この間フットサルやった後に、デパートで「獺祭 純米大吟醸 発泡にごり酒」を飲んだけど、めちゃくちゃうまかった。


本当にシャンパンみたいで、あっという間に飲んでしまった。


スパークリング日本酒


今度機会があれば、他の銘柄も飲んでみたいっす。


ソーシャルゲームに対してマスメディアはネガティブなバイアスがかかっているように見える。


この記事の本質的な理解は間違えているように見える。


「成長の勢いに変調の兆しが出ている」のは全くない、むしろ逆で、順調に市場は拡大しているという印象すら受ける。少なくとも決算の数字およびその見通しを見ていると。


そもそもMixiを一緒に入れているのは間違えている。Mixiの業績がイマイチなのは、ガラケー向け広告が落ちているからだ。


DeNAの株価が昨年11月を期にかなり落ち込んだのは、内製のゲームが間に合わず一時的に踊り場を迎えたから。SAPの売上については順調に拡大している。


その内製ゲームも踊り場を経て4Qから回復する見通しで(従って株価は反発した)、拡大トレンドに変調をきたしているという評価をこの決算でしているのは、投資家としてすごくだめだと思う。
ジャーナリストの視点は過去によっているので、投資家とは違うんだろうけど。


たしかに、利益に対するマルチプルが「流行り物なのでいつ落ちるかわからない」という投資家の懸念から低位になっているのは確か。

しかし、それとファンダメンタルズは全く違うので、つまりファンダメンタルズは好調継続で、記者が言っていることが全く当っていないので、ここで指摘しておきたかった。


あと事業モデルの倫理性とかの話をしているが、では今あるカードゲームやパチンコなどのエンタメはどうなんだ?、と逆に聞きたいですね。延々と続いているんですけどと。


マスメディアが新しい市場に対してネガティブなキャンペーンを張る背景には、利権が欲しい政治家が絡んでいるとか、思わず疑ってしまうことが最近多いです。


===日経
国内ソーシャル3社に変調の兆し、事業モデルに弱点
編集委員 小柳建彦 (1/2ページ) 2012/2/9 7:00


 交流サイト(SNS)国内大手3社の成長の勢いに変調の兆しが出ている。株式市場はすでにそれを局面によって織り込んでいる。日本語市場の限界に加え、世界最大手の米フェイスブックに比べたビジネスモデルの弱点も背景に見え隠れする。


グリーの田中良和社長
 国内ソーシャルサイト大手3社の10~12月期業績が出そろった。グリーが営業利益を前年同期比3倍強に伸ばしたものの、ディー・エヌ・エー(DeNA)とミクシィはともに営業減益で、収益拡大にブレーキがかかった。株価は会員数が伸び悩むミクシィは長期ジリ安傾向。DeNAは昨夏をピークに、グリーは秋をピークに、それぞれ天井を打った。市場は3社の業容拡大の勢いに変調を来していることを敏感に感じ取っている。

 ソーシャルサイト世界最大手フェイスブックは日本でも利用者急増が続いており、月間訪問者数でミクシィを抜き、登録会員数も500万人を超えたとみられる。米国では新規上場申請を米証券取引委員会(SEC)に提出。夏前には上場を果たし、大量の億万長者が誕生する。上場申請に伴って開示した資料を見ると、全世界の月間アクティブ利用者数が約8億5000万人に達した今も売上高、利益とも高速成長を維持している。

 国内勢とフェイスブックとの勢いの差の最大の要因は、日本語圏に限られる国内勢の市場と中国など一部を除く全世界が相手のフェイスブックの市場の規模の差だろう。だが、国内勢のサービスとビジネスのモデルをみると、どうもそれだけではなさそうだ。


ディー・エヌ・エーの守安功社長
 今もっとも市場が懸念しているのが、アイテム課金を絡めたゲームが収益の柱になっている点だ。ゲームを始めるのは無料だが、遊び進むにはどうしても有料アイテムを買いたくなる仕組みが標準になっている。しかも、買えるアイテムが自分で決められずクジ引きのような形で決まる方式のゲームが人気を集めており、その射幸性が問題視され始めている。未成年による大量のアイテム購入に対する懸念などが社会的に高まれば、未成年の利用に対してなんらかの制限をかけたり、人気の高いアイテムが当たる確率の設定の仕方に規制をかけたり、といった動きが浮上する可能性が想起される。

 そもそもそのようなゲームで高収益を上げること自体、事業の倫理性という観点から持続可能性があるのか。企業収益の成長性と倫理性が両立できないビジネスモデルだと市場が判断すれば、株価はさらに調整を余儀なくされるだろう。

 もう一つの問題はフェイスブックと比べたプラットフォームとしての強さだ。

 ソーシャルサイト上で動くサービスやゲームなどのソーシャル・アプリを作る米系開発企業のトップが最近、吐き捨てるように言った。「日本のソーシャルサイトは3社ともあまりにコントロールがきつく、コストが高い。自由なフェイスブックに比べて、開発する意欲がわかない」――。


国内勢も3社とも、フェイスブックやツイッターに倣ってプラットフォームを社外の開発者に開放し、各種API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)へのアクセスを許している。それなのに開発者からこのような不満が漏れるのはどうしたわけだろう。


ミクシィの笠原健治社長
 国内3社の場合、各社のプラットフォームを利用するには開発者パートナーとして登録を義務付けている。登録を承認するかどうかの審査・裁量の権利をプラットフォーム各社側が規約上で確保しているほか、個別のアプリを公開できるかどうかについてもプラットフォーム側に裁量による決定権がある仕組みにしている。ライバルのグリーにゲームを提供した開発企業のゲームを、「モバゲー」の中では検索不能にしたり、一覧メニューから削除して新規利用者の流入を妨げたりしたDeNAに対し、2011年6月に公正取引委員会が排除命令を出した。この一件の背景には、そのような規約の存在がある。DeNA側としては規約で明記してある同社側の裁量権の行使だという理屈でそのような行為に走っていたフシがある。

 その後公取委の立ち入り検査や排除命令といった事例は発生していない。しかし、DeNAとグリーの2社はゲーム開発企業に対し、両社のプラットフォームに公平にゲームを提供することを許容しない姿勢を続けていると言われている。つまり、日本のソーシャル・プラットフォームはアプリ開発者にとって極めて不自由なものになっているといわざるを得ない。

 一方、フェイスブックのプラットフォームの利用は原則自由。APIも文字通り公開されており、開発者は勝手にそれを使ってアプリを作り、流通できる。もちろんなんらかの問題があるアプリが見つかれば、削除するなどの措置をプラットフォーム運営者として取れるが、日本のソーシャル・プラットフォームに比べ自由度がはるかに高い。

 もう一つが課金システムの問題だ。国内3社の場合、ソーシャルアプリの中でアイテム課金などの課金サービスを付加する場合は、各社独自の課金システムの利用を求められる。その際、収入の1~3割を「システム利用料」や「レベニューシェア」といった名目で徴収される。これに対しフェイスブックは独自の課金・決済システムを提供する一方、アプリ開発者側がクレジットカードやオンライン決済サービスの「ペイパル」などを使って独自に課金することもできる。課金の仕方も原則自由なわけだ。

 最近人気が増しているiPhone(アイフォーン)用のソーシャルアプリの場合、アップルが運営するアップストアで流通させると、ここでも課金収入の3割を手数料としてアップルに支払いを求められる場合がある。つまり国内ソーシャル3社のプラットフォーム用にiPhoneアプリで課金ビジネスをやろうとすると、アップルに3割払い、ソーシャルプラットフォームに1~3割払った残りしか、開発者の手元に残らないことがあるわけだ。果たしてこのまま開発者が魅力的なアプリを作り続けるだろうか。日本国内でも利用者が増えたフェイスブックに開発者がなびく動きがいつ出てきてもおかしくなさそうだ。

 過去数年、順風満帆で急成長を続けてきた国内ソーシャル3社。12年は株式市場や消費者世論、開発者コミュニティーから事業モデルの根本的な見直しを迫られる年になるかもしれない。


ある本からの引用だが、日本の経営者で、上場することが投資家から何を求められているのかをわかっているのが少ないと実感するよ。

バリュエーション低くなりやすい要因であり、海外なら買われるリスクさえあるが、そこもわからないことが多い気がする。


、、引用

株主価値を高める経営
1 株主資本コストも適用し、実質利益により事業を評価する
2 事業のハードルラインが高くなるため、選択と集中を促す
3 資本コストを引き下げることで、株主価値を高める
4 自社株取得などにより、有利子負債の比重を高める
5 さらに有利子負債の比重を高めるため、配当を高めにして内部留保を抑える

iPhoneからの投稿

たぶん日経記者のポイントは外れているんじゃないかな。だってWiiの下落基調はすでにわかっていた話だから。

今までの流れだと、ハードウェアの流行のサイクルがあり(大体数年でピークを迎えるのだが)、それが下に向かうと大体そのまま衰退し死んでいく運命にあるのだが(PSPは途中でモンハンで粘ったりしたんだが)、それを知っていればこんな見方にはならないのかと。

むしろ新しいハードがどこまで盛り上げられるかが最重要のポイントで、そこがイマイチだったからなんじゃないかと思ったりして。

度合いによるがある程度のPLでの赤字は余り関係がなく(全く重要ではないといえないのだが)、むしろそのゲームのサイクルの山の高さ、上り方の角度に対する確信の度合いを示すことができるのかが投資家の最大の関心事だとなんとなく思ったりするんだヨーグルト。

だから、ずれている感が満載な気がする(本当にそういうことが多くて、多分人種の違いなのかと思ったりする)。



焦点を「赤字転落」に絞ったからかもしれないね。むしろ将来に向けて今の3DSの状況をどう評価するのかのほうが重要で、それを指摘するのはジャーナリストの仕事ではないのかもしれないね。


終わった現象に対しての後講釈が仕事なのかもしれない(もしそうだとしても、赤字の元凶の最も重要な、つまり将来に向けて見逃していけないポイントは、Wiiではない気がするんだが)。


かなりひっかかったんで、思わず書いてしもうた、すんません。



、、、、日経 記者の目

任天堂、「3DS」だけでない赤字の元凶   (1/2ページ) 2012/1/30

 任天堂の2012年3月期は連結業績が一段と悪化し、営業損益段階から赤字になる見通しになった。株価も大きく反応し、業績予想を下方修正した翌日27日の株価は一時840円安と急落し、7年10カ月ぶりに1万円を割り込む場面があった。市場の関心は円高に加え、昨年2月に発売した携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の販売不振に集まる。一方で、発売から5年を超えて投資回収期に入っている据え置き型ゲーム「Wii」の落ち込みが想定を上回った点も、見逃せない業績悪化の要因だ。

決算発表する任天堂の岩田社長(26日午後、大証)

 「欧米では市場の盛り上がり時期が遅く、販売面で勢いがつくのに時間がかかってしまった」。任天堂の岩田聡社長は26日、11年の年末商戦をこう振り返った。11年10~12月期に409億円の営業黒字を計上したが、前年同期からは61%の減少。クリスマスなど年末商戦で4~9月期に計上した573億円の営業赤字の挽回を目指したが、補いきれなかった。

 すでに株価は業績予想の修正を先取りする形で低迷し、1月19日にその時点での昨年来安値を更新。「営業赤字への転落が警戒されていた」(SMBC日興証券の前田栄二シニアアナリスト)。こう突き放す市場関係者が原因の1つに挙げるのが、3DSの不振だ。有力ソフトの投入が遅れ、欧米市場で販売が伸び悩んだ。国内販売は昨年末までに累計販売台数が400万台に達したが、1万円の値下げ販売の結果、「作れば赤字」の状態。「収益を犠牲にしてでも普及の軌道に乗せる」(岩田社長)苦肉の策だったが、利益への貢献は来期からとなる。

 問題は3DSに限った話ではない。Wiiの落ち込みが大きいのだ。今期の販売台数を期初予想の1300万台から昨年7月には1200万台へ下方修正し、さらに今月26日には1000万台へと引き下げた。実はWii事業は売上高営業利益率で10%台後半を誇るとされる隠れた稼ぎ頭。すでに必要な投資を終え、利益回収期に入っているためだが、それが失速した。

 大和証券キャピタル・マーケッツの白石幸毅アナリストは「経営資源を3DSに振り向けるのはわかるが、あまりにWiiの落ち込みが激しすぎるのではないか」と指摘する。米国では11、12月に米マイクロソフトの競合機「Xbox 360」に販売数で2倍近い差をつけられた。これまで強さをみせてきた家族需要の一部が奪われる兆しが出てきた。

 岩田社長は26日の会見で、後継機「Wii U」を日米欧豪の各市場で年末商戦期に投入することを明らかにした。ただ3DSでは、携帯型ゲーム機ながら据え置き型ゲーム機と同水準の2万5000円に価格設定し、わずか半年後に値下げへ追い込まれた経緯がある。消費者の間では当時の記憶が鮮明なだけに、Wii Uでも強気な価格設定に出れば、値下げ期待から買い控えを招きかねない。新型ゲーム機の普及を優先して手ごろな価格に設定するのか、それとも利幅を重視した価格で勝負に出るのか。世代交代に入るWiiの後継機でもまた、価格戦略の巧拙を問われることになる。

(渡辺淳)


米国の著作権保護法案、中国のtwitterであるweiboに対しての規制など、グローバルでのネットへの規制がネット株からの資金引き上げの動きにつながっているやも。


、、日経
米の著作権保護法案でメディア対立 ネット業界「言論を制限」、映画・音楽企業は歓迎

 インターネット上で映画、音楽などの著作権を保護する法案を巡り、米メディア業界の新旧勢力で対立が激化している。海賊版被害が年間10兆円とされる映画業界などは歓迎。一方、オンライン百科事典「ウィキペディア」を運営するウィキメディア財団は18日、法案への抗議を表明する目的で、英語版サービスを24時間停止した。著作権保護かネットの自由か。議論は熱を帯びてきた。
 問題の法案は昨年10月に提出され、米下院司法委員会で審議中の「オンライン著作権侵害阻止法(SOPA)」。海賊版のハリウッド映画などを配信する外国サイトへのアクセスを遮断することで、米企業の被害を減らすのが狙い。
 ネット業界は「言論の自由の制限につながる」と猛反発。ネット検索最大手の米グーグルも同日、英語版の検索サービスのトップページに、法案への反対を呼びかけるサイトへのリンクを掲載した。昨年11月にはフェイスブック、ツイッターなどとの連名で「(原案通り成立すれば)ネット産業の革新や雇用創出を深刻な危機にさらす」との手紙を上下両院の司法委員長らに送付している。
 法案を支持する全米商工会議所によると外国のサイトを介した著作権侵害による米企業の被害は年間1350億ドル(約10兆円)。特に中国の海賊版サイトを意識しているとされる。
 中国ではドラマや映画、音楽など様々なコンテンツで海賊版が横行している。米アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏の伝記も10種類以上の海賊版が出回った。中国当局は違法DVDの押収や販売業者の摘発を強化しているが、目立った効果は出ていない。
 法案は当初、昨年12月に委員会での審議を終えるとみられていたが、ネット業界の反発で年越し。オバマ政権は14日、知財保護の重要性は認めつつも、現行の法案には懸念を表明。法案の修正は避けられないとの見方が広がっている。
(ニューヨーク=小川義也、北京=多部田俊輔)



iPhoneからの投稿

ブルーンバーグの記事では、逃げ足の速さ、自分の意見にしがみつくことをしない点が印象的。

相場をやっていくときに大切なのは、柔軟性。


あと中長期のファンダメンタルのヴューを持つことは株の売買に必要だからその通りだと思うが、短期売買することを恐れてはいけないと。

つまり、売ることを躊躇してはいけない。実は世間のバイアスや人間のメンタル上、売る方がむずかしい。

マスコミなんかが「短期売買が投機で悪」みたいなことをいうが、かなり疑うべし。

相場に関わる人間が追求するのは、収益の最大化のみ。


、、、、Bloomberg

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LXP4470D9L3501.html


ヘッジファンドの覇者ハワード氏-用心深さと電光石火の退却術が強み



  1月12日(ブルームバーグ):1980年代の終わりごろ、名門証券会社ソロモン・ブラザーズ(当時)の若き債券トレーダーだったアラン・ハワード氏がインドに出張したとき、同僚は現地の水を飲まないようにアドバイスした。出張から戻ってみると、トレーディングデスクは同氏がフランス産ミネラルウォーターをケース単位で買って積み上げた経費の話で持ちきりだった。当時の同僚が明らかにした。

  ロンドン生まれのハワード氏(48)は、このミネラルウォーターを飲み水としてばかりでなく入浴、ひげ剃り、洗髪にも使ったのだと笑った。

  326億ドル(約2兆5100億円)規模の巨大ヘッジファンド会社、ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントの共同創業者となった今も、ハワード氏はこの用心深さを失っていない。元同僚らによれば、ジュネーブの同社のトレーディングデスクでハワード氏は毎日、テールリスクやブラックスワンなど、わずかな可能性のリスクの心配に余念がない。

  2011年には同氏のこのリスク回避が奏功した。264億ドル規模のブレバン・ハワード・マスター・ファンドの10月31日まで10カ月の成績は堂々のプラス10.8%となり、ブルームバーグ・マーケッツ誌の成績上位100ヘッジファンドの20位に入った。

         計4ファンドがランクイン

  ほかにも同社から3ファンドが、大型ファンドの上位100にランクインした。17億ドル規模のブレバン・ハワード・アジア・マスター・ファンドはリターン7.2%で31位、ブレバン・ハワード・マルチストラテジー・マスター・ファンド(13億ドル)が5.5%で同率43位、クレジット・カタリスツ・マスター・ファンド(20億ドル)は3.2%で同率74位だった。

  マスター・ファンドは10カ月の収益力でも5位。ブルームバーグがまとめたデータによれば、同ファンドはブレバン・ハワードに概算で6億3780万ドルをもたらした。

  25年のキャリアの中で、ハワード氏はその用心深さによって数多くの危機を乗り越えてきた。1994年の債券市場の波乱から1998年のロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の事実上の破綻、そして2008年の金融危機などがそうだ。

  マスター・ファンドは03年4月の運用開始以来、暦年で成績マイナスの年はない。設立以来のシャープレシオ(リスクに対するリターン)1.96は、リスク調整後ベースでS&P500種株価指数の4倍を超えるリターンを上げたことを意味する。

         「驚くべき退却の素早さ」

  ソロモンでハワード氏と働いたゾーブ・サチー氏は、ハワード氏は「危険を察知した時、自身の見解を押し通すことを恐れない。退却の素早さは驚くべきものがあった」と話す。

  ユーロ圏の一部で国債利回りが急上昇し、株価が急落した2011年、ヘッジファンド業界の成績は低迷した。ブルームバーグのデータによれば、1-10月の成績は平均でマイナス2.8%。マスター・ファンドのように景気見通しに基づき通貨や国債、デリバティブ(金融派生商品)に投資するマクロ戦略のファンドはマイナス3.3%だった。

  ソロモンでの元同僚の1人によれば、ハワード氏は「他の運用者らが苦戦する年に最も好成績を上げる」。「並外れて競争心が強い」のだという。

  ブレバン・ハワードの11年の成功は主に、マクロ経済に関する悲観的な見通しによるものだと、ロンドンに上場するクローズドエンド型ファンド、BHマクロのイアン・プレンダーリース会長は言う。同ファ
ンドはマスター・ファンドにのみ投資している。他の投資家が回復加速を予想している中で、ハワード氏は急減速、あるいはリセッション(景気後退)の二番底すら想定していた。

          先進国の利下げを予想

  新たな景気の下降局面に対応して先進諸国の主な中央銀行が金利を引き下げるだろうとの結論に達したハワード氏は、マスター・ファンドで米国債と英国債、ドイツ国債を積み上げた。

  プレンダーリース氏によれば、同ファンドは「利回り低下で利益がでるようなポジションを組んだ」。

  ブルームバーグのデータによれば、10年物米国債の利回りは11年10月31日に2.11%と、年初の3.33%から低下していた。8月だけを見ても、マスター・ファンドは6.2%の収益を上げた。

  ブレバン・ハワードの元トレーダーの1人は「ハワード氏は逆張りが得意だ」と語る。「大勢の意見に影響されるときは、その逆を行くという形でだ」という。

          逆張りとは限らず

  ブレバン・ハワードは常に流れに逆らっているわけでもない。ハワード氏は10年6月に、他のヘッジファンド運用者に追随するかのようにロンドンからスイスへと拠点を移した。英政府が高所得者への増税の計画を発表したからだ。今のブレバンのオフィスはジュネーブの高級ショッピング街からすぐの場所にある。ハワード氏の妻はフランス人で、一家はしばしばジュネーブの近くで休暇を過ごしている。

  ハワード氏はこの記事のためのインタビューの依頼を断った。同氏は1986年にインペリアル・カレッジ・ロンドンで化学工学の修士号を取得し、同年にソロモンに加わった。東海銀行(現在は三菱UFJフィナンシャル・グループの一部)で短期間勤務した後、結局クレディ・スイス・ファースト・ボストン(当時)に移り、同社でロンドンの自己勘定債券トレーディング責任者になった。03年に退社しブレバン・ハワードを設立。

  ブレバン・ハワードは昨年10月、マスター・ファンドの運用資産を250億ドル前後に保つため、約20億ドルを返還すると投資家に伝えた。クローズドエンドのBHマクロおよびブレバン・ハワードの6ファンドに投資していたBHグローバルは対象外。

            戦術的な投資

  ブレバン・ハワードの強みは景気予測に基づく投資ばかりではない。60人余りのトレーダーを中心にロンドンからニューヨーク、ワ
シントン、サンパウロ、テルアビブ、香港に拠点を置く同社は素早い動きで市場の一時的な非効率性から利益を上げることも得意とする。

  米国と韓国の株価ボラティリティに目を付け、バリアンススワップと呼ばれる商品に投資したのはその一例だ。投資会社サリエント・パートナーズの投資責任者、リー・パートリッジ氏はブレバン・ハワ
ードについて、「大きなテーマでのドラマが終わってしまうと、今度はより戦術的な機会へと乗り換える能力がある」と評価した。

  BHマクロの2010年の報告によれば、同年のハワード氏のマクロ投資には3つの主要テーマがあった。マクロ・ファンドは1-3月に短期の欧州債の下落に賭け、7-9月はユーロを空売り、10-12月は年限5年以下の米国債に強気の取引をした。

           電光石火のスピード

  これらは3つとも利益が出なかったが、ハワード氏が外国為替を中心に戦術的手腕を発揮したことにより通年で約1%の利益を確保することができたと報告は指摘している。

  特定の取引に加えて、ブレバン・ハワードはリスク管理にも強みがある。ハワード氏は自ら市場の危険な展開を嗅ぎ付け、電光石火の スピードで損切りに動く。

  ソロモンでの同僚で、現在はルシダス・キャピタル・パートナーズで事業開発責任者を務めるサイモン・メドウズ氏は、「ハワード氏は最終損益に徹底的にこだわる」として、「あるポジションにしがみ
つくことはしない。すぐに気が変わると言えるが、新しい別のものにすぐに目を向けることができるという意味でこれは強みだ」と話した。

  ハワード氏はトレーダーらに対し高い実績を求める。トレーダーらは、どの市場でどんな商品を取引し、どれだけの資金をリスクにさらすことが許されるかについて、書面で指令を受ける。利益を上げたトレーダーはその利益の一部を報酬として受け取れるほか、場合によっては取引できる金額も増える。資産が目減りしたトレーダーは運用額を減らされたり、戦術変更やリスク低減化を命じられることもある。

        ヘッジファンド業界で生き抜くコツ

  損失が巨額、あるいは長期にわたる場合は「休止」を命じられ、辞任や解雇につながる場合もある。

  ブレバン・ハワードの広報担当者によれば、従業員の出入りは同業他社に比べれば少ない。いずれにせよ、パートリッジ氏ら投資家にとって従業員の入れ替わりはむしろプラスだ。ブレバン・ハワードは「うまく行っていないことがあれば素早く行動する。これはヘッジファンド業界で生き抜くコツのようなものだ」と同氏は話した。


iPhoneからの投稿

日経ヴェリタスで和製ヘッジファンドがとりあげられていて、自分も顔を知っている人がいた。

ただ、おいらたちでよく話題になる有名どころのヘッジファンドが一つも出ていないのはなぜかと。記者の知っている範囲とズレを感じる。

、、日経
 厳しい相場で好成績を上げる和製ヘッジファンド。新手の理論や技術を駆使した独特の運用手法に注目が集まる。個人投資家が荒波を乗り切るためのヒントが見つかるかもしれない。「第3世代」と呼ばれる若手が率いる、そんな勝ち組ファンドを紹介しよう。

■投資判断に人工知能を活用

 「言葉の意味の解析手法は?」「2つ以上意味がある言葉はどうするんだい?」──。1月初め、米シリコンバレーを訪ねたプルーガ・キャピタルの古庄秀樹氏(33歳)は、グーグルやアップルの技術者たちから矢継ぎ早に質問を浴びせかけられた。



 IT(情報技術)の最前線で働くエンジニアが関心を寄せる。古庄氏が代表を務めるプルーガは、人工知能が様々なブログ記事の中の言葉を分析して投資判断につなげる世界でも珍しい運用手法のファンドだ。ゴールドマン・サックス証券出身の古庄氏と東京大学で人工知能を研究する松尾豊准教授(36歳)という異色のコンビで2010年9月に運用を始めた。

 同社の投資手法は、例えば株安時に頻出するワードが増えたら、市場は弱気と判断して株価指数先物に売りを出す。最近は「イタリア」「格下げ」などのワードが相場下落を示唆するという。市場心理の先、先を読んで頻繁に売買を繰り返す、この手法で運用開始以来の収益率は20%を超える。

 ヘッジファンドの運用成績を集計している調査会社ユーリカヘッジによると、日本の株や債券で運用するファンドの11年の成績は1%のマイナスで全体(4%マイナス)より底堅い。プルーガをはじめ、今回紹介するいくつかのヘッジファンドは、いずれも厳しい環境下で踏ん張っている部類に入る。ある外国証券のヘッジファンド担当者は、好成績の理由を「日本のファンドは生き残りばかりだから」と説明する。金融危機下でも運用を続けたり、ファンドを新たに設立した「したたかさ」を認めているのだ。

 マネックス・オルタナティブ・インベストメンツの白木信一郎社長によると、00年前後に運用を始めたヘッジファンドは、業界で「第1世代」と呼ばれる。中小型株のロング・ショート(割高な株を売り持ちし、割安な株を買い持ちする)戦略で04年ごろから台頭したのが「第2世代」だ。

 06年に中小型株バブルが崩壊し、和製ファンドの多くは成績が悪化。さらに世界的な金融危機で投資家が資金を引き揚げ、ファンド閉鎖が相次いだ。そして、数々の混乱を経て登場してきたプルーガのような新興ファンドが「第3世代」。最新の理論と複雑な運用テクニックを駆使する。バブル期の上げ相場を知らず、「売り」から入るのが上手、などともいわれる。

 世界的な傾向でもあるが「淘汰を乗り越えて運用者は慎重になった」(HCアセットマネジメントの橋本あかね常務)。運用資産に対して借入金の比率(レバレッジ)を低く抑える、取引量が多く売却しやすい株価指数先物に投資対象を絞るなど、相場がパニックに陥った時の痛手を抑える仕組みを売り物にする運用スタイルが多い。


■暁翔キャピタル「月次単位のプラス」めざす

 暁翔キャピタルが2009年7月から運用助言している日本の中小型株を中心としたロング・ショート戦略のファンドは、資産残高が約190億円。ファンド・オブ・ファンズの資金が中心だが、2年以上の運用実績ができ、日本の年金基金の資金も入り始めた。



暁翔キャピタル チーフインベストメントオフィサーの山口功一郎氏
 チーフインベストメントオフィサーの山口功一郎氏(31歳)ら4人で1000~1500社を調査し、現在は300社ほどを選んで投資している。徹底的に投資先を調べ上げ、ともすれば見過ごされがちな中小型の成長株を発掘する手法にこだわる。

 基本は1年以上の長期保有だが、短期売買を組み合わせて機動的に利ざやも稼いでいく。さらに株価指数先物を売るなどしてこまめにポジションを調整。ポートフォリオが市場全体の値動きに引きずられるリスクを抑制するための工夫も怠りない。

 月次単位でプラスを出し続けることを目標にしており、運用開始から30カ月でマイナスは3カ月のみ。山口氏は06年に外国証券の営業から大手ヘッジファンドに移り、中小型株のファンド運用を手掛けた。06年のライブドア・ショック直後の急落局面で「先物などを活用したリスクヘッジの手法を徹底的に教えられた」経験が生きる。

 11年の運用成績は14%強のプラス。ソーシャルゲーム関連を中心に、「短期売買よりもしっかり持っていた銘柄が大きな利益をもたらした」という。09年10月にディー・エヌ・エー(証券コード2432)が提供し始めた「怪盗ロワイヤル」の好調ぶりを聞き、関連企業を調査。ゲーム関連に限れば10社強だが、サーバーのレンタルなど周辺産業まで含めると対象は50社ほどになる。グリー(3632)やコナミ(9766)、ドリコム(3793)やクルーズ(2138)などが貢献した。

 銘柄選びで重視するのは「テーマの有望性だけでなく、どの時点から具体的に数字として業績に貢献するか」だという。現在のように厳しい相場環境下ではテーマ自体が注目されていても、業績への貢献度が数字に表れていないと、ほかの投資家が見向きもせず株価に反映されない。

 注目テーマはゲームのほか、太陽光やLED関連などだ。欧州の補助金削減で苦境に立たされている太陽光関連だが、「今年のどこかでは再び見直される」と見る。日本で補助金がつくほか、太陽光パネルなどの価格下落や発電効率の改善で、発電コストが大幅に下がると予想している。

 業績は四半期ごとにチェックしているが、会社側の説明と実際に出ている数字が合わない時は要注意だ。ただし、株価の変動が大きいため、「損切りするのは買うときに想定していた理由が崩れた時」という。


■GCIアセット、手法組み合わせ割安資産を選出

 株式や債券はもちろん、資本と負債の性格を併せ持つハイブリッド証券、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などのデリバティブ(金融派生商品)まで、幅広く運用するGCIアセット・マネジメント。チーフポートフォリオマネジャーの中川成久氏(32歳)は金融危機さなかの2009年、資産運用にとって100年に一度のチャンスとみて、証券会社から老舗のGCIアセットに転じた。入社後に立ち上げたファンドの成績は、設定以来66.2%のプラスとなっている。


GCIアセット・マネジメント チーフ ポートフォリオ マネジャーの中川成久氏
 「マルチストラテジー」に分類される中川氏の運用手法は、様々な資産を対象に、ファンダメンタルズ分析やクオンツ(定量分析)を組み合わせて、その時々で最も割安な資産を選び出して投資するというもの。

 「ビジネスモデルの優位性や持続性を重視するウォーレン・バフェット氏のやり方を意識している」といい、投資先の企業選びに際しては財務諸表を読み込むなどして徹底的に研究する。一般的な割安株投資と違うのはここからだ。さらに、同じ会社でも株と債券どちらがより割安か、より多くの収益を得られそうかを調べて、割安とみれば社債や劣後債などを買い持ちする。同時に、個別株オプションなどを使って、買い持ち資産の価格が下落した局面でも安定した収益が確保できるようなポートフォリオを組んでいるのが特徴だ。

 あらゆる資産に幅広く目配りし、徹底比較して収益機会を探るノウハウは、学生時代や証券会社時代に養った。東京大学在学中は新株予約権付社債(転換社債=CB)の価格形成を研究し、論文が著名な賞を受賞したこともある学究肌。最初は研究者の道を進むつもりだった、という。

 インターンシップがきっかけでゴールドマン・サックス証券に入社したところ、CBのトレーディング部門に配属された。2000年代は日本のCB市場の規模が世界的にみても大きかった時期。ゴールドマンのCB部隊は少なからぬ利益を上げ、CB以外への投資も認められていたほどだった。

 GCIでの最初のファンドは投資先を日本の資産に限定していたが、昨年9月に立ち上げた2つめのファンドは世界中の資産に投資する設計。こちらも1月6日までの成績は2.7%プラスと出だしは順調だ。「グローバルに認知されるファンドを日本から目指したい」と意気込んでいる。

 最近注目したのは、日本の投資家が1兆円の債券を保有するとされるノルウェー輸出金融公社だ。ノルウェー政府が公社の事業縮小を発表し、昨年11月に格付け会社が大幅に格下げした。一部の機関投資家が社内の運用規定上、公社のサムライ債を売却せざるを得なくなり、価格は大きく下落。だが資産は優良で、デフォルト(債務不履行)は避けられるとの見方もある。最終的に投資は見送ったが、「需給要因だけで価格が必要以上に下げたのなら、下値では投資妙味があるのでは」と分析したという。


■オプション活用、相場急落時に利益

 金融危機前後で存在感が高まったのは、株価指数オプションを使って、相場急落時に収益を上げる「テールリスクファンド」。起きる可能性は低いが、実際に発生すると影響が甚大なのがテールリスクだ。

 ファイブスター投資顧問は2010年7月に運用を開始。最高投資責任者の片岡邦夫氏(39歳)は証券会社の自己売買部門を経て、シンガポールでヘッジファンドを立ち上げた経験を持つ。

 基本的な手法はオプションの売りと買いの組み合わせだ。例えば価格20円のプットオプション(売る権利)を買い持ちにし、価格50円のプットオプションを売り持ちにしておく。実際の株価が急落すると、売り持ちの50円のオプションは価格が上がって損失になるが、買い持ちにしている20円のオプションのほうの価格はより大きく上昇するので、差し引きすると利益プラスになるという理屈だ。大震災直後の株価急落局面でこの投資戦略が成功し、年率換算の収益率は約20%にのぼる。

 昨年7月に運用を始めたハープスター・パートナーズもオプション価格の変動の大きさの差を利用して、「ブラックスワン」に備えた運用をしている点で似ている。最高経営責任者(CEO)の白崎杏輔氏(28歳)とパートナーの田中誠人氏(29歳)は、大学時代からオプション専門の個人トレーダーとして活躍。普段からオプション売買で収益を積み上げており、昨年12月末までの収益は約21%(成功報酬の控除前)だった。

 景気や金融市場の方向性を読み、株や債券、商品などあらゆる資産を対象に投資する「グローバル・マクロ」戦略を得意とするのはエッジベルキャピタル。世界の投資マネーの動きを読みつつ、米S&P500種株価指数先物から金まで幅広く売買する。日本のヘッジファンドでは珍しい手法だ。

 「景気が悪化すれば、金も需要が減少して価格が下がるはず。欧州の金融機関から投げ売りが出そう」──。昨年11月、エッジベルはこんな読みに基づいて米市場の金ETF(上場投資信託)のプットオプションを購入。1カ月後に金ETFの価格が1割強下げ、オプション価格が6倍に上昇した時点で売却して利益を確定した。

 共同代表の鯉淵将氏(41歳)はゴールドマン・サックス証券などでデリバティブ・ストラクチャリング部門を統括した。鈴木一穂氏(42歳)は、みずほコーポレート銀行で外債投資やリスク管理を担当。運用開始以来の成績は2%のプラスだ。これまでは少数の投資家向けの匿名組合方式で運用してきたが、今年2月にも海外籍のファンドを設立して機関投資家や富裕層の個人投資家の投資を募る予定だ。

(北松円香、松本裕子)

[日経ヴェリタス2012年1月15日付


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この記者の結論とは逆に、デフレ経済下のなかでグレハム的なバリュー投資はワークするのだろうかと思ったよ。

バリュートラップにかかりやすい意味で。



、、日経
大機小機 ベンジャミン・グレアムの教え

 世界経済の停滞感が強まっている。先進諸国の緊縮財政で総需要が抑えられることに加え、南欧諸国の財政危機は信用収縮へと波及しているからである。歴史的にみても先進国の債務はあまりにも巨額であり、世界経済の立ち直りには相当の時間を要するとの見方が強まっている。
 低成長の長期化が不可避となると、資産運用はどう展望したらよいのだろうか。この20年間の株式投資を振り返ると、機関投資家であれ個人投資家であれ、あらゆる投資家が期待を裏切られることになった。その結果、個人も年金基金も株式離れが鮮明だ。
 資産運用のフレームワークとして定着したポートフォリオ理論は、世界経済が成長することを前提として機能するともいえ、デフレが懸念される低成長下にあっては新たな枠組み作りが求められている。広く分散投資をするインデックスファンドが最も効率的な運用とされてきたことも見直しは避けられまい。
 一つのヒントが80年ほど前の米国大恐慌時代にある。当時の株価大暴落はつとに有名だが、債券市場でもデフォルト(債務不履行)が発生し、今と経済状況は重なっている。大恐慌を経験した投資家はあまりにもダメージが大きく株式投資回避の動きが一般化したが、大暴落から学ぶべき教訓をまとめた投資家がいた。のちに証券アナリストを知的職業と言わしめたベンジャミン・グレアムである。
 彼の教訓はのちにロングセラーとなる「証券分析」にまとめられ、自身が引退するまでの運用でも大成功を収めている。「投資というのは十分な分析に基づいてなされるべきものであること」「元本の安全と相応の利益が得られることを約束するものであること」を強調、投資条件を満たす限られた企業だけを長期保有することを基本とした。
 利益予想はいかに綿密でも予測の域を出ず、タイミングを重視したトレーディング、短期の業績見通し、長期の成長期待などはすべて投機的行為とされた。後に、より具体的な投資判断基準として「優良企業の中でPER(株価収益率)7倍以下、もしくは配当利回り7%以上、もしくは1株純資産が株価の120%以上」との基準が示された。
 全てを今に適用するのは困難だが、長期化する低成長下にあって、大恐慌を乗り越えたベンジャミン・グレアムの教えは一考に値するのではなかろうか。
(自律)


iPhoneからの投稿

2011年度がスマフォ対応と震災対応で劇的に伸びたが、来期もそこからさらに伸びるとは、、

これは通信キャリアからの投資の恩恵を受ける会社にはポジティブだね。


、、日経

携帯3社、1.6兆円投資 スマートフォン通信急増で 12年度1割増 ドコモは基地局整備、ソフトバンクは5割上積みへ


 携帯電話大手が2012年度の設備投資を拡大する。NTTドコモは当初計画に300億円を上積みし、ソフトバンクは前年度比約5割増やす見通し。KDDI(au)を加えた大手3社の携帯関連事業向けの合計は1兆6000億円超と、3年連続で1割前後増える。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の普及に伴う通信量の急増で回線不足への懸念が強まっており、高速基地局や基幹通信網の増強を急ぐ。(スマートフォンの普及は総合面「きょうのことば」参照)
 通信業界は電力業界と並ぶ民間設備投資のけん引役で、設備投資全体の1割弱を占める。10年度の設備投資は2兆4000億円。携帯3社の投資が約6割を占め、今後も拡大が見込まれる。企業の生産拠点の海外移転加速に加え、10年度で同じく2兆4000億円の電力業界の設備投資は先行きに不透明感が強まっている。ほとんどを国内に投じる携帯向け投資の拡大基調は民間設備投資を下支えしそうだ。
 ドコモの11年度の設備投資は7280億円と10年度比で約600億円増える見込み。12年度は10年度以前の水準に減らす計画だったが、通信量の急増などに対応し当初計画の4%に相当する300億円程度を上積みし、11年度に近い投資水準を維持する。
 電波の利用効率を3倍に増やせる高速携帯サービスの基地局を増設する。13年度以降も増強を続け、15年度までの3年で高速携帯向け設備だけで5500億円を投じ、通信エリアを人口比で98%と全国に広げる。
 auの設備投資は基地局整備の一巡で減少傾向にあったが11年度に下げ止まり、12年度は10年度比4%増の3400億円を投じる。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」発売で増えたデータ通信需要に対応する。
 ソフトバンクグループの12年度の携帯関連の設備投資は6000億円規模と、11年度比5割程度増える見通し。既存の携帯基地局の増設や、2月に本格的に開始する次世代PHS技術を活用した高速無線通信サービス向けなどの投資が膨らむ。
 スマホはパソコンと同じように、ネット経由で画像や動画を見たり、ゲームを楽しんだりできるが、大量のデータを扱う結果、通信量は従来型携帯の10~20倍になる。利用者の急増で11年12月にはドコモのスマホでメールが誤表示されるなどの障害も起きた。MM総研によると、国内の携帯電話契約に占めるスマホ比率は10年度末の8.8%から15年度末には57.1%まで拡大する見通し。

iPhoneからの投稿

あけましておめでとうございます。


電子書籍が静かにしかし確実に進んだのが昨年でした。


日経の下記の記事は、電子書籍の社会的なインパクトとして、「来るべき本来の電子書籍が持つであろう、複数の、そして最終的には、全ての本との連係の可能性である」という点が面白かった。


ネットを介して本という固有のメディアから脱して、本同士の連携だけではなくコンシューマーが作ったコンテンツ(CGM)とも連携する形。


また今のCGMの流れでもあるように、コンテンツ力のあるインディーズ的な作家と読者との距離も短くなっていくんだろう(それは今のブログなんかでも実現されつつあるのだが)。


既存の出版社の立ち位置がどうなるかとか、あと今中古で本を売っている事業者もあるがそれがどうなるかとか、色々連想されて面白い。



、、、、日経

電子書籍は「紙の本の電子読み」を超える 情報の「連係」でメディアは激変する

村上憲郎のグローバル羅針盤(3) (1/3ページ) 2011/9/13 7:00 小サイズに変更javascript:void(0)中サイズに変更javascript:void(0)大サイズに変更javascript:void(0)保存#印刷



村上憲郎(むらかみ・のりお)

元グーグル日本法人社長兼米本社副社長


1947年大分県佐伯市生まれ。70年京都大工学部卒。日立電子、日本ディジタル・イクイップメント(DEC)をへて、米インフォミックス、ノーザンテレコムの日本法人社長などを歴任。2003年から08年までグーグル日本社長を務める。




 「電子書籍」というものがある。日本でも昨年は、「その元年だ」ともいわれたような記憶がある。しかし、率直に言って、私は、いま現在「電子書籍」と呼ばれているものは、単なる「紙の本の電子読み」にしかすぎないと思っている。




 ということは、お察しの通り、私の想う電子書籍は、いま言われているものとは、全く異なる。どのようなものかという話の前に、現状の「電子書籍」を、私なりに概観してみよう。


 これまで世界で紙に印刷されて出版された書籍のうち、ざっくり20%が書店で買えるらしい。分かりやすく言えば、それだけの本がAmazonで新品の紙の本として購入できるわけだ。


その内の何%が、Kindle(Amazonの端末)向けの「電子書籍」として買えるのか、寡聞にして知らないが、約100万冊が、買えると言われている。少なくとも米紙ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストのほとんどは買えるようだ。


 さて、米国での書籍の出版は、通常、ハードカバー版がまず売り出され、同時か少し間をおいて、Kindle版、そして、最後にペーパーバック版という順番になる。


 各版の価格も、最終的にこの順番になるが、定価(リストプライス)は、ハードカバー版とKindle版は同額、半年~1年程の時間をおいて出版されるペーパーバック版は、ペーパーバック版の出版予告時点でのKindle版の実勢価格より、やや高めに設定される。ただし、ペーパーバック版の出版時の実勢価格は、最初からその定価を下回っているのが通常だ。


 この事実は、古書を除き、書籍が定価でしか販売されない日本と違い、米国の書籍販売の価格政策の精妙さを感じさせるが、今日はそれが主題ではないので、この点には深く立ち入らない。



注目すべきは、Kindle版は「紙の本の電子読み」用だということが、この価格政策に端的に表れているということだ。


 しかし、「Kindle版は、単なる『紙の本の電子読み』用とはいえない」という反論も聞こえてくる。


 曰(いわ)く、「通信さえつながっていれば、書籍を瞬時に購入・ダウンロードして読める」「購入した書籍を最大数千冊も、持ち歩ける」「辞書機能を使えば、一発で単語が引ける」「所有しているKindle版の横断的検索ができる」等々だ。





 「なるほど」と私も思うが、辞書機能と検索機能を除き、やはり「紙の本の電子読み」用だという見解を変える気にはならない。ただし、辞書機能と検索機能からは、私の言う所の本来の電子書籍の片鱗(りん)が垣間見えることは否定できない。


 ということで、いよいよ、来るべき電子書籍への、私の羅針盤の見立てである。


 辞書機能と検索機能に垣間見えているのは、書籍の「連係」の姿である。Kindleの辞書機能は、「今読んでいる本」と「辞書」という、2つの本の連係にすぎないが、検索機能が示唆しているのは、来るべき本来の電子書籍が持つであろう、複数の、そして最終的には、全ての本との連係の可能性である。


 その連係が拡大するにつれて、ノンフィクション本における引用・脚注・巻末の参考文献リストの形態が、激変するはずだ。著者は、そのような新しい機能・形態を前提として、電子書籍を書き始めるであろう。その時、紙の本の終わりが始まるのだ。なぜなら、そのような機能と形態を手に入れた著者たちは、徐々に紙の本を書かなくなるからである。


 そして、その連係は、図・写真、さらには動画に及び、ついには、著者自ら、あるいは、専門のレクチャラー(解説者)が動画に登場して、図・写真・動画を使いながら、解説を始めるに至るであろう。紙の本を含む他の書籍への導線を引くことも可能だ。


 ついに、電子書籍は、読むだけのものでなく、観るもの、聞くものとなるであろう。「読者(と引き続き呼んでおこう)」は、今「読んでいる」電子書籍の薦める導線を辿(たど)るだけでなく、自らも積極的に関連電子書籍や図・写真・動画を検索し、渡り歩くであろう。



「それはもはや書籍ではない」という反論が聞こえる。“So what?(それが何か?)”とだけ答えておこう。


 以上のことは、フィクション本では、さらに過激に起こるはずだ。小説と絵本とマンガと映画の見分けがつかなくなる。章・巻・Part等は、購入の単位としては残るだろうが、「読む・観る」単位としての意味を徐々に失うであろう。


 「私は、文学者だ」という叫びが聞こえる。“Please be yourself.(どうぞ)”とだけ答えておこう。


 購入については、フィクション、ノンフィクションにかかわらず、連係・引用・参照・導線に基づく、いわゆるフェアユース(公正利用)ルールと、コンテンツ購入の決済手段が、整備されるであろう。


 そして、このようなクロスメディアとしての本来の来るべき電子書籍の主たる舞台装置は、第2回で紹介した、スマートフォン(高機能携帯電話)とタブレット端末とデジタルTV(テレビ)が合流するスマートTVである。


 ここに至る過程で、ノンフィクション「本(と引き続き呼んでおこう)」においても、フィクション「本」においても、「出版社(と引き続き呼んでおこう)」や「編集者(と引き続き呼んでおこう)」の役割は、増大することはあっても、減少することはない。もちろん、自らの役割の多機能化に対応できれば、ではあるが。


 クールジャパンと呼ばれる独特のメディア感性に満ちた日本のクリエーターを支えてきた、日本の出版社・編集者が、単なる「紙の本の電子読み」さえ実現できずにいる現状を一刻も早く抜け出し、来るべき壮大なる電子書籍への第一歩を、世界に先駆けて踏み出されんことを、心から祈りつつ、第3回を終わりたい。


(「村上憲郎のグローバル羅針盤」は原則、毎週火曜日に掲載します)