ジャザサイズに通いはじめて5ヶ月経った頃。
そのセンターで一番えらいインストラクターのレッスンが終わり、汗をふいて帰る準備をしている時だった。
「あづきさん、ジャザサイズのインストラクターを目指しませんか?
なってほしい!なれると思う!」と
目が釘付けになるような、鍛えられているのに女らしいナイスバディを持つそのインストラクターさんは、眩しい笑顔で私にそう言った。
(彼女はどう見ても20〜30代前半にしか見えないが、私と同年齢である)
その日は、レッスン中に、昼過ぎに食べたハンバーグが喉元までせり上がってくるほどキツく、絶対吐いてはならぬと飲み込みながら、流れる汗で目がしみる中、1時間死ぬ気でやりきり
「今日も、吐かず、倒れず、転ばずに1時間乗り切った!」
と安堵しながら(毎回それが目標)、だらしなくたるんだ身体の汗を拭きとっているような情けない姿の私にである。
よほどの人手不足かなにかで、断れなさそうな気の弱そうな客に誰かれ構わず言ってるのだろうか?
それにしたって、よりにもよって、こんなくたびれた中年でなくてもっと若くてイキのいい客が他にもいるだろうに…
と、一体どういう反応をしていいのかわからずに
「な、な、何の冗談ですか?私に言ってます?
私まだ始めたばかりですよ」
と言って、苦笑いするしかなかったのだが
たまたま近くにいたジャザサイズ歴25年の小学校からの同級生K子が
「なればいいじゃん!
たったの5ヶ月なのに、あづきすごい身体が変わったもん。
なれるよ!むいてるよ!
素質ある人しか、声かけられないんだよ」
などと無責任なことを言ってけしかけてきた。
そこに、次の1時間を担当するベテランインストラクターさんまで来て加わり
「あづきさん、めちゃくちゃ素質あると思いますよ。
絶対なれますよ、目指しましょうよ」
と言ってくれた。
「ジャザサイズ楽しいですよね?
ジャザサイズの楽しさを一緒に広めましょうよ!」
と2人のインストラクターさんは熱く優しく声をかけて下さったが
もちろん、楽しいか楽しくないかと聞かれれば、楽しい。
しかし、ただただ
―アールの前で裸になるのが恥ずかしくて、自信をつけたい
カレが私のお尻をセクシーだと言うので、お尻を少しでも持ち上げたい―
そんなアホみたいな動機から入会したジャザサイズなのである。
私はかけるお金も、費やす時間も、モトを取りたいと思う人間なので
1時間軽く汗を流せればそれでいい…などという勿体ナイ事は一切考えず
貴重なお金も時間も使うのだから、行くからには
「今このスタジオの中にいる30人の中で一番汗をかこう、一番脂肪を燃焼してやろう」とギラギラと考えていて
始まった瞬間から終わるまで鬼気迫る顔で真剣にやる、暑苦しくて変わったストイックなおばさんなだけなのである。
5ヶ月経って体重は増えたが、確かに体型は少し変化が見えてきた。
次女は小さい頃からダンスとバレエをやっており、全身筋肉とバネなのであるが、そんな娘から
「ママ痩せた?身体が引き締まってきてる。
すっごいラインが綺麗になった」と言われ、
前述のジャザサイズ歴25年の同級生K子からも
「あづき、最近、背中が綺麗になった。
肩甲骨が出てきたね。」
と言われたりすることが最近続いて、少々ウカレているのだが
そうは言っても、まだこの世界に入ったばかりの新参者。
右も左もわからないながら、なんとかサボらないように必死で続けているという部活の一年生みたいな日々である。
実際の数値は、こんな感じ。
0ヶ月 体重 53.9kg 体脂肪率 33.6% 筋肉量 33.8kg
1ヶ月 体重 53.9kg 体脂肪率 33.5% 筋肉量 34.9kg
2ヶ月 体重 55.6kg 体脂肪率 31.9% 筋肉量 35.7kg
3ヶ月 体重 56.6kg 体脂肪率 32.2% 筋肉量 36.2kg
4ヶ月 体重 55.6kg 体脂肪率 32.4% 筋肉量 35.5kg
5ヶ月 体重 56.8kg 体脂肪率 31.8% 筋肉量 36.5kg
体重は3キロも増えているが、筋肉は脂肪に比べて重たいので、気にしない。
日によって、体脂肪率が30%台を切って、夢の20%台になる日も時々あるが、
そういう日はつい「自分へのご褒美」などと称して大好きなサブウェイのローストビーフサンドイッチ(野菜全部増量、アクセント野菜全部載せ)のポテトセットや、甘いモノなどを食べてしまうので…、
夢の20%台は一瞬で終わるのである。
さて、今日も今日とてジャザサイズに励む私の当面の目標は
「吐かない、倒れない、全力でやる」相変わらず、この3つである。