「非暴力的危機介入法」という方法があることを最近はじめて知りました。この方法を知っていると、皆さんにもきっと役に立つのではないかと思いましたので、ご紹介いたします。

 

皆さんにも、日常の中で、もめごと、意見の食い違いからくる仲たがい、口論、罵り合い、暴力・・・、そういった状況に居合わせ、介入しなければならない危機的な場面が、しばしばあることと思います。「非暴力的危機介入法 NVC(Nonviolent Crisis Intervention)」は、そんなときに役立ちます。このような介入法があることを、私は学校保健危機管理の特集に掲載されていた新福知子*氏の論文から学びました。“ ”はその論文からの引用です。

 

“このような問題をやめさせる一番良いタイミングは、それが始まる前にやめさせること。”前兆行動(いら立っていたり、皮肉っぽくなったり等)を見逃さないこと。

 

威嚇や口論が起こったら、“関係のない人は排除すること。”。

見物人がいることで、“面目を失わずにやめることがさらに難しくなり、面目を保つためにけんかが始まるということもよくある。”

 

“口論の真っ只中にあせって飛び込まないこと。意思疎通を図ろうとする前に、当事者の関心を引くために気をそらすようなことをする”。

 

“当事者が自分よりもかなり小さくて弱いのでなければ、対立している者同士の間に自分の身を割って入ってはいけない。こうした行動をとることによって、けんかをしている当事者の闘争心を、先生の方に向ける結果になってしまうことがしばしばある。これでは、先生自身の身の安全を危険にさらすだけではなく、他の人を助けることもできなくなってしまう。”

 

“けんかが、身体暴力に及んでいたとしても、言語介入の可能性をあなどってはいけない。多くの言語介入がいかに効果的かということに驚かされる。まず、本を落とすかとか、ドアをバタンと閉めるなどして大きな音を立て、喧嘩をしている当事者の周りが見えなくなっている緊張した状況に水を差す。これは、喧嘩をやめさせるまでには及ばないが、当事者を我に返らせ、より理性的な心境へといざなうことにより、言語介入をしやすくする。”

 

“言語介入を試みるとき、当事者がどのような状態でけんかをしているのかということに注意を払う。片方がケガをしそうだとか、疲れている様子だとか、優勢だとか、攻撃的な相手から身を守り離れようとして、より攻撃的になっている等々。そして劣勢の方に向けて言語介入をする。たとえば、「Aさん、喧嘩を止めてすぐこちらに来なさい。」などと言うと、実際には、面子を保つやり方でけんかをやめさせる助け舟を出してことになる。”

 

“その場を取り巻く環境をより安全にする。見物人を排除し、凶器となりうるものや、机、いす等の危険な障害物をその場から排除する。”

 

いかがでしたでしょうか? 

“対立している者同士の間に自分の身を割って入ってはいけない”“なぜなら「先生自身の身の安全を危険にさらすだけではなく、他の人を助けることもできなくなってしまう”というのは、言われてみると成程ですが、私にとっては目から鱗でした。そして具体的な方法をいろいろと学ぶことができました。

 

論文には、2004年の長崎佐世保市での事件のこと、諸外国での学校危機管理、CPI危機予防研究所(Crisis Prevention Interesutitute)について、「非暴力的危機介入法 NVC(Nonviolent Crisis Intervention)」について、NVCで教える主要なストラテジー、実践報告などが書かれていましたが、ここではそのストラテジーの一部を紹介いたしました。危機介入の際の参考にしていただければ幸いです。

 

*新福知子 危機管理プログラム「非暴力的危機介入法」 J.Natl.Inst.Public       Health,53(2):2004