2021年3月11日


あれから10年

長くもあったし、あっという間でもあった

気がしています

 

この10年の間に

色々なことがあったし

きっとこれを読んで下さっている方にも

それぞれ色々なことがあったでしょう

 

東日本大震災から10年 

ここのところ 被災地の現状を伝える番組や

被災者の方々の今を伝えるニュースをよく目にします

 

こんなことを言うのは 少し躊躇いがありますが

私はどうにもこうにも涙が止まらなく

誰か身近な人を亡くしたわけでもないし 

私自身もこうして生かされているのに

どうにも悲しい渦にのみ込まれてしまうのです

 

震災当時 被災者の方々を元気づけようと

仙台の中学生達が被災地で歌っていた

「あすという日が」


その楽曲を歌い継ぐことをキッカケに始めた

「あの日、活動」

 


「あの日を忘れない」.....  そのために、歌う


だけど 心の中では

“あの日を忘れたい人もいるのではないか?”

そんな葛藤があリました

 

だって人の心や脳みそは不思議なもので

忘れてどうにか前に進もう...

そのために そっと気持ちにフタをしておこうとしても

ふとした拍子に 

突然全てがやってくるじゃないですか 

しかもそれはとても鮮明に蘇ってくるものだと思います

 
 

震災から数年後、初めて訪れた被災地 

そして「あの日、活動」を通して 

様々な場所に伺ってきた中で 

毎度同じような葛藤に襲われる私に

「うたを歌ってください」と言ってくださったのは

被災者の方でした

 

「私達を覚えていてくれてありがとう」

涙を流しながら

「歌詞の中に亡くなった友人をみた」

助けることができなかったけど 

全力で手を差し述べることができてよかった

この歌を聴いて 受け入れられた とお話下さった方

 
 

同じ経験をしていない限り

それぞれの背景や置かれている状況を

本当の意味で理解することは難しいけれど

歌を通して

ほんの少しでも 誰かに寄り添うことができるなら

これからも歌い続けたいと思います

 
 

東日本大震災から 10年 


街の復興ももちろんですが 

ここから 心の復興には 

まだまだ長くかかるのだと思います

 

一人一人の力は小さいものでも

「あの日を忘れない」

そして

頂いた命を大切に 一生懸命 今を生きる



改めて心に誓った そんな一日でした

 

2021年3月11日 

北野 里沙








唄を通じて災害を風化させない
「あの日、活動」