映画『未来の食卓』


ずっとずっと観たかった、『未来の食卓』、
ようやく観てきました!

南フランスの小さな村。
その村の村長さんが始めた試みは、
給食をすべてオーガニックにするということ。


その小さな小さな試みがたくさんの人を少しずつ変えていく
そんなドキュメンタリー。


この映画を撮影するに当たって、
監督は1年間この村に通いつめたそう。

その1年間。
たった1年間なのに、たくさんの変化が見えてきます。


子どもたちが家庭で
「オーガニックにして。食べ物も、洗剤も。」
といいます。

大人は、いいます。
「オーガニックは高いけれど、余計なものを
買わなくなったから、あまり消費は変わらないわね。」と。


それまでオーガニックに懐疑的だった親も
少しずつよさに目覚めていきます。

そもそもその村は、60パーセント以上が
所得税免除の、いわば低所得者層たちが多い地域。

そんな地域の住民たちが、オーガニックの生活に
どんどん変化していくのです。


こうして広がった親への変化は、
やがて地域に広がっていきます。

学校給食や、高齢者への食事に使うオーガニック野菜が
足りない。

そんなときに村長が開催した、一般農家と有機農家の
話し合いの場。

「有機農家の取り扱い量は一般農家と比べて圧倒的に低い。
有機農家だけになったら、世界中の食料が
足りなくなっちゃうよ」

「有機にするんだったら、ぶどうのカビはどうするんだ?」

そんな声だって一般農家からあがるのは
予想できるけれど。


国連の報告によると、
全世界の耕作地を有機にしても全人類をまかなえる。

有機にすると、カビはもはや問題じゃなくて、
むしろ虫のほうが問題なんだ。


そんな、対話によって、少しずつオーガニックの理解が
進んでいきます。


映画では、
農薬の深刻な被害も伝えていきます。

ガンの発生率の急激な増加。
農薬を扱う農家の体調変化。

みているだけでこわくなるような
そんな事実が数値をもって迫ってきます。



でも、そんな数字の事実もとても衝撃だけど、
私には。

「学校給食をオーガニックにする」

そんな小さな試みが、
人の行動を変え、
小さなコミュニティを変え、
やがて大きなコミュニティに変わっていく。

そんな出来事がとても印象的でした。



私がちょうど6年前に出逢ったヴィーガンの友人のセリフ。
「私ね、買うことは『支持すること』だと思うの」

私にとって忘れられないセリフとなりました。

彼女は、何かを買うときに、本当に時間をかけて買う。
裏面の成分表示をみながら、彼と話し合いながら買う。

「オーガニックの製品を買うことは、
それを支持します、ということ。
その支持が重なれば、農家への応援者が増える。
それがオーガニックの浸透に絶対役立つはずだから。」

と。

それから6年。
私もオーガニックを買い続けています。
オーガニックが、これだけ身近になっていて。

これから、社会はもっともっと変わっていくと思う。


村長さんは言っていました。
「費用がかかるとか、そういう問題じゃないんだ。
健康はお金以上の価値がある。
まずはやってみること。それから結果がついてくる。」

実際に、その村は今、給食費の上限撤廃が
国から認められている。
国による事実上の、オーガニック化の支援といえると思う。



映画の最後の演説が印象的でした。
「ヨーロッパの農家にかけている補助金92億ユーロを
すべて学校給食のオーガニック化にまわす。

そうすれば、1人あたり3ユーロの給食費の予算が上がる。
通常の予算の2倍以上だ。
そうすれば、オーガニックになることは実現可能になるのだ。」
(とか、そんな感じだったと思う。
 もっと説得力のある表現だったけど。)

ただただ「オーガニックにしよう」じゃなくて、
具体的提案になっていて、それが妙に現実的な数値で。

きっと、ムーブメントが大きくなれば
実現できるのだと、信じたい。
しなくてはいけないことなんだと思う。

未来の子どもたちのために。


『未来の食卓』予告編


10月いっぱいはやってるみたいです。
いろんな人に観てほしいな。