実に明解だ! | 相続日記「ある日突然相続人になったら・・」

相続日記「ある日突然相続人になったら・・」

それはある日突然のことだった。
「小説は奇なり」というけれど。
これはいきなり相続人となった独身オンナの正真正銘の相続の物語、いやドキュメンタリーブログである。

明るく優しい口調は

 

大学時代の彼そのもので

 

懐かしさでいっぱいに

 

なりながら

 

次の言葉を待った

 

 

 

「ここね・・・

 

××市のベッドタウンなんだけど

 

(××市とは北海道でも有数な

 

工業地域)

 

××市に通勤で通う人は

 

もっと××市寄りに

 

住むのよ

 

この地図で示されている所は

 

 

○○市のなかでも

 

山に近くて

 

どちらかというと

 

温泉地域

 

あまり居住者がいないわけ

 

 

それにここね

 

宅地は宅地なんだけど

 

下水道管が通ってないところなわけよ

 

それにここの近くに

 

小学校があるんだけど

 

他校との合併が決まっていて

 

閉校することになっているのさ・・・」

 

 

 

「・・・・ということは

 

そこにはこれ以上

 

人が増えないってことよね?」

 

 

私はすかさず聞いてみた

 

 

 

 

「まあ、そういうことだよね」

 

 

 

「例えばこの家に

 

住むなり貸すなりを

 

考えても

 

まずは下水道工事を

 

しなきゃならないよ」

 

「そして今言った通り

 

これから先は人が

 

どんどん減っていく地域だね」

 

 

 

わ~~~お!!

 

それは聞かなきゃ

 

分からないことだわ!!

 

 

「固定資産税の税額を聞いたら

 

まあ払ってもいいかって

 

思うかもしれないけど

 

この土地、建物ね

 

持ってるだけ厄介になるよ」

 

「家を取り壊すのもお金掛かるし

 

土地だけにしたとしても

 

周りには住宅があるから

 

それなりに管理も必要

 

そして売ろうと思っても

 

ここじゃ買い手は出てこないよ」

 

 

お~~~~~!!

 

これほど明解なことが

 

あるだろうか!!

 

 

私が聞きたいすべてを

 

教えてもらえた

 

 

 

「じゃあじゃあ

 

放棄した方がいいですね!!」

 

「これでなんの迷いもなく

 

放棄の手続きしますわ!!」

 

 

「うん、そうだね

 

納得できる回答だったかな?」

 

 

 

 

 

先輩はやっぱり

 

優しく言ってくれた

 

 

 

 

 

お別れの挨拶を交わし

 

電話を切った