チェミンがEH探偵事務所でバイトを始めて一ヶ月が経つ。
遅番のドンへと一緒に 事務所へ入って行くと朝飯の準備が整っていて スタッフ3人とオレとドンへ 5人でテーブルを囲んだ。
「今日はね チェミヒョンが朝ごはんの作ってくれたんだよ。すごいでしょ?」
リョウギの言葉に全員チェミンに注目する
「そんなっ…たいしたものはつくってないのに…」
頬を染めて 恥ずかしそうにぱたぱたと手を振るチェミン
「いや…すげえ美味いよ。ありがとうな?チェミン」
そう言って無意識に手が伸びてチェミンの頭を撫でたいた。
あっ…やべえ って思った時、隣からドンヘのデカいため息。
チラッと見るとほっぺがすんげえ膨らんでるし…。
R「ドンたんいってらっしゃい」
D「いってちまーす」
笑顔で手を振る
K「行ってらっしゃい!ドンヘちゃん」
D「いってくるぅ~」
笑顔で手を振る
E「行ってらっしゃい」
D「、、、、、ぷいっ!」
E「‼︎ 」
ったく わかりやすく拗ねやがって。
「ドンへちゃんが不安そうですよ」
ワンちゃん二匹の捜索中、キュヒョナに言われた
「何を?」
「『ひょっくがあ~ ちぇみくんのことっオレよりもだいじって思ったらどーしようぅ~
』って」
ドンへの口マネで言うから笑ってしまう
「何それ?ドンへが言ってたの?」
「言わなくてもわかりますよ。てか笑い事じゃないんだけど?おれも心配です」
「何を心配すんの? んな事より!エンツォ君とラウラちゃんを捜すのが先だっての」
「一つ聞いていいですか?」
「何だよ?」
「困ってる友達を助けたいだけ?本当にそれだけなんですよね?」
「どういう意味?助けたいだけだよ。チェミンは昔からの友人で身体も弱いし。それにあの男だって何してくっかわかんねえだろ?」
「昔からの友人で身体か弱いからってのは、んー…まあ、分かりますよ。けど 元彼?から守ってあげるのって…それってヒョクチェヒョンがやらなきゃいけないことですかね?意味わかんねえ」
「あいつを守ってやる奴が 他にいねえだろうが 」
オレの言葉にキュヒョナは大袈裟にため息をつく
「その 元彼に酷い事されてさ?仕事も無くなって そんな目にあって怖いんなら、警察に駆け込むか、とっとと実家にでも帰りゃあいいじゃないですか?彼の仕事はこの街に居なきゃ出来ない仕事じゃないですよね?言っちゃえばどこでだって出来る。こんだけ酷い目にあってるのにこの街に居続けるのは、、、」
「、、、続けろよ」
「言っていいの?」
「、、、ああ」
「甘えてるんですよ。」
「、、、、、」
「ヒョンにね。たまたま再開したヒョンに…高校時代の、アホみたいにお人好しな恋人に、、、言葉を選ばずに言えば、頼って、甘えて、依存してる。この人なら自分を守ってくれるってね。頼り切ってる。」
「チェミンは助けてくれなんて言ってない。」
「うん、言葉にしてはないでしょうね。けど、ヒョンは守ってあげたいって気持ちになってるじゃないですか?彼の『大丈夫』や、『平気』って言葉は助けての裏返しなんだってヒョンが思ったのなら、それで助けてあげたいって気持ちになってるんなら、それは彼がハッキリと言葉にしていないだけで『助けて欲しい』って言ってるのと同じことですよ」
「お前の言ってることは正論なのかもしれないよ。けど、オレは…どうしても放っておけないんだよ。」
「ドンへちゃんとチェミンさんて 雰囲気が似てますよね?けど、キャラは正反対。まあ 突き詰めれば同じかもしれないけど、でも表のキャラは陰と陽ですよ」
「だから?」
「だから、両方が欲しくなるんじゃないかって事ですよ」
「そんなんじゃねえよ」
「ドンへちゃんを泣かすような事だけはしないでくださいよ? おれは…おれとリョウギはドンヘちゃんの味方だから」
「分かってるよ。これだけは信じて欲しいんだけど、オレは本当にドンヘを愛してるんだ。チェミンのことは愛とかそう言う感情じゃないんだよ。」
「わかりました。本当に信じてますよ」
「ああ、大丈夫だよ。じゃあこの話は終わり。早くフェラーリ夫婦を捜しだしてあげようぜ」
キュヒョナの尻を叩いて 歩き出した。
「ドンへ~」
その夜、バイトから帰って来たドンへを抱き寄せようと手を伸ばすと あっさりと躱されてしまった。
「まだ怒ってんの?」
「… べつに」
「じゃあ こっち来いよ」
ソファに座るオレからかなり距離をとって 床にペッタリ座っているドンへに声をかけても
「ここでいい…」
とかいって こっちを見ようともしない
「怒ってんじゃん」
「おこってない」
「じゃあ おいで~」
「やだ!」
「来てってば」
「いーやーだ!」
「なんでだよ?ドンへが近くにいないとオレさみしいよ」
「… ほんと…?」
「うん…」
悲しそうに頷いて見せると、ドンへは立ち上がり トコトコとオレの前に来て いつもの様に膝に乗って来た
「ひょくのばか」
「やっぱ 怒ってんじゃん。」
そりゃあ怒るよな、、、。
わかってるんだ…けど
今のオレには
「ごめんね?」
謝る事しかできない。
「ひょく…ずっとオレのそばにいてね?」
しがみついて来るドンへを ぎゅーっと抱きしめた。
ドンへを不安にしているんだって分かってる。
「ごめん…ドンへ」
不安にさせてごめんな?
でも…オレは
お前も…チェミンも守りたいんだ。
つづく