ここは魔法の国

この魔法界一のイケメン王子様、どんへ王子も今年で10017歳そろそろ結婚相手を決めなければならないお年頃です。



「どんへやー お前も お年頃だ。そろそろ婚活をしに人間界へ行って来なさい」



王妃さまである母親にいわれました。



今年、どんへ王子は10017歳。人間界で言うと17歳でしたので、王子はお年頃真っ只中でありました。

どうして魔法人が人間界に婚活に行くのかというと、魔法界では魔法人と魔法人の婚姻は御法度になっているからなのです。
魔法人と魔法人が婚姻し、子をなした場合、魔法の威力が強すぎて世界は滅びてしまうと言い伝えられているからなのでした。


あくまでも【言い伝え】なので、マジで滅びるかは誰にも分かりませんでしたが 
魔法界ではそう信じられていたのです。

ですから、どんへのお母さんも 、お祖母さんも、
ひいお祖母さんも、ひいひいお祖母さんも、ひいひいひいお祖母さんも、ひいひいひいひいっ…ヒィィ〜っぐっほふっくっ苦しいっはひはひっ
と、兎に角!代々にわたり、年頃になった王子様は人間界に結婚相手を探しに行ってお婿さんを連れて帰らなければならないのでした。
魔法界の王様は全員婿養子なのです。

付け加えると、王様は♂もちろん王妃様も♂どんへ王子も♂です!



あ、申し遅れました。
ワタクシ、この物語の語り部でございます。

あっ!Bの方です。語り部Bですよ。
たぬきのお話の語り部Aとは違ってワタクシは真面目です。




「どんへ が一人で人間界に行くなんて、お父っちゃ 心配だなあ(´・n・`) 」



おっと、自己紹介をしている間に王様が登場していました。

王様である父親は心底心配そうに眉を下げるのでした



妃「あのさ?いつまでも甘やかしてるわけにはいかないんだよ?」


王「でも~ どんへは まだ10017歳なんだよ?」


妃「どんへは もう10017歳なの!どんへだってそろそろ何でも一人で出来るようにならないといけない年頃だよ?」



妻の王妃様にそう言われてしまうと 婿養子の王様は何も言えなくなるのでした。



「どんへはお母っちゃに似て強い子だもんな?1人で大丈夫だよな?」



王妃は ”お母っちゃに似て” とか言ってますが 誰の目から見ても どんへは ふにゃふにゃ婿養子の父親似でした。



「だいじょぶ!お父っちゃ、しんぱいしないで!オレ 1人で ちゃんと コンカツでけるもんっ」


「よしっ!よく言った! 頑張って来いっ お父っちゃもお母っちゃも どんへを見守ってるからな?」


「あい。お父っちゃ、お母っちゃ、どんへがんばってちまーす!」



ということ事で 
今日、どんへ王子様は【婚活】のため
人間界へと旅に出たのでした。

魔法界を出発して
魔界、幻魔界、霊界を旅して 
やっとこさ人間界に辿り着いたのです。


そして人間界に着いた途端



ヤカラA「おっ!ラッキーっ 金持ちそうな坊ちゃんがいるわ~」


ヤカラB「ボク?お兄さん達にお金ちょーだい」


ヤカラC「持ってるよね~?」



と、三人のヤカラに絡まれてしまいました。



《うわっ!カツアゲ?!コレが有名なカツアゲってヤツ?てか、なんちゅーブサイクでお下品でガサツなヤカラなんざんしょ!ちょっとぉ!シモベ!いるんでしょーー?オレ、カツアゲってなされてるよーー?ピンチだよーー!?》



どんへは心の中でいつも近くで護ってくれているシモベを呼びました。


ぼふぅ〜ん


と煙が出て
現れたシモベは、シモベ中のシモベ…

あ、失礼( ̄∇ ̄+)

シモベNo.七番のシウォンでした。



sw「こらっ!君たち!ワタシのどんへ王子に気安く絡むんぢゃない!!」



このようにシウォンはヤカラを叱りました。



「こらっ!!しおなっ!ワタシのどんへってゆーな!キモいぞ!」



このようにどんへはシウォンを叱りました。



ヤカラA「うわっ煙と共に 馬が出て来た!」
ヤカラB「マジ 煙と共に急に出てくんなよ!?」
ヤカラC「煙と共に出てくるから危うくチビるとこだったわ。てか王子って何?ウケるぅ~」


sw「ヤカラCだけセリフが多いぞ!て、そんな事より!えぇ~い ! 控えいっ!控えおろう!このお方をどなたと心得る!?」


「スケカクやってないで早くやっつけてよう
しおなー」


sw「承知!」



シウォンは重々しく頷いて三人のヤカラを睨みつけました。



sw「運が悪かったな?お前ら…」



シウォンはカッコ良くセリフを決めて指の骨をコキコキならすと、ヤカラに突っ込んで行きました。

バシ!ドカ!ゲシ!

なんと

シウォンは秒でボコボコにされてしまい、気を失ってしまったのでした。



「弱っ!」


《ざ、うどの大木!》




シモベNo.七番のシウォンのあまりの弱さに呆れながらどんへは倒れたウドの大木…では、なくてシウォンを眺めていました。



ヤカラA「ほらほら、 早くお金出さないと、このお馬さんみたいにボクちゃんのこともボコっちゃうぞ?」


ジリジリと三人のヤカラが近づいてきます。



《んもーっ!なんでシモベNo.七番がきたんだよう!この状況ならシモベNo.六番のそんみんひょんかシモベNo.四番のよんうんひょんに来てほしかったわー》




どんへは嘆きましたが、あとの祭りでした。

シモベNo.七番がボコられて失神中なのでね…
王子様?ここは 一人で切り抜けるしかないみたいですよ?



《そっか!うん、そーだよね!?魔法でちょーつおいオトコにヘーンシンだじぇいっ》



「えっとぉ~ ちょーっとまっててね?」



どんへは三人のヤカラに背を向けると、手鏡を取り出しました。
そして手鏡に向かって 呪文を唱え始めました。



てくてく、ややこん!てくてく、ややこん!つおい人になー…」



呪文の途中


ガスガス!
「ぴゃっんっぐ」
ドスドカ!
「ぐぉふっんへっ」
ゴンゲン!
「ぎゃひっきゅ」



という擬音が聞こえてきて
驚いた王子が振り向くと 三人のヤカラ(&シウォン)が道にゴロゴロと転がっていました。


あの擬音は三人のヤカラが殴られていた音だったみたいです



「大丈夫か?」


「ほふぇ?あーなーたっ!オレのコトたすけてくりたの?」


「だってお前、絡まれてる相手に無防備に背中向けてモゴモゴ独り言とか言ってっから」



それは独り言ではなく呪文なのですが



「モゴモゴだないよっ!てくてく


「てくてく?」


「あ、んとんと…たすけてくりて、ありあとーっ」


「いいけど。お前、この辺じゃ見ない顔だな」


「えとえと…」


「引っ越してきたの?」


「うんうん!」


「家どこ?」


「えとえと…」


「送ってってやろうか?」


「うんうん!」



どんへ王子はニコニコ顔でえとえと、うんうんを駆使しました。



「で?家は?」



自分の住む家など知らんどんへ王子ですから
えとえと、うんうん言うだけで、助けてくれたヒーローを見つめその場を動こうとしません。



「、、、えっと~」



ヒーローは困ったように苦笑いを浮かべます

その顔を見た途端、王子の心臓が跳ねました。

実はどんへ王子は 男性の【困った顔での苦笑い】ってのに滅法弱いのでした。


特に 目の前のヒーローの【困った顔での苦笑い】は今まで出会った誰よりも素敵な100点満点の【困った顔での苦笑い】でしたので


ずっきゅーんっ♡♡♡


 一発でハートを射抜かれてしまいました。

人間界にやってきたその日のうちに どんへ王子は あっさりと恋に落ちてしまったのです。



《婚活のために人間界に来たのに、ソッコーでウンメーのヒトに出逢えてしまったなんて、すっごいウンメーだ!こんなウンメーテキ出逢いなんてウンメーでしかないやんけ!このヒトはオレのウンメーのヒトであるので、オレのお婿しゃんは、このヒトに決定!オレはこのヒトをお婿しゃんとして魔法界につれてかえるんじゃーい!》




そう(勝手に)心に決めたのでした。














つづく