仮に名前をジョンとしておこう。


このジョンは私が所属する部署の上司だった。

一番最初、面接で会った時”一癖ありそう…”と思った印象はドンピシャリだった。


私が入社してまもなく何故か”今日、みんなで食事に行くから”のメールを送ってきた。当時の同僚は女性3人。

“えっ?いきなり言われても予定が、、”と思っていたら、リーダー的な彼女が、小さなため息をついて”とりあえず今日の今日なんて無理だから、私からメール返信しておくわ”と言った。しかし…いくら上司だからと言って自分の都合でいきなりこんな相手を配慮しないメールを送って来る人に出会ったのは初めてだった。


このジョンは私の苦手なタイプの人だったので、このまま立ち消えになればと思っていたけどやっぱりみんなで行くことになった。彼の運転する車で市内にあるレストランへ行く。


“サラ(仮名)は、助手席、”あと”(もち、リーダー的な人と私)は後部座席に座って”とご指定があった。レストランに行くと、サラに”どのワインが好きか?”と聞き彼女が2、3挙げるとその1つを選び、サラが美味しいワインだと言うと、驚いたことにもう一本追加しそれを”あと”の私達の目の前で”サラ、君が好きだと行ったから持って帰りなさい”😱と渡した。


戸惑うサラ…。そりゃそうでしょう。リーダー的な彼女が気の毒に思ったのか”もらっときなよ、サラ”で彼女も固辞するのはこの場合スマートじゃないと思い受け取った。一番満足な顔をしていたのはこのジョンで、自分が作った状況がいかに不適切な行為だったのか、その辺の物差しがぶっ壊れている人だった。つまりこの食事に誘った理由はサラだけが目当てで、”あと”の私達はカムフラージュだったと分かった。勿論、その夜の食事は会社の経費で落とす。


ええんかい?こんなことして?告げ口したろーか!


と思ったのは言うまでもない。

さらに自分が食べ終わるとデザートはどう?とも聞かず、行くぞー!って。このオッさん、マナーなんてないわ…と思いながらコイツの下で働かないといけないと思うとかなり憂鬱だった。


(続く)