なんたって30年近く住んでいた実家を売却して、隣の市に引っ越しする準備をしていた両親は大変だったと思う。亡くなった祖母の物もあったので処分に困ったものもあっただろう。その中でこの雛人形一式が、アメリカに住んでいる私の元へ送られてきた。男雛、女雛に加えて三人官女、随身、五人囃子、仕丁。それぞれがもっていた小道具はほとんどどこかに行ってもう無い。
正直、雛人形を飾ってもらったのは子供の頃を思い出してもたぶん片手で数えるほどしかないし、こちらに送ってくれた後でも一度も出して飾った事はない。しかしもうこれを持っていてもいずれは処分することになる…どうしたものか?だったら人形供養をしてもらおうと思い、近所に浄土真宗のお寺で聞いてみた。
お寺のご住職は、浄土真宗では怨念を引き継ぐと言う教えはないとおっしゃる。とは言え、雛人形は女の子の成長を願って全ての災難は人形が肩代わりなってくれているようで人に譲るのはよくないと書いてあり躊躇していたら、気になるようであれば、人形供養をしているお寺を紹介してくださるとのこと。だけど話しているうちにこのお寺でバザーが近々行われるようで、この雛人形でも欲しいと言う方に楽しんでもらえればと思い始めた。
結局、色々考えて寄付してバザーに出品してもらうことにした。雛人形は送られてきた時に開封していたが、それぞれのお雛様の顔はティッシュでひとつずつ覆ってあったのを新しくし、防虫剤をいれかえて箱に詰め直した。
(続く)


