使いに出ていたチェミンから着信があった。
出るとあの鬼畜野郎からだった。
あれから 随分たっていたし、もう チェミンの事は忘れたんだろうと思って完全に油断していた。
いつかチェミンを助けたあの公園に来るように指示された。
呼び出すって事は仲間がいるはずだ。
公園に向かう途中で 靴下を脱いで石を詰め、ブラックジャックを作る。
公園の入り口から遠目で人数を確認した
5人か…
まあ5人なら10分もかからないだろう
道具もあるし…な。
「来たな。ほらチェミン、王子様の登場だ」
元カレがチェミンの肩をだいてニヤニヤしてオレを見る
「ふぇっ…ごめんっ…ヒョクチェ…」
「チェミンを放して貰っていいかな?」
言いながら目の前にいるヤツの腹にブラックジャックを叩き込み顔面を素手でぶん殴った。失神1
「この野郎っ」
って殴りかかってくるヤツの股間を蹴り上げ しゃがむ背中にブラックジャックを叩きつけた。失神2
そのまま3人目に頭突きをして股間を蹴り上げ悶絶する腹を蹴った。失神3
後ろに回り込んでいたヤツがオレを羽交い締めにすると元カレがオレの顔面を殴って来た。避けようと思えば避けれたけど、敢えて殴られてやる
眉尻が切れたらしい、血が目に入ってうぜえって思ってたら、血を見て興奮した元カレが近くにあった石を手にした。
「それで殴られたらマジでオレ死んじゃうんですけど~」
「なら 死ねよっ」
石を振り上げ 下ろす瞬間に身体をズラす
振り下ろされた石がオレを羽交い締めしていたヤツの顔面にヒット
そいつが崩れ落ちる。失神4
「あーあ。そんな石で殴るから こうなっちゃうよ…」
ジリジリと元カレに近づくと
「ひっ…」
後退りする元カレ
オレの顔…凄味あんだろうな 左の眉尻から血ィ出てるし
「お前…何だっけ?名前」
「っ!…」
「名前…何?」
「おっ…お前…何なんだよっ」
「名前っ!」
「ミっ ミンウ…」
「ミンウな。憶えとくわ」
股間を蹴り上げ 沈み込む腹を蹴った。
失神5
転がる男たちを跨いでチェミンの肩をだいてその場を離れた。
「大丈夫か?また 何か酷いこと…」
「されてない… さっきつかまって、すぐにヒョクチェに電話させられたから…」
泣きながら言って ハンカチを取り出しオレの左眉の傷に当てる
「ここからタクシーで帰れ、 家がバレてるか分かんねえけどドアに鍵をしっかりかけて部屋にいろ。いいな?」
「ヒョクチェは…?」
「オレは傷の手当てしてから帰るから…な?大丈夫だから」
「でも…ヒョクチェ…血が…r
「大丈夫だって、少ししか切れないように計算してたんだから。平気だよ」
ワザと殴らせたのは
流血を見て相手がダメージ与えた気になって油断するからだ。
だから1度は殴らせてやる。
それがオレのケンカ必勝法だ。
「とにかく タクシーに乗れ」
チェミンを説得してタクシーに押し込んだ。
「お前どうした?すげえツラだな~」
目尻から血を流したままGrand pleceに入って行くと客は引き、イェソヒョンには笑われた。
裏の事務所に連れて行かれ
「何人?」
「5人…」
「ほお~」
なんて言いながら 傷の手当てをしてくれる。
「ドンへは?」
「早番だから もう上がったよ 」
時計を見ると 七時過ぎだった。
ドンへに電話しなきゃ
心配してるだろうし
ー ひょく?どこ?
「イェソヒョンのとこだよ。お前は?」
ー ジムショにいるよ。ひょくが来るならオレ、もう少しいればよかった
「ごめん。もう少ししたら帰るから リョウギとキュヒョナは?」
ー ここに いるよ
「キュヒョナに代わって」
ー 所長?
「悪い Grand pleceにいるんだ。すぐ帰るけど オレが戻るまで ドンへと一緒にいてやって貰えっかな?」
ー チェミンさんがいないんだけど?
「今日はもう上がらせた」
キュヒョナのため息
ー 分かりました。
「キュヒョナはチェミンのことをヒョンとは呼ばないんだよね。リョウギはチェミンがバイト入ったら初日からチェミヒョンって呼ぶのに」
「ふふっ… 警戒してんだよ。キュヒョナはさ?ああ見えて義理人情に厚い 。あの子はお前とドンヘが大好きなんだよ。おまえたちに幸せでいて欲しいんだ。だからお前がチェミンくん?だっけ?その子に気を取られすぎてドンヘの事は放ったらかしになってるからそんな態度になっちまうんじゃない?」
「オレ…ドンヘを放ったらかしにしてる…?」
「リョウギとキュヒョナにはそう見えるんじゃない?まあ、ドンヘも思ってるだろうけど」
「ねえ…それって 悪い事?オレ…ドンへもチェミンも守りたいって思うのは悪い事かな?」
「悪くは無いんじゃない?守れんならさ。ちゃんと 2人を守ってやれんならな。」
「守れて…ない?」
「あのさ。ヒョクチェ… お前は 根本的な事を忘れてる。」
「な…に?」
「お前の思う《守る》ってどういう事だ?」
「… … … 」
「そばに置いて、ずっとお前が守って行くわけ?ドンヘもチェミンくんも?一生?」
「それは…」
「お前はさ?守るの意味を履き違えてるんだよ」
「意味?」
「お前はドンへが大切か?」
「大切だよ」
「チェミンくんの事は?ドンへと同じように、ドンへを大切だって思う気持ちと同じ気持ちで大切に思ってる?」
… 違う。ドンへを思う気持ちと チェミンを思う気持ちは…別物だ
「古くからの友人だっていうチェミンくんにも幸せになって貰いたいって思うのは当然だ。オレがお前の立場でもそう思うよ。けどさ、お前が一生側にいたいのは、一生守ってあげたいって思う人間は誰だ?ドンヘじゃないの?」
「… … うん…ドンヘだけ…」
「泣くな ガキ」
「うっ…くっ ひっ…く…泣いってなんかうぇっ…ぐっ ない」
「んふふっ びーびー泣いてんだろうが笑
まあ いい。なあ… ヒョクチェ?」
「う…なに?」
「俺ならな…?元を断つよ。自分がチェミンくんを守るなんて考えない。チェミンくんを不幸にしてるヤツに消えてもらう。」
そう言って イェソヒョンはにっこり微笑んだ。
つづく