中学生にとっての大きな目標である通信陸上大会とは?② | 中讃ミドルクラブログ

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陸上は楽しくありたい!が原則で,それでも本気で世界一のアスリート育成を目指す,うどん県骨付鶏市を拠点に活動中!陸上クラブの日常を書き綴ります。

本日も続けましょう。

全国大会の開催決定と同時に,放送陸上のように同じ日に行っていたのでは,ある地方は台風などで大会そのものもできない場合があったり,その県の都合もあるということで,日時は変えても構わないことになりました。
ただし,記録を持ち寄って順位をつけるというやり方は同じです。
そこで大会名も「放送」から「通信」へと変わったわけです。

そして,昔はこの「通信大会」が「県総体」を兼ねていました。
ですから中学生の目標は「通信大会」だったのです。(この頃がけんさくの弟子の時代です。ちなみにその頃も標準記録制度でした。)
そのうち全国大会への出場規定が「標準記録制度」になるのに伴い,少しでもたくさんの中学生にチャンスを与えるため,そのための指定大会が各都道府県に2回与えられるようになり,それが香川県では「通信大会」と「県総体」になったわけです。
ですからもとは同じ大会だったのが,全国大会の予選のために分かれたわけです。
しかも,その上に,もっとたくさんの中学生に全国大会に出てもらいたいということで,香川県では,数年前から本来1日で行っていた通信大会を2日に分けました。(けんさくの弟子がM中学やO中学の顧問の頃は通信大会は1日で行っていました。)
これで多種目に出ても,疲れ果てることなく,最高のコンディションで臨むことができるようになりました。
わかりますね。
例えば100mに出る人は普通200mも速いし,もちろんリレーにも出ますから,1日のうちに多い人は5回もレースに出なければなりません。
しかも標準記録がありますから手を抜けません。
ですから以前は速くても棄権することがよくありました。
これが2日に分けられたら,ずいぶん楽になります。
200mで標準が突破できなくても100mでもう一度気持ちを入れ替えて挑戦できるということです。
その上,香川県では,予選の最終組に速い選手を集めていますから,2回決勝のつもりで走れるようになっています。(これについては,強い選手と一緒に走ると速くなる人と緊張してかたくなる人がいますから,一概にいいとは言えませんが,みなさんのために配慮してくれていることです。他の県ではないことです)

このように香川県では,選手のために多くのチャンスを作って,みなさんがいい記録を出せるように考えてくれているのです
その裏方さんたちの思いをよく知って新記録に挑んで欲しいと思います。
陸上競技は個人競技だとよく言われますが,そんなことはありません
確かに球技のように試合そのものをチームワークで行うことはあまりありません。(それでもリレーや駅伝はチームワークのものでしょう)
でもだからこそ仲間の存在が大きな力になるのです。

考えてみてください。
例えば野球の試合では,ピッチャーがものすごく優秀なチームの場合,自分が仮にライトを守っていたとしましょう。
試合中1回もボールが飛んでこないこともあり得ます。
昔,高校野球で,作新学院の江川投手(元巨人投手で現野球解説者)は怪物と呼ばれるくらいの剛速球投手だったので,地区予選は,自分がホームランを打って点を取り,守ってはパーフェクトに押さえて勝つという試合がいくつもありました。
ちなみにこの江川選手は,甲子園でも3試合を一人で投げて奪三振60個というとんでもない記録を作りました。
3試合と言えばアウトの数は全部で27個です。
そのうち20個が三振ですから考えられないでしょう。
それも甲子園ですよ。
どのチームも地区予選を勝ち抜いてきた強豪チームです。
信じられませんね。
でも残念ながら優勝はできませんでした。
というのは,相手のチームがどうせ打てないのだからとバント作戦に切り替えてきてゆさぶり,結局押し出しのフォアボールで負けてしまいました。
球技ではこういったことがあります。
ですから自分が力を出さなくても勝てることがあるのです。

でも,一人で全てのプレッシャーを背負わなければいけない陸上競技は違います。
だからこそ,仲間の応援が千人力にも感じて力が湧いてくるのです
では,ともに汗を流してきた仲間たちをしっかり応援してください。

明日に続きます。