「もっ!きゅひょなのばかぁ~」




またかよ。

ったく…
こいつら くっついてっからケンカになっちゃうんだっての



「ドンへっ ほら こっちおいで」


「ひょっくぅ~



バタバタ走って来てオレの膝にちょこんと座り



「きゅひょなのばーか 」


「ドンへのあーほっ 」


「きゅひょなの でべそっ」


「ドンへの離れ目~!短足ぅ〜」



何じゃいっ その悪口の応酬はっ 小学生かっ



「きぃーっ ぐやじーっ!」



ドンへっ ハンカチ噛むなっ



「もうっ!おべんとをちょっとつまんだだけじゃんっ!ケチケチケチケチっ」


「ちょっと?唐揚げぜーんぶ食ったろ?」



また食いもんかよ…



「ヒョクチェ先生!ドンへくんがぁ~ おれの弁当を勝手に食っちゃったんですよう😤ドンへくんのこと叱ってくださーーい!」



キュヒョナがワザとガキ見たいに言ってオレのウデにしがみついてきた。



あれから随分たって、 ドンへに前のような笑顔が戻ってきていた。

けど ドンへが一人の休みの日は こんな風に オレの事務所に入り浸ってキュヒョナとケンカしたり、リョウギとお菓子作ったりして過ごしている。

オレがいる時はほぼオレの膝の上だったりするんだけどね。



そんで、今日はオレが外から戻って来たらキュヒョナとケンカしてたってわけ。



「こらこら…ドンへくん?人様のお弁当勝手につまんじゃいけませんよ」



オレいつから保育園の先生になったんだっけ?



「ひょくぅ~ ?オレもおべんとー食べたーい」



聞いちゃいねえ



「あ~… わかった。明日 弁当持たせてやるから」


「わーいっ!やったぁ約束だぞー?!」


「はいはい」



てか弁当作るのって どんくらい時間かかるんだろ… 。





『もう…大丈夫そうかな?』



ジョンスヒョンのクリニックを一人で訪ねて行った時、 優しい笑顔でそう言われた



『たぶん…本当にありがとうございました』


『お礼なんていらないんだよ。可愛い弟のお前たちのことをヒョンが守ってやるのは当たり前なんだよ。だから これからも 頼っていいし甘えていいんだ 。一人で背負い込まないこと。わかった?』


『うん…はいっ。』



ありがとう。



『ねえ…ジョンスヒョンは知ってる?』


『何を?』


『ミンウってヤツが今どうしてるのか… ヨンウンヒョンとイェソヒョンに聞いてももう心配ないって、キッツイお仕置きしといたからって言うだけでどんなお仕置きかは教えてくれないし』


『ミンウか…あいつは今 ヨンウンの知り合いのお店で働いてるらしいよ?彼にとっては かなり過酷でキツいお店かな… ?まあ、いずれにしろ もう二度と悪さは出来ないから安心して』


『…店って?』


『あのね。知らなくていい事ってのは 世の中にはいっぱいあるんだよ? コレはね その知らなくていい事の一つだ』


『…うん、わかった』



なんの店なのかスゴく気になったけど、知らない方がいいのかもしれない。それに この人達が 安心していいって言ってくれてるなら本当に大丈夫なんだって思った。






「ひょく~ ?あしたも おべんとーお願いするぞいっ」


「わかったよ…」



今日はアンパンマンのキャラ弁を作ってやった。


喜んだドンへからLineの嵐だった。

明日のキャラはなんにしようかな…
てか この弁当ブーム早く去って欲しいんだけど…



「あしたは んとんと…バイキンマン」



バイキンマンっ⁈ ムズいっ!

きゃっきゃしてるドンへを見たら



「はいはい かしこまりました」



って答えますよね。

お前の喜ぶ顔が見れるならバイキンマンでもラスカルでもキティちゃんでも頑張って作ってやる。


やっとオレの元に戻って来てくれた 
お前を 大事に大切にするから…。

もうどこにも行かないで…ずっとオレの側で笑っていてよ 


ドンへ




















おわり