いい動きが身につくと追風参考記録にびっくりします | 中讃ミドルクラブログ

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陸上は楽しくありたい!が原則で,それでも本気で世界一のアスリート育成を目指す,うどん県骨付鶏市を拠点に活動中!陸上クラブの日常を書き綴ります。

このタイトルの意味がわかりますか?
私が常に言っている「いい動き」ができるようになると速くなることはもちろんですが,追い風が強く吹いているときには,びっくりするようなスピードが出るということです。
そのわけを今から説明しましょう。

みなさんは下り坂で全力で走ったことがありますか?
最近は車が多いので,危険ですからそうした経験も少なくなってきたかもしれませんね。
私の子供の頃は,そうしたことができる場所も割とあったので,そんな坂道で走ったり自転車に乗ったりしました。
そんな中で不思議だったのは,自転車だとどこまでも速く走れるのにランニングだとある程度以上のスピードを出すと,転倒しそうでそれ以上速く走れないということでした。
要するに脚の回転が間に合わないわけです。
その頃はそんなものだと深く考えませんでしたが,後年になって「どうすればより速く走れるか」ということを追求し始めるとそのときの体験が役に立ちました。

それは「走る速さは脚を前に引き戻す速さで決まる」ということです。
脚の引き戻しが間に合わないと転倒してしまうからです。
これは大切なことなので繰り返します。

 「脚の引き戻し速度=出せる最高速度」

ところが,私は,スピードはエンジンのパワーで決まると信じてひたすら筋力アップに励みました。
また,後半の減速を防ぐためには,スピード持久力を高めなければならないと考えて,これまたひたすら走り込みをしました。
ところが,この考えは,ある面では正しいのですが,完全な正解ではありません。
というのは,パワーもないよりはあった方がいいし,走り込みによってある程度は減速を防ぐことはできます。
しかし,それよりももっと大切なことがあるのを見落としていました。
それが「前さばき」でした。
というのは,私は,それまでフォームはそんなに重要ではないと思っていたからです。
東京オリンピックのボブ・ヘイズ(何度も出てきましたね)や十秒の壁を破ったハインズ,グリーン選手らアメリカの黒人選手のフォームは,その頃言われていた理想的なフォームとは全然違っていたからです。
パワー信仰と同様にフォーム軽視信仰はその後長い間私を呪縛しました。

今では,もうそうした呪縛は完全に解けています。
解けているどころか,今度は「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」の例え通り,パワーを必要以上に軽視してきたことはみなさんがよく知っている通りです。

閑話休題。
さて,そういうことで,大切なのは「いかに素早く脚を前に引き戻すか」ということです。
人間は動物と違って二本脚ですから,前脚で着地して後ろ脚で蹴るという分業ができません。
二本の脚をうまく使って前に出さなければならないし,地面を蹴らなくてはならないのです。
そうなると一端スピードに乗った後は,もう蹴ってもスピードは上がりませんから,今度はそのスピードを維持するために,いかに素早く前に脚を引き戻すかが重要になってきます。
ということは地面を蹴ってはいけないのです。
特に蹴り上げるのは厳禁です。
脚はひたすら「前に前に」ということです。
そうした動きを身につけてもらおうとしているのがジョグであり,ラダー練習であり,全力を出さないノルマ走やリフトアップ走なのです。

ですからジョグやラダーを準備運動などと軽く見てはいけません。
これらもまた,正しいフォームを身につけるための大切な練習なのです。

続きは次回。
では,また!!