side D
怖くて、怖くてずっとふるえてた…。
助けに来てくれたひょくが ごめんって言って…すごく泣いてて…だから オレが泣いたらダメだって思った。
でも オレは弱くて…
泣いたらダメだって思ってるのに、ひょくが近くにいないと、怖くて不安で…しばらくはひょくからはなれることができなくなったんだ。
あれから ずいぶんたつのに オレはあの時のことを思い出すとカラダがふるえて吐き気がこみ上げてくる。
でも…ひょくにはぜったいに知られたくなかった。
ひょくがセキニンを感じて自分を責めているのを知っていたから
オレが今でも こんな風だなんて知ったらひょくは、もっとセキニンを感じて自分を責めて、責めて…
ひょくがこわれちゃうんじゃないかって…怖かった。
だから 平気な顔をしてトイレに入って吐いた。
アルバイトを再開したある日
じょんすひょんがカフェに来た。じょんすひょんはいぇそひょんの高校時代のセンパイで、よくカフェでお茶をしていくんだ。オレのこともひょくのことも可愛がってくれる優しいひょんなんだ。
そのじょんすひょんに『今日はドンへとお茶がのみたい』って言われてオレのお休憩の時間にいっしょに お茶したんだ。
じょんすひょんとお話してると、オレはなんでか甘えたくなる。
つらいって言ってしまいたくなる
ダメだ…甘えちゃダメなんだよって思ってたら
「あのさ…ドンへにお願いがあるんだけどさ?」
って言ってきた。
じょんすひょんがオレにおねがいがあるなんて…なんだろうって思った。
「明日から毎日ウチに来て俺とお話してくれないかな?…」
「じょんすひょんのおウチに?」
「お家っていうか…お仕事もあるから、ドンヘのお仕事前に俺の仕事場の方に来てもらえたらっておもってるんだ」
「オシゴトまえに?」
「うん。一緒にお茶してさ?お話しよ?んー そうだな…1時間くらい。」
「… … … 」
「だめ?俺、ドンへとお話しするの楽しいんだよね~♪最近ね?ヒョン、ちょっと寂しいんだよね。だからドンへと毎日こんな風にお話できたら嬉しいんだけどな~」
「オレも じょんすひょんとおはなしするの たのしい」
「じゃあ決まりだ。ヒョクチェにも言っておくから ね?明日ウチにおいで」
「うん…」
じょんすひょんのお仕事場は
”めんたるくりにっく”
ってトコだった。
ここの ”いんちょーさん” なんだって言ってた。
そうして、オレは毎日じょんすひょんのお仕事場にアソビびに行くようになったんだ。
毎朝 ひょくが じょんすひょんのお仕事場までクルマで送ってくれて、1時間くらいじょんすひょんとおはなしして、そのあとはじょんすひょんがクルマで カフェまで送ってくれる
それを毎日つづけてた
じょんすひょんとおはなししてると なんだかキモチが柔らかくなるってゆーか…かるくなってくんだ…。
「オレ…ずっと こわかった…」
「うん…」
「オレ… ひょくが 好きなのにねっ…すっごくすっきなのに…さっさわられると…カラダがっ うっ…かってに…ふるえて…ふぇぇっ…いやじゃないのに…」
「ヒョクチェが怖い?」
「こわっく…ない、、、すっ…きっ」
「触られるのがイヤなの?」
「…わかんな…ぎゅって さっされるのとか、ちゅうとかはへーき…てか いっぱい してほしー…」
「ドンへはヒョクチェが大好きなんだね」
「うん だいすき…だからオレ…ひょくにもうしわけなくて…だって、オレ…ひょくにずっと ガマンさせてて…」
「ヒョクチェはね…?ドンへと一緒にいられるだけでドンへが側にいてくれるだけで幸せだって言ってたよ 」
「ん…オレも ひょくといっしょにられるだけでしあわせだもん」
「だからね。焦らなくてもいいんだよ?お前の心と身体がちゃんと一つに重なる日は来るから…」
こんな風に毎日オレはじょんすひょんに自分の心を正直に話ていたんだ。
じょんすひょんとお話をするようになって一ヶ月 以上たっていた。
あの日から もう三ヶ月になる…。
今日もひょくがぎゅって抱きしめてくれて、 ふれるだけのキスをして
「おやすみ」
ひょくが目をとじる
オレはそっと手をのばし
ひょくの中心にふれた。
つづく