「ヒョクチェ!ヒョクチェ!おきてっ!」


「ん…?」



ベッドにっつぷしたまま眠ってしまったらしい
顔を上げるとチェミンの慌てたような顔があった 



「どうした?まだ具合悪いか?」


「もう朝だよっ⁈ ドンヘくん心配して…」



えっ?うわっ‼︎ やべえっ‼︎



慌ててスマホを取り出す

あっちゃぁ〜…
ずっと電源切ったままだった

電源を入れると ドンへからの電話とlineの嵐

やべぇ マジ やべぇ

折り返そうと思った時、ドンヘから着信



ー うぇぇ~んっ…ひょくぅ ひょくっ



やっぱり泣いてる



「ごめんな?」


ー おっ…オレしんぱっ ばかぁ〜っ!なんで電話くれないの〜っ!?ひょくがシンパイで怖くてっシンパイで怖くて…」



同じ言葉を繰り返してる本当に心配で怖かったんだな、、、


「ほんっとに ごめんっ!昨夜からずっと徹夜で張り込みしてて 電源切ってたのも忘れてた…」



嘘がスラスラと出てくる



「すぐ帰るから…帰ったらいっぱい謝るから、本当にごめん!」



電話を切ると 



「ドンヘくん 泣いてた…よね? ホントにぼくのせいで…ごめんなさい…」



チェミンが申し訳なさそうに 顔を歪める
こいつも泣きそうだ。



「ああ。あいつ すぐ泣くんだよなあ」



大したことじゃないって感じで言いながら 早く帰ってやらなきゃってのがあって めちゃくちゃ慌ててたから
机の角やらベッドサイドやらに足とかぶつけたりしてアタフタしながら身支度を整えてホテルを出た。



「なんかあったらすぐにオレに言えよ?」



帰り道、チェミンにそう言った

出版社で待ち伏せするようなヤツだ
これからだって 何をしてくるかわかんねえから。





自宅に帰ると ドンへが飛びついてきた



「ひょくっ えぐっ…ぶぇぇっぐっ…」



一晩中泣いてたらしいドンへの顔がスゲえコトになっていた

ぎゅうっと抱きしめてやると 安心したのか そのまま気を失って眠ってしまった。


ドンへをベッドに寝かせ 


「本当にごめん」


寝顔に謝り
すぐにドンヘのバイト先、イェソヒョンに電話をして、バイトを休ませて欲しいとお願いをすると心よく承諾してくれた。


次は…キュヒョナに電話



ー 今何処ですか?


「家…」


ー ったく…昨夜は何処にいたんですか?


「ドンへから電話あった?」


ー 泣いてましたよ


「うん…スゲえ顔になってた」


ー 何て 言いました?


「徹夜で張り込み」


ー 合ってますね。おれもそう言っといた


「ありがと…」


ー まあ…浮気とかじゃ無いって分かってるし。突発的な事があったんだろうって思ったし… 


「うん…」


ー 浮気…じゃないんですよね?もしそうだったら、 おれだって許さないですよ?


「違うよ そんなんじゃない。あとで説明するから…」


ー 分かりました。でも 今回だけですよ?どんへちゃんが泣いてんの…おれだってキツイんだから


「うん…ホントごめんな」


ー 今日は?


「ドンへ今寝てて ドンへが起きた時に側にいてあげたいから…」


ー 分かりました。今日は休んでください。コッチはリョウギとあっ…エリザベスは?



うっ…まだだった…


エリザベスのことは二人に任すことにして

シャワーを浴び ドンへが眠っているベッドに滑り込んだ



「ひょ…く…」



ドンへが抱きついて来る



起きちゃったか?
顔を覗き込むとぐっすりと 眠っている

夢見てんの?オレの夢か?


オレも眠ろう。
ドンへを抱きしめて目を閉じた。

















つづく