ワクチン三回目打って3日経つけど、
副反応ほとんどなかったのびっくり。
ちなみにファイザーファイザーモデルナです。
1回目と2回目は熱が出て多少寝込んだのだけども、
覚悟して臨んだ3回目はほとんど無傷の謎よ…。
会社には休み届け出すわ、旦那は在宅勤務にしてもらうわ、子供のお預けは延長するわの最大防衛策で臨んだのだが、
ほぼ無傷だったので昼休憩の旦那とラーメン食べに行ってきた。思わぬ棚ぼたデートでラッキー。
来月はGW休みもあるし、
子供が学校の日に2回もデートできちゃうな~(*´ω`*)
充実してんな~(*´ω`*)
(鬱陶しくてすみません)
で、ワクチン休暇を取っていたので、
久々に文庫本を買っておいて一気読みした。
と言っても熱がある想定なので、重いのとか怖いのとかは読まない。有川浩一択である。
基本前向きハッピーエンドに終わるし、わかりやすいし、いつもラブコメ要素が入っててちょいキュンするので、落ち込んだときに読むのにピッタリだと思う。
すでに持っているのは図書館戦争とか自衛隊三部作とか、がっつり防衛関連の小説なので、
それ以外の図書館で借りて一回読んだことのある程度の本をがっつり大人買いしてましてん。
漫画以外の大人買いは久々やな…笑
・阪急電車
・フリーター、家を買う
・旅猫レポート
・県庁おもてなし課
・三匹のおっさん
・三匹のおっさん、ふたたび
・ヒア・カムズ・ザ・サン
とりあえずこんなとこ。
そして今日までで全部読んだ。
我ながら3日で文庫本7冊消費はちょっとコスパが悪すぎると思うが楽しかったのでいいことにする。
基本全部楽しく読んだけど、
「フリーター、家を買う」だけはちょっと辛かった。
これは実は原作を読んだことがなく、二宮君主演のドラマを見ただけだったのだが、
母親の鬱の描写がだいぶつらい。
もちろん最後はお決まりハッピーエンドだしスッキリするのだが、
この母親の鬱描写が、自分の親の鬱の時と完璧と言っていいほど重なっていて、
ちゃんと取材を重ねたのだなと分かると同時に、
うちの親がいかに当時追い詰められ続けてきたのかがはっきりと分かってしまうのだ。
母が重度の鬱になったのは、間違いなく私がJWを抜けたのがきっかけである。
姉が抜け、兄が抜け、頼みの綱の末っ子の私が抜け、
おまけに抜けたあとの私が出産後入院してしまい、孫の面倒を昼夜問わず見て体力の限界が来てしまい、
そこに「そろそろ娘さんと距離をおいたほうが」との主催長老からのおせっかいが入り、
ついでにずっと歯医者嫌いで放置していた虫歯が悪化して眠れなくなってしまい(これは私は関係ない)
怒涛のように母の精神がタコ殴りにされた結果、発症したのである。
まず、「見張られている」と言う妄想が始まり。
(とは言え住んでいた住宅の向かいの棟に長老が住んでいたので、あながち見張られていると言っても過言ではない)
家事ができなくなり。
激痩せしてしまい。
ついには徘徊が始まって、夜中にもふらっと出ていって、警察に保護されるような事もあった。
私はその頃もうJWにはいなかったので、
会衆の皆が何をしてくれたのかは詳細は知らない。
良かったことといえばひとまずそっとしておいてくれたこと、
家事ができなくなった母のために、差し入れを持ってきてくれていたことくらいだろうか。
でも、なんだかんだいって父と、そして姉、私、兄の順に、金銭的にも物理的にも、ほぼすべての面倒を見なくてはならなかった。
JW組織とはそういうもんだと思ってはいたけど、
なんだ、結局病気になったら頼るのは家族じゃないか、
そもそも母の鬱は長老がタイミング悪くいらんこと言ったせいでもあるだろうに…、と、
やっぱり恨めしい気持ちになったことは覚えている。
私が入院してしまって負担をかけたことはもちろんあるので、そこを申し訳なく思う気持ちはあったけれども、
単に孫の面倒を見るのに何をそこまで気を使わなくてはいけないのか、と言うくらい、可哀想なくらいに母はずっと会衆の人たち(と言うか長老団)に気を使っていた。
会衆の中にはいろんなことに無頓着で気のつかない人はいっぱいいる。
ぶっちゃけ父はその類の人だし、
助言してきた主催監督の奥さんは自分を棚に上げた天然意地悪がとってもお上手だし、
何を助言されようが我が道を行くおばあちゃん姉妹とか、
空気を読まずにバンド活動してた私とか笑、
そういう人は鬱にはならない。
人の傷に気がついて気を使って愛を示して援助して、っていう細やかさのある人に限って病んでいく。
私の友人は、ちょうど援助する立場にある年齢だったけど、
「いろんなことに気づいてしまうと自分がしんどくてやっていけないから、あえて鈍感でいるようにしている」とまで言っていた。
JWの「励まし」は、鈍感な人を基準に作られているのだと思う。
同じことをアメリカで言ったとしても、アメリカではそこまで開拓至上主義ではないし、いろんな生き方の人がいたように、
日本のJWへの助言は少し、一般的な日本人にとっては鋭すぎるのだと思う。
たぶん、父のようなマイペースで鈍感な人にとってはちょうどいいのだろう。
母が悪意を持って意地悪されていた、というわけではないと思う。
でも、母は真面目にJWの教えを受け止めすぎてしまって、
「フリーター、家を買う」のお母さんがご近所から総出でいじめられていたのと同レベルなストレスを感じてしまったのだ。
母が病んだあと、
会衆内の長老たちは、母にあまり「励まし」をしなくなった。
腫れ物に触るような扱いらしく、
それもまた母のストレスではあるらしい(本人はそう言わないが、そう感じているのは分かる)
物語の中では、お母さんを家族で支え、そして、うつの原因となった環境から脱却するために、
親子で協力して新しい家を買うところでハッピーエンドとなっている。
そもそもこの本のメインストーリーとしては、
うつになった人へのエールと言うよりは、ニート一歩手前のフリーターがいっぱしの社会人になっていくところなのであるが、
私にはお母さんの記述がすごく刺さってしまい、なかなかスッキリ、とは珍しく行かなかった読了感であった。
母のストレスの原因は、
母自身の性格、
そして母がJWにいること、
子どもたちが皆離れていること、
この3つが揃っていることに起因する。
そして、そのどれも、母から離してあげることはできない相談である。
現在母の病状はほぼ健常に戻っていて、たまに眠れないときに眠剤を使う程度のものである。
それでも定期通院はしているし、そもそもが結構な老人になりつつあるので、ボケなのか鬱なのか判断がつかないような事をブツブツ垂れ流していたりする。
それを聞いて受け流すのは残念ながらもう私には許されておらず、
姉が全部サンドバッグになって受け止めている…。
それでも、ZOOM集会の期間は、JWとして意固地にはなっていたけれども、
状態としては一番いままで良いように私には思えた。
ぶっちゃけ、母のJW全盛期で一番口うるさくて元気だった頃を彷彿とさせて、
大変鬱陶しいけれども、まぁ元気そうで何より、と言った感じだった。
母の中から、いい加減「もう娘は戻ってこないのだ」と言う手放しの気持ちが生まれたら、
きっともう再発はしないんじゃないか、と思う。
でも、それはきっと無理なのだ。
だって、組織が定期的に、「離れた家族のことを思い出しなさい」キャンペーンをやるから。。
そして、母はそれに無頓着でいられるほど無神経でも家族愛が薄くもないから。。
きっと、母はそれを「試練」として受け入れているのだろうけど。
母が老人らしく、少しはわがままになっているといい。
頭が固まっているのは仕方ない。
もう今さらJWが間違っていましたなんて受け入れられるわけがないから。
でも、
もっと自分に都合よくJWを使える図々しさを身に着けてくれていたらいいなぁ、と思う。
お年寄りサロンとしてのJWはそう悪いもんじゃない。
安否確認にもなるし、なにか意義のあることをやっているという気持ちがあるし、文章を目で追って正解を探すことはボケ防止にもなるだろう。
自分に都合の良いところだけ聞いてたらいいし、
いいなぁと思ったことは負担のない範囲で頑張ったらいい。
援助には気兼ねなく甘えたらいい。
「つまづかせる」なんて気にせず、
自分の思う信仰に従って生きたらいいのだ。
母がもしそんなタイプに生まれ変わっていたらそれはもはや別人だけど笑、
でも、少しでもそういうタイプに近づくしか、
今後の母の老人性うつを救う方法はないと思うのだ…。
たしかに昔、JWは母を救ってくれた。
でもそれはJWが素晴らしかったからではなく、
それまでの周りの環境がクソすぎたからである。
もう、試練を受け続けるのはやめて、
「霊的パラダイス」とやらを都合よく享受してくれないかしら。
ついでに言うとあなたの娘は、
霊的パラダイスより何十倍も幸せな世界で生きていますよ。
ご安心を。
個人的には有川浩ランキングで言うとダントツは「海の底」なのだが、
やっぱり阪急電車はいいなぁ~。あと、三匹のおっさんも好き。
世間にビシッと言える初老のおじさんおばさんがかっこいいと思うお年頃です。