この間、家の査定をしてもらおうと連絡した不動産担当者は、実は今の家を買った時の担当者。私達が今の家を購入したのは25年前。


今回この担当者と話しをした後、私達二人共”ちょっと違う..”と言う感想だった。何が違うのかと言うと、彼女のアドバイスが25年前に聞いたのと同じだったこと。階段には手摺をつけたほうがいいとか、椅子はここじゃなくて他に移動させたほうが通りやすいとか、この部屋はテーブルじゃなくてベッドを置いたほうがいいとか、勿論プロのアドバイスなので一理あるとは思うものの、25年も経っている割には当時と変わらないアドバイスに驚いた。


しかもアドバイスのなかには、高齢者の彼女自身の意見が反映されている。残念ながら我家は、玄関までの階段はあるし、さらに家に入ってからも階段がある。はっきり言って高齢者や歩行困難な人向きには作られていない。なので当然彼女もそれを承知だと思っていたが、ウーン、感覚が、、、。昔ながらの販売方法でもクライアントを持っている彼女にはそう努力しなくても購入者が簡単に見つかるのかもしれない。だけど、手摺をつけろだの、椅子を動かせだの、と彼女の考えているターゲット層に売却することは私達の頭にはなかった。


さて、この我家を購入してまもなく義両親を招待したことがあった。義母は、開口一番、”何でこんな階段の多い家を買ったのか!”とか、”何で国産車(アメリカ車)を買わないのか。高い日本車なんて買って!”、とか、果ては、私に”なんでアメリカの国籍を取らないのか?アメリカ人になればいいじゃない?日本人である必要はない”と言われて驚いたことがある。もう、”人”の家にきて文句のオンパレード。招待したのが間違いかと思ったわ。さらにこう言う無神経な人もいるんだと。いくら息子夫婦の家でも、自分達の家ではないわけで言わなくてもいいことや胸にしまっておくことはあると思うんだけどなぁ。それを言うか?


勿論、義母は、高齢だったので階段のないフラットな家が彼女にとっては便利なのはわかる。また、カリフォルニアは日本車がかなりの数を占めていて性能はいいし長く乗れてしかも売却する時はアメリカ車と比べて高値で売れるが、こう言うこともカナダの片田舎からやってきた人には理解しがたいし、知りもしない。当時はカルガリーでも日本車よりもアメリカ車のほうか多かったように思う。さらに、国籍に至っては、内心”ここまで言うか?あんたに口だしされるものではないじゃん!!”と思った。今更、高齢の義母に正論を投げたところで時間と労力の無駄と聞き流し、黙っていた。(チラッとムカついたけど、何も知らない人なんだわ、と思いため息しか出なかったのは今でも覚えている)


誰もがそうではないけど、加齢と共になかなか新しい見方や考え方をするのが難しくなる。自分が生きてきた範囲内で考えがちになる。ただ、それを小学生みたいに口に出してしまうと厄介なことになる。


私も肝に据えておこうと思う。