こんばんは、押田です。
11月2日(水)、3日(祝)、中央園芸において、杜の園芸(講師 矢野 智徳)主催の大地の再生講座が行われました。
参加者は2日は60数名、3日も50名以上が関東を中心に東北~関西方面までたくさんの方々に参加していただきました。
また、杜の園芸、中央園芸、食事担当のつぶつぶマザーなどスタッフを合わせると1日80名近い大人数での講座となりました。
当日は天候にも恵まれ、事故もなく無事に講座を終えることができました。
ご協力いただきました皆様ありがとうございました。
遅くなりましたが、報告させていただきます。
今回、講座の内容は色々と考えてはいましたが、まずは座学の後、矢野さんにひと通り弊社の圃場を見てもらうことにしました。
圃場の中で矢野さんの目に留まったのが、剪定枝のストック場です。
弊社では、剪定した枝葉は、ここにストックして、堆肥にしたり、水脈改善で使用しています。
「この枝葉の置き方、積み方に何か問題がありますか?」
と矢野さんに尋ねたところ、矢野さんはニヤリと笑い、
「大いにありますね~」。
正直僕も気になっていたところでしたが、
結局、「ここを改善しよう!」ということになりました。
午後一番の作業は、予定外に枝葉ストック場の改善ということになりました。
重機も弊社所有のユンボ、全4台を駆使して、水脈の溝を掘ったり、置き場の中に道を作ったり・・・
参加者も置き場周辺の木々の下枝を払い、風を通す作業に取り掛かりました。
今回、初めて参加される方もたくさんいらっしゃいましたが、造園関係者が20名くらい、大地の再生講座の常連の方も多数いらっしゃいましたので、手取り足取り、手分けをしながら皆で協力しての作業となりました。
いきなり繰り広げられる大勢の「結い作業」の光景に、自分自身でもびっくりでした。
まさか、ここを改善するとは!
数時間後、ストック場の中に2本の風の道が通りました。
周囲の木々の下枝も払い、風が吹き抜けるようになりました。
今まで、この置き場周辺は、枝葉が腐植する匂いがありました。
逆に、それを隠そうと木々を生い茂らせていました。
風が抜けない鬱蒼とした置き場から、風を通すことでいつの間にか腐植した匂いはなくなっていました。
心地よい置き場に変わったのに、一番驚いたのはたぶん僕だと思います・・・。
今回実施した作業を簡単に紹介します。
圃場にある資材の片づけ。
散乱している資材をみんなで片付けました。
資材を置きながらも、風道を確保することがポイントでした。
それから、水はけの悪い圃場の改善。
やはり、圃場の端から端を横断する水脈を通しました。
水脈は途中で止めないこと、最後まで通すことがポイントでした。
先程のストック場から枝葉を運び、この水脈に使用しました。
溝や穴を掘り、枝や竹、炭を入れる。
弊社は竹もかなりのストックがあります。すべてお客さんのところから片付けたもの。
他ではお金をかけて処分するようなものですが、環境改善資材としてすべて有効に利用できます。
水脈整備が終わると、グランドカバーです。
今度は細かい枝葉の部分を使用します。
土埃のたっていた道に仕上げ材として落ち葉を敷いていきます。
仕上げの作業は、何とも気持ちの良い作業です。
それから、2日目の午後には、芝生の駐車場の施工も行いました。
この場所は、既存の地盤が安定しているということで、このRC砕石は漉き取ることなく、このまま残すことになりました。
外周に水脈を通し、既存の地盤の上に砂と炭を混ぜ、排水層をつくり、芝生を張ります。
地形は緩やかな、かまぼこ状に。
次に、杉丸太を使った丸太小屋づくり。
土に埋める部分は、バーナーで焼き、防腐効果を高めます。
穴を掘り、柱を立てます。
この小屋の外周りにも、溝を掘り、水脈をとりました。
植栽地周辺だけでなく、建物周りもすべて水脈は必要なのだという事を、今回改めて勉強させていただきました。
2日目の午後は、芝生の駐車場の施工と、小屋づくり、水脈づくりと同時進行となりました。
参加者による手際のよい作業のため、短時間でしたが丸太小屋がだんだん出来上がっていきました。
また、今回の食事を担当してくれたのは、つぶつぶマザーの坂野純子さんです。
軽トラの荷台にガス台を置き、大鍋はここで調理をしていただきました。
食事会場は、中央園芸の温室です。
段ボールを敷いた上にブルーシートを敷き、テーブルを置き、座布団を敷き・・。
温室が食事会場に変身しました。
料理の説明をする、坂野さんです。
講座の合間、楽しみな昼食時間。
大人数での食事の準備は大変だったと思います。
他のつぶつぶマザーさんにも手伝っていただきました。
雑穀と旬の野菜を使った、体に良い、おいしい料理が並びました。
これを毎日食べていれば、本当に健康になる!そう確信するおいしい料理でした。
作業が終わると、大地の再生講座恒例のまとめ(シェア会)。
夕暮れも早く、17時を過ぎるとすっかり暗くなってなっていました。
1日だけの参加の方もいらっしゃいましたので、即興で風の草刈りと風の剪定の説明を矢野さんにしていただきました。
続けて、宿泊者の夜の夕食&懇親会。
宿泊者も40名近く。
中央園芸の民家と、近所の諏訪神社 社務所を借りて、泊まっていただきました。
懇親会は、夜遅くまで盛り上がりました!
この時、「大地の再生、関東甲信越支部」が誕生しました!
関東近隣の人達がお互いに連携して、自然を再生させていきたい、
そんな思いがようやく形になりました。
関東甲信越支部立ち上げ記念の懇親会の案内↓ 11月23日(祝)山梨県大月市にて
懇親会では、たくさんの差し入れもいただき、本当にありがとうございました。
しかしながら、翌朝の酒の空き瓶の多さにびっくりでした・・・
みなさん本当に良く飲まれました!
2日目も色々と予定の変更がありましたが、作業も終盤、各作業のまとめに入ります。
矢野さんが、芝生の感触を確かめます。
「とても良い感触だ」と、合格点をもらいました。
こちらは丸太小屋。
2時間足らずでここまでできました。さすがに結の作業です!
そして、2日目最後のまとめ(シェア会)。
本当は、ここを早めに切り上げて、エドヒガンザクラを見に行く予定でした。
しかし、「みんなの感想が聞きたい」という矢野さんの意見もあり、(僕自身も、ゆっくり聞きたかったです)、ひとりひとり講座の感想をお話しいただきました。
2日間の講座が終わりました。
初めての方もプロの方もみんなで一緒になって結の作業を経験し、
様々な思いを抱えながらのシェア会。
この時、何とも言えない温かく、穏やかな空気感を感じることができました。
参加して良かった・・・
とても勉強になった・・・
新しい視点を持つことができた・・・
開催してくれて、ありがとう・・・
またやってほしいです・・・
名残惜しさと、充実感の中、ひとりひとりの言葉に全員が耳を傾けます。
僕自身、開催して本当に良かった!と思える瞬間でした。
予定通り作業もできなかったかもしれません。
人数も多すぎたかもしれません。
でもすべて予定通り、順調に行かないのが、実際の現場での作業。
そんな中でも臨機応変に対応し、良い流れをつくっていければ・・・。
そして、締め切りや定員を設けなかった今回の講座。
「行きたい!」と思った人の気持を何とか受け入れてあげたかった・・・。
運営のことは、こちらが悩んでいいアイデアを出せばいい。
結局、2日目の午前11時に連絡があり、午後から参加した方もいらっしゃいました。
最後は、記念撮影。
新婚の藤本さんには、のこぎり鎌と移植ごてをプレゼントしました。
参加していただいたみなさん、そして協力してくれたスタッフのみなさん、本当にありがとうございました。
素晴らしいご縁に感謝です!
そして、このご縁、この学び、続けていきたいと心から思いました。
一夜明け・・・
翌朝、しっとりと朝露を浴びた、圃場の道。
埃っぽい圃場が、とても自然で優しく穏やかな風景に変わりました。
水脈を通した道の上の落ち葉は、大地が呼吸をするため、不思議と落ち葉は飛びません。
昨日みんなで作業をした光景が思い出されます。
今回予定していましたが、出来なかった内容もありました。
エドヒガンザクラの見立て講座も時間の都合上、できませんでした。
現場の経過はどうなったのか、また見直し等を含め、
大地の再生講座、また必ず開催したいと思います!
今年もあとわずか、年末の忙しい時期ではありますが、
12月中に1日のみの講座が開催できれば、と思っております。
日程や内容はまだ未定です(おそらく、急に決まります!)。
また、次回の開催でお会いできること、楽しみにしております。
必ずやります!
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