1月4日(金)
母校の国学院大学、初出場から18年、往路では8年前に6位に入ったことがありましたが、総合では、その年を含めて10位でシード権を得たのが2回しかなく、とても強豪校に太刀打ちできる結果は残していませんでした。
「でも、今年はちょっと事情が違うぞ」という予感と期待があったのです。
昨年、1区で区間2位の快走を見せ、一躍エースに名乗りを上げた2年生の浦野雄平君、3年になった4月の世界クロカンで6位入賞。伊勢の駅伝でも2区で16人抜きの実力を見せてくれました。
そして、浦野君と同学年で、昨年4区で区間3位も区間新のタイムを樹立し、今年3年生ながら主将を務める土方英和君。彼はどんなレースでも確実に好タイムをはじき出し、まず、はずすことのない堅実さが身上のランナーです。
さらに、5000m13分54秒という大学内記録ホルダーの青木祐人君もいます。彼も今年3年生で、昨年3区で区間5位の走りを見せました。
この3年生トリオをうまく配置すれば、見せ場は往路だけになるかもしれないが、青学には敵わないとしても、東洋・東海とは互角のレースができるのではないかという密かな期待を抱いていました。
もちろん、チームのことは監督がいちばんわかっているのですから、外野がとやかく言ってもはじまりませんが、過去二回シードを獲得した年は、それぞれ、エース格の仁科君と寺田君の山上り5区での快走によるものでした。そんなことを踏まえて、花の2区はキャプテンの土方君で粘ってもらって、起伏の激しいクロカンレースで実績のあるエース浦野君を、なんとしても5区に起用してほしいと願いながら、もしそうなったら、2日は箱根まで行くぞと決めていました。
果たして、2区の土方君が区間7位、3区の青木君が区間6位の好走で繋ぎ、あとは、私が描いていた通り、山上りにエントリーされた浦野君が圧倒的な区間新記録を樹立、往路3位という、まあ「期待どおりの結果」と相成りました。
「期待以上」と言わなかったのは、敵わないと思っていた青学が4・5区で沈んだのに、そして、チームとしては思惑どおりに行ったのに、それでも、東洋・東海の後塵を拝するという現実。「昨今のレベルすご過ぎ」と言ってみても、やっぱりトップに立てなかった悔しさが拭えないからなのですが。
勝敗はタイムで決まります。でも、チーム一丸という観点から見ると、実は、各区間で大きく崩れないことが重要なのです。5区に実力あるランナーを置いていれば、特に1区と2区。
1区は、よほど抜きんでた選手がいない限り、独走にはなりにくい。順位は関係なく、最後に躍り出た先頭の選手とのタイム差が問題なのです。悪くても1分以内、できれば30秒以内。
今年の1区は1年生の藤木君ということで、かなり心配していました。でも、区間10位ながら22秒差で2区土方君に渡してくれました。
2区は、はじめから太刀打ちできない留学生ランナーもいて、区間上位で走るのは至難です。いずれにせよ先頭から離されてしまうのは覚悟の上、要はどれだけ粘れるかということです。この区間は1時間6分台を出せば超一流。過去の日本人選手では早稲田の渡辺康幸と順天堂の三代直樹、東海大の村澤明伸の三人しかいなくて、今年、順天堂の塩尻選手が新たに仲間入りをしました。ということは、優勝候補の大学に留学生ランナーが見当たらない以上、1時間8分前後で走れれば、まあ、そんなに心配することはないのです。
去年の国学院はここでエースが力を発揮できず、1時間11分台で沈みました。しかし今年の土方君、期待通りの1時間7分53秒。やはり彼ははずしません。文句なしの快走です。区間順位は7位も4人抜いて6位に。
続く3区の青木君、一時は2位に並ぶところまで激走してくれましたが、結果、区間順位6位で5位に。
4区は伊勢の6区で8位だった茂原君。やや力は劣るといっても、10000mの持ちタイム29分27秒ですから、一時代前なら遜色ないタイムの選手なのですが、現実にはどこまで辛抱できるかとハラハラしていました。結果、区間順位は14位でしたが、後続の帝京一校に抜かれただけで、なんとか6位で襷を浦野君に渡してくれました。
そして、韋駄天浦野君がご登場の5区となるわけですが、
実は、この日の応援、1・2・5区の3ヶ所でと思っていました。ただ、昨今、駅伝観戦の人気は過熱してますから、箱根に入るには2区の横浜駅辺りがぎりぎりで、その先まで追いかけると、小田原で湯本行きの電車に乗れないのです。
ロマンスカーに乗れば直接湯本へ行けますが、駅伝の時は小田原駅からの一駅乗車はできなくなります。そこで、新宿から席を押さえて町田から乗る手もあると、暮れのうちに空席を調べたのですが、2日昼前の席はありませんでした。やはり、早めに小田原へ行くしかないのです。
2区の土方君も応援したいけれど、どうしようかなと悩みながら電車を下りたのは、京急の青物横丁駅。
駅を出ると、目の前が
コースの国道15号

ややスローペースか、8時29分、
先頭集団の一団が

次は横浜駅がいいのですが、コースは駅の向こう側で地下道を走ることになります。一つ先の戸部駅ならコース側ですが、いずれにしても人込みの中での観戦になります。それに、もし小田原駅で足止めを食らったら元も子もないと、2区をあきらめる決断をしました。
品川駅へ戻り、特急踊り子号に乗って10時ちょっと過ぎに小田原駅に。
湯本行き電車のホーム。
この時間にしてこの行列

登山電車も満員でしたが、なんとか、11時半に
宮ノ下温泉に

先頭が来るまでまだ1時間もありますが、とにかくこれで、浦野君の応援ができることに。あとはカーブの見通しが良く、人の少ない所があればと、大平台方向へ向かって、てくてくと下って行きました。
トップ東洋田中龍誠君、
2位東海西田壮志君


3位駒沢伊東颯太君。そして、4~50m後方に
「来た、浦野」
「ウラノ!いいぞ、たのんだぞ」と叫んでいる、その間もなく行ってしまいました。なにしろ、区間新ペースですから、カメラを向ける余裕なんぞありません。
この後、小涌谷の先辺りで駒沢の伊東君も抜いて3位に浮上したらしく、そのまま区間1時間10分54秒の新記録でゴール。
ラジオでは、昨年1時間11分44秒の新記録を出した法政の青木涼真君の走りに熱狂気味で、時たま「〇〇地点では、コクガクインのウラノがホウセイのアオキリョウマを〇〇秒上回っていて、このウラノユウヘイもなかなかの選手です」という声が聞こえていました。
ところで、この5区の山上り、小田原中継所がういろう本舗の前に移ったり、風祭の鈴廣の前に戻ったり、函嶺洞門が通行止めになってバイパスで迂回したりと、コース変更が重なり、区間記録がいくつも残っていて、今回の浦野君の記録がどのくらいなのかはなかなか難しい。
そこで、記録を並べると、
20.6㎞時代 1時間11分59秒 木下(金)哲彦 早稲田
20.7㎞時代 1時間10分27秒 小林 雅幸 早稲田
20.9㎞時代 1時間09分12秒 今井 正人 順天堂
23.4㎞時代 1時間16分39秒 柏原 竜二 東 洋
23.2㎞時代 1時間16分15秒 神野 大地 青山学
20.8㎞現行 1時間10分54秒 浦野 雄平 国学院
となって、やっぱり同じような距離では、「初代山の神」とも言われる今井君の記録は驚異的で、柏原君も神野君もさすが「山の神」の称号にふさわしい数字です。
まあ、浦野君は人間でいいので、ぜひ来年も三強を脅かす走りを見せてほしいものです。
箱根路に初夢叶ふ区間新 弁人
さて、往路3位という躍進を見せた国学院ですが、選手層ではとてもとても三強には及びません。復路で青学に交わされるのは覚悟の上、駒沢もすぐ後ろにいます。最終的にはシード権の10位以内に残ればいいのですが、果たしてどこまで辛抱できるか、現実には5・6位でゴールできれば上出来というところなのです。
だいたい、今の強豪校だって、強くなる前は、「往路で突っ走って復路で粘る」という時期を経て来ているんですから仕方ありません。
ということで、3日の復路は9区の新子安とゴールの大手町に行ってみました。
何年か前まで、横浜駅は混んでいても、神奈川新町や新子安辺りは応援しやすかったのですが、今はもう幾重もの人垣です。
「長谷(ハセー)、ラストー!」
(押されたぁ、ピンボケ)

大手町は
コースに近寄るのも難しそう

それでも頑張って、なんとか前のほうに。7位で来ました。
まあまあでしょう

復路の5人の区間順位は、それぞれ、13・12・12・12・13位で、「金太郎飴みたい」と言われそうな、なんとも安定した順位。でも、駅伝は、こういう誰もブレーキにならない走力が欠かせないのです。
簡単な報告会

前田監督からも土方主将からも「もっと上を目指したい」という気持ちが伝わってきました。
それには、主力を一人二人復路に回しても、往路で上位に入る力をつけなければなりません。これから1年間、そういう布陣を目指して頑張ってくれるはずです。
歳時記に「箱根駅伝」加へたし 弁人