8月1日はバイキングの日だとか。1958年のこの日、帝国ホテルが新しいレストラン「インペリアルバイキング」をオープンさせたことにちなむらしい。
バイキングといえば、娘がいた頃に時々ではあったが家族であちこちのレストランのバイキングに出かけたものだ。
あの頃の思い出は心に残る大切なひと時で、美味しい料理、デザート、一緒に過ごした笑顔や会話などすべてが特別なものだった。
子どもにとってバイキング料理は、まるで色とりどりの夢と楽しさが並べられたミニテーマパークで、その中から好きなものを好きなだけ食べられるので顔がほころんでいた。
サラダバーの新鮮な野菜は、まるで朝露に輝くように緑が鮮やかで、焼き立ての食パンは金色に輝くインゴットを連想させる。
ジューシーなステーキは、赤いルビーのように食欲をそそり、デザートコーナーのケーキやプリンは、宝石細工のように美しい。
娘にはこの宝石細工の中から好きな宝石を選ぶ楽しさがあり、その一つ一つが少女の笑顔を引き出す魔法の贈り物である。
バイキング料理の豊富な選択肢は、まるで無限の可能性を秘めた夢のミニテーマパークのようで、その中を自由に冒険することができる場所だ。
年を追うごとに娘のテーブルに並ぶプレートの数が増えていき、それを見て子供の成長を感じ、またその笑顔を見て私は心から幸せを感じた。
私は食も細り、今ではバイキングに行くこともなくなったが、あの時の楽しさと温もりは、私の心の中でいつまでも生き続けている。
※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
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