『六月の蛇 A SNAKE OF JUNE』(2003年)
監督・脚本:塚本晋也
出演:黒沢あすか、神足裕司、寺島進、田口トモロヲ、塚本晋也
全編に渡って雨が降っていて、青色を強調した独特なモノトーンの映像が憂鬱な季節を強調しています。
黒沢あすか演じるお姉さんは、福祉センターで電話相談員をしている人妻。
ハイカラなマンションに住み、リア充に見えますが、極度の潔癖症で台所や風呂場の掃除に粘着する夫・神足裕司とはセックスレス....
夫の帰りを待つ間、彼女は雨の降る窓辺で欲求を満たす為 "セルフ・プレジャー"に耽ります。
しかし、この密かな愉しみが何者かによって盗撮され、その写真が送りつけられて来ました....
盗撮したのは、黒沢あすかがかつて自殺を思いとどまらせた男・塚本晋也。
写真をネタに、さまざまな過激な要求をして来る塚本。
「下着を着けずにミニスカで外出しろ」とかそんなの。
従うしかないのですが、それによって次第に彼女の性=生が解放されてゆきます。
映画の冒頭ではなんとなくダサかった黒沢あすか、どんどん妖艶になり、雨が降りしきる中で服を脱いで身体をくねらせて痙攣し、どこかで見ているであろう塚本晋也にその写真を撮らせたりします。
※注:これはAVでも18禁映画でもありません一応。
そしてその写真を夫に送らせる。
嫁ハンのあり得ない姿を見た夫の驚き....
登場人物の全てが何かを抱えていて、行き止まりから、ついに弾ける。
公開当時に一度観たきりなんですが、果たしてこの映画、20年経って改めて観るとどう感じるだろうか...? と、どうも気になります。