新しい作家さんに出会う喜び。
本好きの人に共通体験ではないでしょうか。
遠田潤子。NIKITAさんから教えていただきました。
タイトルを見ても分かるかと思いますが、言葉への意識が高い作家さんです。そして、読みやすい綺麗な文体で描かれる家族は苦難に襲われても前に進もうとします。家族って血のつながりだけじゃない。
『雪の鉄樹』
鉄樹とはソテツ。鉄の字から、
主人公は庭師。冬の庭では「藁ぼっち」
もうね、登場人物にまともな大人がほぼいない(笑) 強いて言えば、施主のおじいさん?
私の息子が遼平と同じくらいの年齢。「そうなのよ、
「もっと気持ちを分かってあげたら良かった」
「あの時はこう言ったら良かった」
息子が予想外の行動をとると「自分の対応が悪かったんや」
もう一点。
愛情を与えられて育つと叩かれてもそんなに響かない。
では、この小説のこだわりの一つ。
『ドライブインまほろば』
"まほろば"と言えば日本武尊(やまとたけるのみこと)
倭は国の真秀ろば
畳なづく青垣 山籠れる 倭し 麗し
「やまとは国のまほろば」と『古事記』に出てきますが、美しい素晴らしい場所。
こちらは大阪が舞台(奈良じゃないのね)
「親の干渉は布団に浸み込んだ毒のようなものだ。
『銀花の蔵』
こちらは奈良が舞台。妖怪好きの私が”座敷童”
物語の冒頭に出てくる夾竹桃。花にも葉にも、根にも毒があり、
醤油蔵を継いだ祖母と、自分の生き方を決める主人公。
子どもから親を見る目線で描かれる母親。
遠田潤子の物語の主人公は、問題をかかえつつもEQが高い。
「この人が悪いわけじゃない」と分かっているけど、許せない。
一方、子どもの心情描写については、遠田さん、甘いな。
さて、明日からは『紅蓮の雪』を読みます。
まとまりのない感想になってしまいましたが、自分が母親になって「子育てって難しいなぁ」って思うことが本当に多いです。
母親も人なんですよ。でも、相手にするのは自分とは別の人格を持った経験の浅い子どもで、迷いも多いです。
私は子育て中、育児本よりはこういう小説を読みたいな、と思います。
教えていただき有難うございました。
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