これは2010年発売、『幻夢』という邦題がつけられたシド・バレットの "オールタイム" ベスト盤です。
バレットのベストはこれが3枚目か4枚目ですが、これはソロ作品だけでなくピンク・フロイド時代の曲も収録されており、プロデュースはデビッド・ギルモア。
ギルモアが新たにベースパートを追加した曲もあります。
まとめて聴くと、
異様な迫力があります。
シド・バレットという人、ピンク・フロイドに在籍していたのはたった4年ほど。バンドは次第に狂気に近づいてゆくバレットを "切る" 事によって存続の道を歩み、実質ロジャー・ウォーターズのワンマンバンドになったはずなのに、脱退後も『The Dark Side of the Moon』や『Wish You Were Here』などバレットの亡霊から脱却できずにいました。
いや、バレットに取り憑かれた作品こそがロック史上に残る名盤。
そして、1969年、1970年に発表されたソロアルバム1st、2ndはロック史上に残る不安定盤。
そんなシド・バレットの半生を描いた映画が5月に公開されます。
タイトルは『シド・バレット 独りぼっちの狂気』
ピンク・フロイドのメンバーや友人知人たち、当時のガールフレンドなど多数の証言と貴重な記録映像で構成されていて、監督とインタビューを勤めているのはベスト盤『幻夢』のジャケットデザインを手掛けたストーム・トーガソン(ヒプノシス)
トーガソンが亡くなった為、映像作家のロディ・ボグワナが引き継いで完成させました。
証言はどうでもいいんですが、逸話がたくさんある。天才とか狂人とか様々な評価のある、"動くシド・バレット"は見たいですね。