かつて3.5年ほど中東に滞在した事がある。


中東は距離的にも遠いのだけれど、心理的にもとっても遠い国だった。毎日5回のお祈りタイムがあり、各地区にはスピーカーでお祈りの言葉が流れる。中にはなかなか上手な人もいて、美声でコーランを唱える。


赴任した当初は住まいが決まるまでホテル暮らしをし、決める時の条件は近辺にスピーカーがない事。だって朝の5時からお祈りが始まるのでちとつらい。


何もかも宗教に始まり宗教に終わる国、週明けは日曜日から始まるのでカレンダーもそれ仕様になっていた。さらにコンサートも美術館もないし(博物館はある)観劇もない。退屈ちゃ退屈なんだけど、楽しみ方は色々あって、中でも蚤の市が毎週あるので私達はいそいそ出かけたものだ。


その中で買った物の1つがこれ。

トルコ石がモザイクにシルバーのリングに嵌め込まれている。



だけど買った時は、石が1つ欠けていた。よく見ると1つだけ石の色が違うのは、アメリカに戻ってきて石を入れて欲しいと依頼したものの同じ色の石がないからコレにしました!と相談もなく勝手にいれて戻されてきた😳。




蚤の市は交渉の世界。ラグを買う時に相方が勤めていた会社専属のドライバーの男性が、言い値の半分から交渉するように、と教えてくれた。大体は軟弱な私達、ドライバーの男性がみかねて交渉に参加してくれたことがある。😅


このリングも半値から始めたが、仕切っているオーナーのアシスタントはガンとして譲らない..それを見ていたオーナー、私達の言い値にちょっとだけプラスした金額を提示してめでたく交渉成立。かなりの重さの銀細工のリング。気に入って毎日身につけていたら買った時はババチかったのがピカピカ光ってきた。


今は中東がエライことになっている。まだ友人達も中東にいる。50°Cの外気温、熱風、砂嵐、何も娯楽がないから相方が担当するクライアントによく食事に招待してもらったこと、不思議なお香や香木の匂い…そしてこの指輪を見るたびに様々な思い出と友人達の安否を思う。


どうか無事でいて、と毎日祈る。