ぽぽちゃんのどもり
今日の日記は本当ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーに長いです(←いつもでしょというツッコミは却下)
お時間のある方、興味のある方のみどうぞ~。
*********************************
時期は少し遡るが、9月後半に、ぽぽちゃんは一時期とても「どもる」ようになった。どもると言っても自分の名前だけである。
もともと、何か喋りたくてたまらない!という気持ちが勝るようなときは、
「ぽ、ぽ、ぽぽちゃんねぇ~!!」
と言うこともしょっちゅうあり、もちろん母親である私は自覚していたのだが、旦那様も私自身も、せっかちになるとそういうことはあるし、他人からみて「どもる」と意識しない程度の範囲であった。
それがいきなり。
1週間のうちに、それこそ毎日のように、名前の最初の「ぽ(ここではニックネームなので実名は違う言葉になりますが)」の数が5つくらい増えていったのだ。
もともとどもるときには、「私もね~~!!」と強調して喋りたいときなので、
「ぽ、ぽ、ぽ、ぽ、ぽ・・・・ぽぽぽぽぽちゃんはねぇ~~・・・」
と、だんだん声が大きくなってくる。その度に詰まってくるようで、顔も赤くなってくる。
やっと自分の名前が言えたぽぽちゃんは、ハァハァ息をしながら、その後の言葉を続ける。
そんな姿を見て
「ちょっとこれはただ事じゃなくなってきたかも・・・」
と思った。
ネットで色々検索すると、出てくる出てくる「幼児のどもり」。
ここから先は、私がネット先で見つけた情報を個人で勝手に(かなりおおまかに)まとめたのもなので、それを了承しつつ読んでいただきたいのだが、言葉を発するようになって3歳くらいまでに見られるどもりは、主に
・引っ越しや新しい環境、厳しい叱咤など、さまざまなストレスが原因となるもの
・喋りたい欲求に、発音のテクニックが伴わずにでるもの
に分類されるそう。
そしてほとんどが本人が意識していないもので、気がついたら治っていたというケースも多いらしい。
ここから問題なのが、3歳からのどもり。
本人が「どもっている」と意識しだすと2次性(?)なものになり、それ自体がストレスになったりトラウマになると、克服もだんだん難しくなるそうなのだ。
この3歳という年齢が、無意識下なのか意識下なのかの境目なのだ。
ぽぽちゃんは、今のところ「なんか言いにくい」程度であまり意識していないようだ。
そしてそういう場合の一番大事なことは意識化させないこと。
「もう少しゆっくり喋ってごらん」などとは絶対言ってはダメ!なんだそう。
あくまでも普段と一緒。普通が一番。
それを自分に言い聞かせてその日はベッドに入った(が、ろくに眠れなかった・・・)。
しかし、翌日、事態はさらに深刻に。
ぽぽちゃんが、ついに自分の名前を言えなくなってしまったのだ!
「ぽ、ぽ、ぽ、ぽ、ぽ、・・・・ぽ、ぽ、ぽ、ぽ、ぽぽぽぽぽぽ!!」
もう何十回言っても言えない。本人も悔しがって顔を真っ赤にさせながら、足をバタバタしながら叫ぶ。
ハァハァ息をつきながら
「なんかおかしくなっちゃった・・・」
とぽぽちゃんが呟いたとき、私は泣きそうになった。
実は我が父も、昔、どもりで大変苦労したそうだ。それこそ学校に行っている頃だったので、放課後にどもりを治す教室に辛抱強く通って治したそうだ。
今でこそ、商店街のカラオケ大会など司会をやっているくらいなので、そんなトラウマなどは微塵もないものと思われるが、何かの折にその話を聞いて来たので、ぽぽちゃんのことも他人事とは(当たり前だが)思えない。
しかし、一番考えさせられたのは、ぽぽちゃんのどもり自体でなく、その原因である。
そう、実はその心当たりがあったのだ・・・。
夏に日本に一時帰国したとき、ほとんど自分のペースで行動していた私。二人の子供との生活に加え、自分も買いたいものがある、ばぁばがいない分の家事もある。
リンツではというと、もちろん毎日バタバタ忙しいことは忙しいのだが、基本的には子供ペースの生活にのんびり合わせている。自分が働いていない利点でもあり、ここがオーストリアだからということもあるかもしれない。
自分のペースに子供を合わせるということはストレスが溜まる。自分の計画しているようにことが運ばないので、つい「早く!」とか「~しなさい!」と言うことが多くなる。
住む場所が変わったことのストレスも、子供達にとってなかったと言えば嘘であろう。
しかしぽぽちゃんが「かまって」と言うと、一緒にいるじぃじや兄弟たちに頼んでばかりいた。
それはそれでいろんな人の愛を受けていたので、ぽぽちゃんも嫌がることなく喜んで遊んでもたっていたのだが、リンツに帰って来てからも、私のぽぽちゃんへの厳しさはそのまま緩むことはなく、そして相手をしてくれる大人が私だけになったことで、ぽぽちゃんの精神的負担は大きくなっていたに違いない。
厳しくすることとは、つまり、ぽぽちゃんが言葉を喋れて(100%でないが)理解できているということで、ぽぽちゃんを大人扱いしてしまっていたのだ。
言うことを1回で聞けないこと。タンタンにいじわるすること。食べ物を粗末にすること。など、私が厳しくする点は決まっていつも一緒なのだが、それだけに、それが守れないと激しい剣幕で怒る自分がいた。私が怒ると分かると、ビクッとして「ごめんなさぁい・・・」と泣き出すぽぽちゃん。
分かっているのに、感情が勝つということに逆らわずにはいられなかった。手を出すことはなかったが、それに等しいくらい、威圧でぽぽちゃんに言うことをきかせようとしていた。
それと同時進行で、旦那様とも険悪な雰囲気だったのもある。
実家で、ちょっとの気遣いはあれども、お互い気心しれた親と兄弟たちに囲まれて、毎日笑って暮らした日々。
リンツで、唯一の身内である旦那様が、仕事などでストレスを抱えそれを家に持ち込み、唯一のホッとできる場所でピリピリしなければいけない現状とのギャップ。
まぁ今冷静になって考えてみると、あのとき「旦那様のせいだ」と思い込んでいたものも、彼の甘えだけでなく、それを「そういうもの」として受け止め流すことができない自分の甘えもあったのだが、我慢や葛藤などの精神的な私の「詰まり」が、知らないうちにぽぽちゃんの「詰まり」となって出たのだとしか思えない。
それを確信して次の日から、ぽぽちゃんを叱るのをやめました(キッパリ)。
もちろん、愛情を持って叱るのは大事。でも、私の叱り方は愛情でなかったと認識した。
そして、もう一つ考えさせられたのは、3歳児が本当の悪意を持ってやっていることは少ないのではないかということ。あくまで個人的な意見なのだが。
タンタンをいじめた(と思われるような)光景も、力の加減が分からなかったり、自分より小さいということで好奇心や本能が勝ったりということもあるであろう。本気で殺したいと思っているわけではない(←当たり前)。
以前はそういう光景を見たら、突き飛ばさんくらいの勢いで叱ることでぽぽちゃんに反省を促していた。
でも今は、
「こらこらこら!」
と声はかけるものの、
「ほら、こんなことされたら痛いよ。ぽぽちゃんもされたら痛いでしょ?」
と説明するようにしている。たいていは聞いてくれるし、一生懸命想像しようとしている。
本当に「いけない!」と思ったときだけ、叱ることにしよう。
ぽぽちゃんのどもりは、私をリセットしてくれました。
そしてなんと、それをやめてからぽぽちゃんのどもりも治っていった。
というより、「自分の名前を言うとどもる」と分かったぽぽちゃんは、いきなり自分の名前を言うのをやめたのだ(爆)それでも通用する日本語。あ~このときほど「日本語でよかった」と思ったことはなかったワ~。
そして、興奮すると言えなくなると自覚した彼女は、ささやくように、自分の名前を言うようになった。
「ぽ・・・・」と1回言って、トラウマが勝ちそうだったら一息。
「ぽ・・・ぽ・・・・ぽぽちゃんも!」
と言った具合に。
それでもダメだとわかるときは、「わたしね~」と、自分の名前を言わないで「わたし」で始めるようになった。
親バカかもしれないが、「あーたって凄い!」と内心、拍手喝采した私である。
そうして、どもる回数が減ることでトラウマもなくなり、10月に入った今では落ち着いています。
子供って繊細だねぇ。
子育てって本当に一筋縄ではいかない。
本当にいい勉強させてもらいました。
そうそう、それと旦那様とは仲良く!(笑)
これはいつも努力するしかないですね~。
まだまだ未熟者ですが、子供達と一緒に、成長していきたいと思っています。