛する一人として、残念であると同時に、これまでのウーゴ氏の功績を讃え、同じ時代を生きられたことに感謝したいと思います。
『マエストロ（巨匠）、お疲れ様でした。安らかにお眠りください。 Che riposi in pace. 』 合掌。