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引き続きシム・ウナ、銀幕デビュー作、「サランヘヨ あなたに逢いたくて」。

映画の大半90分は、お茶の間向け連続ドラマ以上でも以下でもない軽やかな展開で、最後10分は、急に映画だったことを思い出して慌てて劇的な展開にしてしまったという、アンバランスな一本。

タフで人情家の36歳独身刑事には男臭い正統派チェ・ミンス、良家の子女ながら繁華街をねぐらにする似非不良少女にシム・ウナという美男美女が扮し、前半は、チェ・ミンスがちょっとドジなところもありながらモテモテだったり、シム・ウナがヤンキー化粧でパンツの見える超ミニ姿なのに天性のノーブルな美貌が隠しきれなかったり、バスケもダンスも抜群の暴走族野郎パク・チェフンが実はいい奴だったり、とちょっとわざとらしく、ちょっと意外な流れもあって、「来週も見ようか」と思う連続ドラマを凝縮したような展開です。歳の差カップルも、つかず離れず、ちょっとロマンティックで適度に切なくと、TVで見る分には十分の出来なんですが、映画館に足を運んだとすると、かなり物足りないと思えます。そして、慌てて付け加えたような約10分のエンディングは、全く製作意図不明です。

次の「ボーン・トゥ・キル」もコケて、「シム・ウナが出る映画はコケる」というジンクスが出来たそうですが、観客動員の神様ハン・ソッキュと組んだ「八月のクリスマス」で、そのジンクスは崩れさることになります。個人的には、シム・ウナが見られただけで十分モトが取れたとは思いますが、映画としてお薦めするのは難しそうな一本です。