カンヌ国際映画祭で "ある視点"部門の賞を受賞し、アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた怪作。
『籠の中の乙女』(2009年/ギリシャ映画)
監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:ヨルゴス・ランティモス、エフティミス・フィリップ
出演:クリストル・ステルギリオス、ミシェル・ヴァレイ、アンゲリキ・パプーリァ、マリア・ツォニ、クリストル・パサリス
このポスター画像からどんな映画を想像しますか?
"健全な家庭に、狂気は宿る" のコピーがなかったら?
いや、このコピーがあっても、事前に想像するそれを遥かに超えてますよきっと。
一般映画ですが実態は18禁ですからね。
舞台は広い庭のある白亜のプール付きの豪華な邸宅。
映画はこの家からほとんど外に出ない固定で、家の中も真っ白な壁、シーツなど無機質と言うか殺風景と言うか、まるで病院のよう。
実はこの家、父親と母親、娘2人、息子1人の5人家族なんですが、親が子供を"監禁" しながら育てている家なんです。
父親は子供たちが外に出る事を禁じ、「外の世界は恐ろしい危険がいっぱい」だと擦り込んでいます。
学校にも行かせず、生まれた時からずーっと「家の外には怪物がいる」と言い続け、父親は子供たちの興味が外に向かないように独特の教育を施してきました。
自我を認識させない為か、子供たちには名前もありません。
思春期も過ぎていると思われますが、精神年齢はおそらく小学校の低学年ぐらい。
子供たちに許されている娯楽は、昔から家族で撮ったビデオを見る事だけ。
そんな子供たちですが、男の子(たぶんもう20歳ぐらい)には "性欲"というのが出て来ますね。
父親はそれの処理の為に、自分の会社のお姉さんにカネを払って息子の相手をさせるようになります。
しかし、ポルノも見た事ないこの息子、単に動物的に「排出」するだけで、お姉さんは欲求不満。
そこでお姉さんは、依頼主の父親には内緒でこの家の姉妹に「カチューシャあげるから」とか安っすいモンで釣って自分のマ●コを舐めるようにお願い。
そんなんしてるうちにこの姉妹も「アタシも舐められてみたい♪」と思うようになります。
あ、コレ、AVでもポルノでもありませんからね。
ところが、
こんな事してるうちにこの姉妹、子供が喜ぶオモチャのようなものでは言う事を聞かなくなり、「あなたが持っている映画のビデオをちょうだい」と要求。
ビデオデッキがあっても見る事ができるのは家族の映像だけに限定されていたこの姉妹は、こうして家の外の世界の映像を手に入れました。
これを知った父親が激怒!
ビデオデッキでお姉さんを殴り殺してしまいます。
さぁ、
息子の性欲処理係がいなくなってしまいました。
夫婦は相談の末、他人だったからいけなかったんだ、姉妹のどちらかに代わりをさせればナイスだ!という結論に(何でやねん?)
そして息子に姉妹のカラダを吟味させ、チョイスされた姉の方がお相手。2人はベッドイン。
しかし、
本能的なもので禁忌を悟ったのか、姉はコトが終わってから映画で覚えたセリフを吐き出します。
「もし、またやったら生かしちゃおかねえ! お前の一族は八つ裂きにしてやる! とっととこの街から出て行け!」
笑うところなのかどうなのか、よくわからない(笑)
この一件を境に、この一家の何かが壊れてゆきます....
果たしてどうなる??
この映画、劇中に音楽がほとんどなく、カメラ固定でズームもあまりありません。
説明描写もないので見ていてかなりの違和感を覚えますが、試写会場では爆笑が起きたりしていたとか?
まぁ、
コメディとは思いませんが、そう思って見る方が良いかな。


